2011年9月30日金曜日

続: Googleのディスプレイ広告 3つの事例


前回、Googleのディスプレイ広告 3つの事例というポストをしましたが、Google のディスプレイ広告への力の入れようを表すように、2週続けて事例が追加されていましたのでご紹介します。

Ad Case Studies
See what made some of the most successful ad campaigns happen
www.google.com/adwords/watchthisspace/creative-corner/case-studies/

前回はダイレクトレスポンスを求める企業の事例で、具体的に売上やコンバージョンやCPAがディスプレイ広告によって向上したよ!という話がメインでしたが、今回の事例は、Google が自身のブログで「A look at how display builds brands for marketers today (ディスプレイがどのようにブランド構築に貢献するか)」と言っているように、いわゆるブランドエンゲージメントに焦点をあてた事例が3つ追加されています。

今回新たに追加されたディスプレイ広告の事例は以下の3つです。

Volvo | Watch This Space | Volvo Case Study
VOLVO(ボルボ)はご存知のとおりスウェディッシュな自動車メーカーです。S60の発表に合わせYouTubeのブランドチャンネルとマストヘッド、AdMobを利用したモバイルネットワークとPCでのディスプレイネットワークでビデオ広告を利用したことで、同モデルの購入意向を88%向上させることに成功したとのこと。体感を重視したクリエイティブのようです。なんだか媒体費より制作費の方が何倍も高そうな事例です。

Animal Planet | Watch This Space | Animal Planet Case Study
Animal Planet(アニマル・プラネット)はBBCとディスカバリーチャンネルが共同制作している動物と環境をテーマにした番組です。この事例では同番組の人気シリーズである「River Monsters」のシーズン3のトレーラービデオで、のべ2,000万回の視聴をYouTube上でゲットしたことが伝えられています。やり方としては、インストリームやプロモート動画、ブランドチャンネルなどのYouTubeの商品をあますことなく使い、PCやモバイル関係なく出しまくったとのことです。力技だなーと思いつつも、Animal Planet が好きな方は実際の映像が見たい方だと思うので、YouTubeをメインに据えた姿勢はキャンペーンの目的と合っているんではないかと思います。

Sealy | Watch This Space | Sealy Case Study
Sealy(シーリー)は全米シェアNo.1を誇る、いわゆるベッド・マットレスで有名なシーリーベッドです。安眠を求める方には言わずもがなの企業ですが、同社の「Posturepedic」というブランドを再定義し認知してもらうためのキャンペーンにYouTubeを利用したようです。プロモート動画とインストリームを駆使して、キャンペーン開始から1週間でウェブサイトへの誘導が46%増加したとのこと。リブランディングには映像が効果的ですね。


というわけで、ブランディングの事例というと、やはりGoogle的にはYouTubeになるようで、3つ全ての事例がYouTubeにフォーカスされたものでした。

日本でもYouTubeの広告はいろんなものが出てきましたし、いわゆる純広告だけでなく、DoubleClick、AdWordsなど配信方法も様々ありつつ、ブランドチャンネルやウェブサイトへのエンベッドなど、広告にとらわれない利用方法もたくさんあるので、プロモーションのYouTubeの活用はこれからも事例があれば見ていきたいと思います。



2011年9月29日木曜日

検索連動型広告が再び上昇気流に

北米の検索連動型広告が再び上昇気流に乗ってきたようです。

IAB(Interactive Advertising Bureau) と PwC(Price waterhouse Coopers) のインターネットメディアグループが毎四半期まとめている「IAB Internet Advertising Revenue Report(2011年上期)」によれば、2011年上期のネット広告は前年同期比で23%と前年の14%から大幅にアップし、下期の実績によっては昨年通期の売上を上回ることはほぼ確実と伝えつつ、その中でもディスプレイ広告の伸び以上に、検索連動型広告の伸びが強く牽引していることを挙げています。

Internet Ad Revenues at Nearly $15 Billion in First-Half 2011, Up 23%, Second Quarter 2011 Breaks Record Again

