海外に向けてSEMを行う上で気をつける7つのこと



日本企業の海外進出はまだ少ないと言われていますが、少ないだけに国内には事例が少ないので、分からないことも多いと思います。ただ、海外企業のそれは温度感が別で、SESやSMXのようなサミットでは必ずトラックが設けられるような割とメジャーな話。ただもちろん、メジャーだからといって別にみんながみんな得意なわけではなく、試行錯誤しているようです。

ここでは、海外向けにSEMを行う際の注意点を羅列してみます。


1. 翻訳者の確保

身も蓋もないですが、まずはここからだと思います。日本語の広告でも、たまーに「てにをは」が間違っていたり、いかにも直訳っぽい広告文を見ることがあると思いますが、そのちょっとした「外様感」が広告の短期的な費用対効果だけなく、ブランドイメージにも直結しますので、ここはコストを惜しまずにかけるべき。大事なのはキーワードの設定ではなく、広告を見たユーザーがどう感じ、ウェブサイトに訪れたときにちゃんとローカライズされているか(あるいはローカライズだと感じないほどにそれっぽくなっているか)だと思います。

なお、どうしても翻訳者を雇えない場合は、以下のことに注意しながら作業をすすめるのがいいと思います。
  • 国や地域の言語に特有の語彙やフレーズ、言い回しを知る
  • 同業界や競合製品で使われる特別な言い回しや必ず使われるフレーズを知る
  • 過度に訳しすぎない。新しい言葉は外国語が母国語化しているものも多い

2. ウェブサイトの翻訳

広告の着地はウェブサイトなので、こちらのコンテンツが微妙だと広告の効果も半減します。また、単純に翻訳しただけだと必須のフレーズがその国の正しい言い回しに沿ってない可能性があるので、その国のオーガニックサーチにもうまく対応しなくなってしまうため、ちゃんと吟味することが必要です。なので同業界や競合製品で使われる特別な言い回しや必ず使われるフレーズをリスト化してから翻訳すること。あと、忘れがちなのがサイトで使われる画像にあるキャプションなどもちゃんと翻訳しておくこと。人はテキストを読む前に画像で大意を読むので。あと、特にアジアはPCではなくスマートフォンでのトラフィックが多くなってきているので、モバイルでの最適化は優先順位高いです。

3. リサーチ

リサーチは言わずもがなですが、SEMであれば、同業種のローカルでの競合情報、マーケットシェア、キーワードリサーチ、Eコマースのレギュレーション、ユーザーの行動特性あたりでしょうか。特にユーザーの行動は国によってぜんぜん違うので、情報を集めるに越したことはありません。なお、お金があまりかけられない場合はグローバルマーケットファインダーなんかを使うと定量データはけっこう調べることができます。ただ、矛盾してますがデータに頼りすぎないことも大事です。間に現地の代理店とかを通す場合は、商習慣に気をつけつつ、クオリティにムラがあるのでテストできるように契約書で長く縛られないようにすること。

4. オーガニックサーチ

オーガニックサーチについては、ウェブサイトの最適化だけでなく、国別トップレベルドメインとIPアドレスが重要なので、もし可能であれば、ローカルのドメイン取得とローカルでのウェブサイトホスティングをするとよいと思います。あと、自社サイトからちゃんと相互リンクしておくことと、ソーシャルメディア対応、特にフェイスブックページとソーシャルプラグインは必須。本質的じゃないけど、リンクビルディングとマーケットリサーチになります。

5. 多言語対応

日本は日本語でどこでも通じますが、多言語の国家は多いので、ローカル用に作ったウェブサイトでも、多言語での翻訳と最適化が必要なので、同様に広告も多言語で適用することが求められます。翻訳者を確保した方がいいのはこういった理由もあります。

多言語国家はたとえば以下の国々です。

  • スイス : ドイツ語、フランス語、イタリア語
  • ベルギー : オランダ語、フランス語、ドイツ語
  • インド : ヒンディー語、英語、他17の地方言語
  • シンガポール : 英語、マレー語、中国語
  • イスラエル : ヘブライ語、アラビア語、英語
  • カナダ : 英語、フランス語

6. 地図サイトへの登録

Google Placeなどの利用して、ローカルでの検索結果を少しでもよくします。ちなみにGoogle Placeは100以上の国に対応しているので、大抵の場合使うことができます。もちろん翻訳してから。

7. 文化の違いを尊重

キャンペーンは言語だけでなく、文化に適応させることがもっとも大事で、"Be Local." とはよく言われます。自分の常識で考えず、その国の文化を尊重することが何よりも大事です。


SEM では Google AdWords を使うことが多いと思いますが、AdWords はほとんどの国と地域に対して同一通貨で決済が可能なので、日本で経理処理するんであれば日本企業は円高の今がチャンスかなーと思ったりしています。

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