Google広告の完全一致の「類似パターン」が拡大し、機械学習の浸透がより明確に


類似パターンがさらに拡大


2018年9月6日、Google広告(旧AdWords)の検索広告において、マッチタイプの一種である完全一致の「類似パターン」がさらに拡大され、同じ語句の言い換えや同じインテントを持つ別の表現なども対象になることが発表されました。

今回の変更は、2018年10月から英語圏で開始され、その後数ヶ月かけて他の言語でも展開予定とのことです。

参考:
Google's exact match close variants expand again: Now include same meaning variations - Search Engine Land
Match the intent of a search with close variants - Google Ads Help


そもそも類似パターンとは


類似パターン(Close Variants)とは、完全一致で指定したキーワードと同じ(=完全に一致する)検索クエリのみならず、その表現と非常に似ている語句でも広告のオークションに入るという機能のことを指します。完全に一致せずとも表記ゆれには対応する、という仕組みですね。

Googleのヘルプによると、類似パターンには、次のような検索語句が含まれます。

誤字脱字
単数形や複数形
語形の変化(例: 英語の「floor」と「flooring」)
略語
アクセント付き記号の有無
意味が同じで語順が異なる語句(例: [靴 男性用] と [男性用 靴])
機能語の有無。機能語とは助詞(例: 「から」、「の」)や接続詞(例: 「ための」、「しかし」)など、検索の意図に影響しない単語です。たとえば、[男性用の靴] というキーワードは、「の」という機能語がない [男性用靴] の類似パターンに該当します。
リンク:完全一致を使用する - Google 広告 ヘルプ


この類似パターンの存在自体は以前からあり、2014年の発表時には非常に多くの議論を巻き起こしました。(多くは広告主や代理店からの反発でした)

発表時には多くの摩擦を生んだものの、類似パターンは徐々に完全一致の基本的な要素として認識されるようになり、その後2017年にはアップデートされ、「前置詞、接続詞、冠詞などによる区別をしない」「語順違いへの対応(ただし意味が同じ場合に限る)」 というかたちで、適用範囲を徐々に拡大してきました。今回は、類似パターンの登場以来、2度目の大型更新になります。


新しい類似パターンの具体例


今回発表の類似パターンは、以下の3つが機能として加えられています。


言い換え(paraphrases)
同義語(other terms with the same meaning)
示唆(implied words)

Image:Match the intent of a search with close variants - Google Ads Help


上記の例では、完全一致キーワード[yosemite camping] を使用している場合、

「yosemite campground」
「campsites in yosemite」
「yosemite national park ca camping」

は今後類似パターンとして含まれます。

仮に上記を日本語に直すとすると、以下になるでしょうか。
(語彙が日英で違うのでちょうどいい訳になりませんが…)

「ヨセミテ キャンプ場」(言い換え)
「ヨセミテのキャンプサイト」(同義語)
「ヨセミテ国立公園 キャンプ」(示唆)

いずれにせよ、検索の意図が設定したキーワードと一致する場合、つまり「ヨセミテ国立公園でキャンプに行くこと」と一致する場合に、キーワードは完全一致でもオークションに入り、ユーザーが広告を目にする可能性が出てくる、ということになります。(ヘルプにあるように、目的地は同じでも意図が異なる「ヨセミテ ホテル」や「ヨセミテ キャンプ おすすめ」などでは表示されません)

なお、"Phrase, broad, and broad match modifier keywords aren’t included in this update." とあるように、今回の更新はフレーズ一致や絞り込み部分一致、部分一致では対象外のようです。


広告管理者はどうすればいいのか


今回の類似パターン更新に際し、運用者がキャンペーンに何かしらの変更を加える必要は今のところないと思います。(ヘルプにもマッチタイプの変更の必要はないとの記載があります)

現実には、「オフライン広告からの誘導の関係で、検索語句の違いによって別々のURLに振り分けている」といった特別な状況は存在すると思いますが、そういった場合を除き(個人的にはその場合であっても打ち間違いや表記ゆれはかならず存在するので更新後の方がユーザーにとっても便利だと思います)、多くの広告主にとってはユーザーの検索意図と合致する可能性が増えるため、ポジティブに作用するのではないかと思います。

もちろん、本更新適用後に検索クエリレポートを確認し、どの程度語彙の幅があるかを確かめてみることは大事かと思います。(除外するかどうかを、言葉と状況両面からの判断することが運用者のスキルになりますね)

潜在的な表示機会の損失は、その損失具合が見えにくいだけに、その影響を過小評価しやすいものです。(レポートでインプレッションシェアは見れますが、完全一致を網羅することを好む広告主ほど、インプレッションシェアレポートを見ていないような気がします) Googleによると、毎日の検索の約15%に新しい言葉が含まれているそうです。完全一致キーワードの適用範囲を広げることで、広告運用者は網羅的な完全一致リストを作成することなく、同様のクエリに対して広告を表示する機会を増やすことができるのではないでしょうか。

ヘルプにも「機械学習による恩恵」だと明確に書いてありますが、Google は機械学習を利用してマッチタイプを辞書的なアルゴリズムから統計的なアルゴリズムへと大きく変化させることで、ユーザーの多様性と広告設定との間に横たわる大きなギャップを埋めようとしています。

それはもちろん、一義的にはGoogle自身のためです。検索結果の品質を担保したうえで Coverage(全クエリにおける広告表示率) や Depth(1クエリあたりの広告本数)を増やし、結果的にクリックの機会を増やすことは、そのままGoogleの収益に直結します。

一方で、ユーザーの意図と非常に近い、関連性の高い広告の表示機会が増えるのは、ユーザーにとっても利便性が高くなります。

関連性の高さを学習によって維持できている間は、広告のエコシステムの構成要員として、完全一致の類似パターンは力を発揮するのではないでしょうか。そして、その関連性の高さは広告主1社1社が、広告文とランディングページ、そして何よりサービスや製品に時間と手間をかけることで達成できるものでもあります。

キーワードのマッチタイプは、その達成を補助する一つの機能に過ぎないのかもしれません。

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