以下の2つのデータを見ると、確かに検索連動型広告のネット広告全体に占める比率は前年の47%から49%へ増加し、売上高も5,747Mから7,286Mドルへと、1,500Mドル以上の大幅増加となっています。バナー広告も前年の4,356Mから5,535Mドルへと、1,200Mドル弱の積み上げを見せているものの、検索連動型広告の方の伸びが大きく、全体のシェア増加は1%に留まっていることが分かります。



次に、以下のグラフは、検索連動型広告やバナー広告など、それぞれのタイプ別の時系列(年)の推移を示したグラフです。

昨年(2010年)は、リーマンショックの後遺症で全体的に振るわなかったその前年(2009年)から数字が大幅に復活し、DSPやRTB、Ad Exchangeなどの勃興で勢いの出始めていたバナー広告のシェアが微増し、検索連動型広告が若干シェアを減らしたため、「すわ、ディスプレイの時代が?」と一瞬騒がれたこともありましたが、今年の上期のデータを見るかぎり、検索連動型広告は改めてその実力を発揮し、ディスプレイは相対的にやや振るわなかったという結果になりました。数字は伸びているんですけどね。




一方で、この検索連動型広告の伸びが、いわゆる検索結果に広告をリスティングするタイプのものだけが牽引していると捉えるのは一考の余地があります。

以前も触れましたが、検索連動型広告と訳している項目「Search」の内訳は、「Paid listings」・「Contextual search」・「Paid inclusion」・「Site optimization」の4つの分野が含まれており、このうちいわゆる検索連動型広告というのは、「Paid listing」に当たります。

もちろんこれは伸びているんですが、欧米でドミナント状態のGoogle の売上の半分はパートナーサイトからの収入で、「Contextual search」はそのパートナーサイトに含まれます。Google が近年ディスプレイ広告に力を入れていて、そのディスプレイ広告もプラットフォームとしてはDoubleClickだけではなく AdWords をメインで使っていることが非常に多いということを考えると、この検索連動型広告の伸びは額面どおりに捉えないようにしないといけないと思います。 つまり、Searchカテゴリの中の「Contextual Search」の割合は無視できないほどに大きく、かつその何割かはバナー広告が入っているのではないか?ということです。(「Contextual search」の定義には「text links」って書いてあるんですけど、詳細に調査するのは難しいはずです)

第三者配信とアトリビューションの普及によってディスプレイと検索、その他のネット広告はトレードオフではなく協調して伸びていけるものだと思っているので、今後もこの数値は定点観測していきたいと思います。

PDFのレポートはこちらから:
the First Half '11 Internet Advertising Report (pdf)



2011年9月28日水曜日

ディスプレイネットワーク(GDN)が学べる日本語動画


Google のディスプレイネットワークは検索と比べて理解がむずかしいと言われることがあります。

Google は自社のヘルプセンターラーニングセンターなどで詳細にディスプレイについての解説やトレーニングの機会を設けていますし、一部の広告代理店には専用のサイトを用意したりもしていて、メディアとしての努力は果たしているように思いますが、残念ながらそれぞれのコンテンツが集約されていなかったり、リンクがバラバラだったり、最新情報ほど翻訳が間に合ってなかったり、そもそもテキストが多すぎて読む気にならなかったりするので、よいコンテンツなのになかなか見られていないのが現状のようです。

ですので、今回はそういったコンテンツの中で、比較的まだ旬であるディスプレイネットワークについて、テキストを読むのが面倒な方のために、理解が進みそうな動画をご紹介します。
Google のビデオによくあるオシャレに概要だけ言いっぱなしで詳細はよく分からない、みたいなものではなく、具体的な説明も多いので、ディスプレイネットワークについての理解にちょっとあやふやなところがある、という方にお勧めです。2つの動画は合わせて50分くらいで少し長いので、お昼休みにサンドイッチを頬張りながら観るには丁度よい内容かと思います。

ちなみに、どちらの動画もYouTubeの再生回数が500回程度(2011年9月時点)と悲惨な状況なので、もったいないです。自社広告をバンバン流すだけじゃなくて、こういったエンドユーザーをしっかり育てるところに予算を少しでも割けばいいのにと思います。






2011年9月26日月曜日

リターゲティングの未来について知っておくべき5つのこと


ディスプレイ広告の進化というか環境の変化はかなり急速に進んでいて、かつ分かりにくい部分も多いので混乱している人も多いと思います。僕もその一人です。

そこで、ちょっと前の記事ですが、様々なオンラインメディアのデータを繋げるプラットフォームを展開している The Trade Desk のCEO Jeff Green 氏が、ディスプレイ広告の中でもホットトピックであるリターゲティング広告の未来について語っていましたので、理解の一助になればと思いご紹介します。

ちなみに、リターゲティング広告というとGoogle のリマーケティング広告が真っ先に浮かびますが、Jeff が語っているのはもう少し上流からというか、リターゲティングに限らずディスプレイのマーケットで起こっていることを俯瞰した上で、警鐘や助言と捉えるべき言葉になっています。


参照元:
リターゲティングの未来について知っておくべき5つのこと:
5 Things You Should Know About the Future of Retargeting


ページごとの広告枠は増えない
現在のオンライン広告が抱える問題の一つに、新しい広告在庫が無限に作られていくことが挙げられます。

高速道路の脇に設置するような屋外看板はアホみたいにお金がかかりますし、高視聴率のTV番組のスポット枠は限られています。ネットではそんなプレミアム枠はない一方で、もしあなたがオンラインメディアの媒体社に勤めていて、売上を伸ばしたいと思っていたら、新しいユーザーやよい広告を獲得するために必死に努力よりは、ページに広告枠を増やしたほうが簡単です。広告在庫は媒体社であれば無限に作ることができます。

ただ、間違ってはいけないのは、賢い媒体社は、新しい広告在庫をアドネットワークやエクスチェンジに安売りして溢れさせるのではなく、自社メディアのユーザーにフォーカスすべきであり、自社メディアの広告に適切な価格をつけるべき、つまり効率の良いマーケットプレースを作るべきだということです。市場がいまよりさらに成熟すれば、自然とサプライサイドとデマンドサイドのバランスが取れてくるでしょう。そのとき、溢れた広告在庫は見るかげもなくなってしまうと思います。


RTBはリターゲティングの主役になる
言わずもがな、DSP(Demand Side Platform) は十分なリーチを抱える大手のアドエクスチェンジにつながり、特に地域ターゲティングのような様々な方式に対応しながらリターゲティング広告を拡大させるはずです。いいDSPはレーシングカーや質の良い医療器具のようなもので、いい広告在庫とそうでないもの、高いものとお買い得なもの、貴重なものと残りかすとを的確に見分けることができます。


「人」がもっとも重要
DSPを考える上でもっとも見過ごされがちなのが、人です。株式仲買人、外科医、そしてレースカードライバー(※)は、みな彼らが使うツールより大事です。RTBでもそれは一緒。

”右に倣え”が信条の企業は、広げるだけ広げてあとは神頼みのようなアドエクスチェンジの広告在庫を買っていて、彼らはパフォーマンスや効率を軽視し、サイトの閲覧者にできる限りのインプレッションをまるで絨毯爆撃のように出しています。それは短期的には成功するかもしれませんが、長い目で見るとうまくはいかないでしょう。広告主がDSPのできることとすべきことを理解し利用してもっと洗練されていけば、おのずとフォーカスすべき人々の動きが見えるようになるでしょう。

素晴らしいトレーダーはツールの使い方を熟知しているのでキャンペーンを作ることも壊すこともできます。よいドライバーとよい車がセットでないとレースには勝てませんが、トロフィーは常にドライバーに授与されます。これは広告代理店にとっては未来を見つめる上で福音ではないでしょうか。アドエクスチェンジの世界では、よいトレーダーがこれまで以上に必要とされるからです。
(※)DSPを医療器具やレースカーと唱えた比喩に対応しています


トレーニングも同じように重要
ディスプレイ広告を扱うのはかんたんではありません。

現在のDSPの立ち位置は代理店にとっては微妙かもしれませんが、そうしている間にも、いくつかのDSPは代理店のメディア担当者をトレーニングするより早く、直接広告主にアプローチを始めています。これは、彼らのような積極的なDSPは未来の広告代理店になりうる存在であるという、多くの業界人への本質的な警鐘だと捉えるべきでしょう。そのような積極的な動きを見せないDSPも、広告代理店内に優秀な担当者を育成するためのトレーニングにはフルコミットしており、中にはRTBをしっかり使うために他のチャネルも含めた分析のトレーニングを提供しているところもあります。


自社データは競争上最重要
ランディングページにタグを設置してウェブサイトを訪問したユーザーにリターゲティングを仕掛けるのは難しいことではありませんが、ディスプレイの市場は日増しに競争が激しくなっているので、広告主や広告代理店はインプレッションごとの価格を市場に委ねるだけでなく、自社データを利用して意思決定や最適化する必要があります。

例えば、どの製品が過去にもっとも買われていて、どうしたら広告クリエイティブでそれを補完することができるのかを考えたり、製品やサービスの購買サイクルに合わせてCPMをいくらまで出すべきか、もしくは一日あたり何回まで消費者にメッセージを伝えるべきかなどです。

The Trade Desk を利用する広告主は自社の顧客のデータを意思決定の最上位に置いてマーケティングを行なっていますが、それでも、手許にある大量のデータを触り始めたばかりです。ある広告主は「私は自社データのプロバイダになれるよ」と仰ったのが印象的でした。そのとおりだと思います。


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以上です。どれだけツールや環境が進化しても、人が重要というのは今までもこれからも言われていた通りですね。今は環境変化の過渡期ですが、過渡期を見つめてその中で仕事ができる僥倖を感じつつ、ポジティブな未来を信じて頑張っていきたいものです。

なお余談ですが、Jeffは以下のようにも言っています。
1年前、ディスプレイ広告のテクノロジーに関する質問で最も聞かれたのは、「RTBの展望を理解したいので教えてくれないか?」だったのですが、現在ではその質問は「どうやってDSPのエキスパートを雇うか育てたらいいと思う?」に変わっています。

時代は、確実に、進んでいますね。


See also: The Trade Desk www.thetradedesk.com/



SEOの4Pとは?

マーケティングの4Pといえば、「Product」「Place」「Price」「Promotion」ですが、SEOの4Pといえば?というネタポストがSearchEngineWatchにありました。

訳すたびにうっすら涙を浮かべねばならないほど、SEOというのは大変なのだなあと改めて感じ入ってしまいます。検索結果の更新が月1回だった頃(2003年くらいまで)が懐かしいなあ。




Proactive:
まずは「Proactive」。積極的であれ、ということですね。

ウェブサイトに変更を加えたり、バックリンクやソーシャルでの活動が検索結果に反映されるのはタイムラグがあるし、環境によっても変化するし、アルゴリズムは以前のパンダアップデートみたいに次々変化するので先月効いた施策も今月は何が効くか分からないので、待つのではなくトライを繰り返し、議論し、情報収集して、とにかく攻めるべし、とのこと。SEOは基本が大事、とよく言いますが、実際の担当者は忙しいのですね。

Persistence:
次に、「Persistence」。粘れ、という感じでしょうか。

SEOはリスティング広告みたいに施策ごとにお金がかかるものではないのだから、とにかく競合に出し抜かれないように、人より多くがんばりましょうとのこと。SEOの戦略やルールの範囲内で一つでも多くのコンテンツを作るなりブランディングにいそしむなりというのが吉とのことのようです。コンテンツファームにならないように気をつけたいところですね。

Perseverance:
そして、「Perseverance」。耐えろ、と訳せばいいでしょうか。

どんなにイケてるSEO戦略をもってしても検索結果は検索エンジンのものであってコントロールなどできないのだから、思いがけずランキングが急上昇してウハウハということもあれば、いきなりランキングが圏外まで落ちてこの世の地獄みたいなこともありえると。冬の時代に備えて毎日コツコツと準備せよとのことです。厳しい世界ですね。

Patience:
最後に、「Patience」。つまり我慢だと。

みんな毎月お給料は貰うし(払わなきゃだし)、経営者は投資家に説明しなきゃいけないし、毎四半期資金繰りは考えなきゃいけないし、とにかくビジネスの世界に我慢強い人などいないので、タイムラグがあって結果が出にくく読みにくいSEOというのは、常に我慢を強いられるお仕事だとのこと。「200の新しいバックリンクを全部ビッグワードのアンカーテキストでもらえたらいいのにねー」という自嘲的な一文が涙をそそります。


というわけで、SEOの4Pとは、4つ並べなくても基本は我慢だということが分かりました。いやー、辛い。。。

ちなみにコメント欄には、
「オレは5つ目のPを知ってるぜ! それはPractical だ!」というマジメな人もいれば、
「5つ目のPはPressure ね」という空気を読む人もいて、なかなか面白いです。
 



2011年9月24日土曜日

Googleのディスプレイ広告 3つの事例


Google は数年来ディスプレイ広告に力を入れており、先月(2011年8月)にも”Watch This Space”のサイト上でディスプレイ広告のベンチマークとなる幾つかの指標を公開したのに引き続き、ケーススタディ(事例)も追加しています。

Ad Case Studies
See what made some of the most successful ad campaigns happen
www.google.com/adwords/watchthisspace/creative-corner/case-studies/

Google がつくるディスプレイ広告系の資料はとてもキレイですが、中身は残念ながらそれほど詰まっているわけではありません。

また、以前はAdWords の事例といえば広告主のボリュームゾーンに合わせて、「我が事のように感じられる」中小企業の事例が多かったですが、やはりディスプレイ広告となると広告宣伝費をある程度潤沢に保有している大手企業やインターネットをメインの集客チャネルにするような新興の業種業態が主な対象になるようで、ディスプレイ広告を行う必然性を喚起するような原理原則を謳うのではなく、ひたすら儲かってイケイケでゴーゴー的な仕上がりになっております。ハッキリしてていいですね。(笑顔)

というわけで、ディスプレイ広告の事例は以下の3つです。

Airbnb | Watch This Space | Airbnb Case Study
Airbnb.com(エアビーアンドビー・ドットコム)は、2008年創業の、空き部屋を貸したい人と旅行などで短期に部屋を借りたい人をつなげる物件レンタル仲介サービスを行なっている会社です。GDN(Google Display Network) がAirbnb の扱いを80万泊から200万泊まで成長させたと謳っています。やり方としては、広告バナーを魅力的にしつつ全サイズ作って、リマーケティングでひたすら追いかけたとのこと。

ShoeDazzle | Watch This Space | ShoeDazzle Case Study
ShoeDazzle(シューダズル)は、月額費用を払えば毎月新しい靴を送ってくれるサービスを提供している通販会社です。3ヶ月間でCPAを維持したまま大量のコンバージョンを稼いだとのこと。やり方としては、インタレストカテゴリ、ディスプレイキャンペーンオプティマイザー、リマーケティングなどを幅広く利用とのことなので、インタレストカテゴリを使ってCPAを維持と言っている時点でそれまでの検索キャンペーンの設定がザルだったことを匂わせる内容に仕上がっています。

Groupon | Watch This Space | Groupon Case Study
Groupon(グルーポン)は言わずもがなの企業ですが、この事例がアップされた直後に、Google を飛び出した現COO Margo Georgiadis 半年でGroupon を辞してGoogle に出戻りしつつ、しかもゴタゴタが続くIPO前にあたって会計基準を世の中に合わせたら売上が半分になってしまったというニュースが発表されてしまい、ディスプレイの事例自体も「普通に使ってただけ」なので、全体的になんだか微妙な空気を醸しだしています。


というわけで、事例自体はさておき、このWatch This Spaceのサイトは便利で、特に”Tools”のページの下方にある各種レポートは一読の価値があります。僕のように英語が苦手な人でも読める内容なので、未読の方はぜひ一度ご覧下さい。



2011年9月7日水曜日

アドワーズの検索クエリレポートから一発で広告グループを作成する方法



Google AdWords やYahoo! リスティング広告などのPPC広告において、アカウントの中のキャンペーンや広告グループの分類と建てつけ(いわゆるアカウント構成)が大事なのはずっと昔からリス男や代理店な方々が口すっぱく言われていることなので今さら強調するまでもありません。

が、実際のところ、言うは易く行なうは難しで、実際にアカウントの中身を作っていく際には、企業の商売を大づかみしつつウェブサイトをくまなく眺め、語彙の数だけあるキーワードを必要な分だけKJ法的に同類項でまとめて、かつ世の中と企業をブリッジするための接点であるところの広告をバランスよく作っていかなければならないので、多少の経験と想像力と社会性、および言語運用能力と算数ができないと厳しいという面倒な世界です。

求められる能力と繊細さが比較的高い割にあまり儲からないので、なかなか10年戦士が育ちにくい仕事だと思います。(まだできて10年だけど)

万人がそれをできればネット広告の単価はおそらくもう少しだけ上がっていくはず!ということで、DSPやSSPやAd Exchangeなどなど、ディスプレイ周りではいろいろな動きが活発で何だかよいですなあと思う一方で、リスティング広告はもう少し地味というか、繊細というか、「てにをは」を間違えただけで結果がウンともスんとも言わなくなったりしますので、機械がいかに優秀でも元がへっぽこだと結果もやはりへっぽこになってしまいます。

そして何でへっぽこなのかを吟味する第三者や習慣がないので(吟味したら担当者の立場が危うくなったり代理店を変えられたりしてしまうので)、「ややこしくて難しい」と腫れもののような扱いを受けたりしているのが現状だと思います。


…では、ある程度へっぽこアカウントができてしまうのは仕方がないとして、それをいかに効率良く最大公約数的にだれでも気軽に直せるようになるのか、具体的にはグルーピングし直してアカウント構成を良くすることができるのかというのが今回言いたいことです。タイトルの通り「一発で広告グループを作る」です。

一発で広告グループを作れたらどんなに楽かと思うリスティング広告従事者は多いのではないかと思います。もちろん日本語は複雑なのでなかなか一発とはいきませんが、ゼロから軸ワードとか訴求ワードとか類語とかを洗い出してエクセルでもれなく掛けあわせて大量のゴミワードを生成してしまうよりは、検索数もあり、実績もあるキーワードをある法則に基づいて自動的にグルーピングした方が結果的によいこともあるのではないかと思います。ある程度微調整は必要だと思いますが、無尽蔵に肥大したものを根元から作り直すよりは、できたものを直す方が結果も時間の使い方としても良いです。

今回の方法で広告グループを作成するときに必要なものは、キーワードリストだけです。タイトルには「アドワーズの検索クエリレポート」と書きましたが、もしすでにアカウントに実績があれば、CTRやらCVやらが付いているもののみリスト化することで効率良く必要なキーワードだけグルーピングできるのでよいだろうと思っただけですので、もしこれから作る場合は、AdWords や Yahoo!リスティングのキーワードツールから任意に生成したキーワードリストでもかまいません。

使うツールは、こちらです。


The Free Keyword Grouper - WordStream's Free Keyword Grouping Tool


リスティング広告関連のテクノロジーベンダーであるWordStream社が提供している無料のグルーピングツールです。ちなみにこの会社が出している「AdWords Performance Grader」というレポートツールもなかなかいいです。日本だと最近シトラスジャパン社がリリースした「Listing Reporter」が近いですね。このあたりのツールが充実しているかどうかは、その国や商圏の中小企業やインハウスのマーケットの成熟度を測るバロメーターではないかと思います。


使い方はカンタンで、まずはこちらのボックスに、


用意したキーワードリストをペースト(1,000個まで)して右下のボタンを押します。
キーワードリストが実績のある検索クエリレポートだと、いい感じにまとまると思います。


このようにグルーピングされて出てきますので、メールで送ってもらえば完了。



以上です。グルーピングが大変だったり、すでにアカウントに実績がある場合は、試されてみるのもいいんじゃないでしょうか!



P.S.
こんなやっつけツールではなく真面目にグルーピングされる方は、以下の記事をおすすめ致します。

広告グループのグルーピング設定方法/AdWordsの始め方 | SEM-LABO

収集したキーワードをグループ化する | Web担当者Forum



2011年9月3日土曜日

Googleのシェアが落ちている原因らしきものの推測


検索エンジンのシェアは色んな業者さんが定点観測されていますが、先日、Mailpublisher さんにこんな記事がありました。


検索エンジン米シェア、Googleは微減傾向、Bingが3カ月連続上昇 - Mailpublisher.jp


Experian Hitwise のデータの精度が残念という前提は脇に置いておくと、Google の独占状態に陰りが見えてきているという示唆は何となく分かります。

詳細は記事が詳しいですが、Google のシェアが微減傾向にある原因の仮説として、以下のデータが掲載されています。


Hitwise社の調査レポートによると、Bing検索エンジンを搭載しているyahoo.comとbing.comの検索成功率は、いずれも80%を超えているのに対して、Googleは67.56%と10%以上の差をつけられている。ちなみにここで述べる「成功率」とは、検索エンジンからユーザーがウェブページに到達した割合=クリックスルー率(CTR)を示す。この検索成功率とシェア率に直接的な因果関係を示す証拠はないが、この顕著な成功率の差が、シェア率を落とすひとつの要因として挙げられるかもしれない。今後も引き続き定点観測をする必要があるだろう。

つまり、Hitwise的には「Success Rate(検索成功率)」が低いからユーザーが離れていってるんじゃね?ということを暗に言いたいらしいですね。

もちろん、以前から検索成功率って何ぞと、クリックせずとも情報を得られたのはどうやって測るんだコノヤロウとMatt Cutts氏も苦言を呈しておられますので、この辺りはなかなか竹で割ったようなシンプルな結論を出すのは難しく、議論百出となるのは仕方ないのかなと思います。

Cutts氏の苦言はいかにもGoogle らしいと思います。情報到達までのコストを最小化するのがGoogle の使命だとすると、広告側の事情は置いておいて、クリックして目的の場所に飛ばずとも情報が得られるのであればそれに越したことはないという意見はよく分かります。

一方で、Hitwise の憶測に反論するには、SERP からのクリック率とユーザーの情報到達率は必ずしも相関しないという説明が何となくほしいところです。かなりの数のユーザーがマウスオーバーしてサムネイルを見ているとか、いやいやサイドバーから画像検索してるのでGoogleドメイン内でぐるぐる回ってるんですとか、実はSEO屋がメチャクチャ順位調査ばっかりしてるので率にしたら下がるんだよとか。

個人的には、これまでの検索結果の”Improvement” が、果たしてユーザー利益になっているのかどうか、立ち止まって考えるのもありなのではと思います。

それは、1ドメイン2本ルールを改変したのにネストしてないので見た目の”Success Rate” や検索回数は上がるだろうけどそれってEngagement って言うのねえどうなのとか、メガサイトリンクってほとんどのユーザー環境でAbove the hold に1ドメインしか検索結果が出ないし各サイトリンクにあるURL表記って面積的に要らないんじゃないのとか、そんなところから発する感想です。

上記で例示したどちらのブログポストにも、改善を改悪だというユーザーコメントが無視できない程度の量紛れ込んでいることは、同じような感想を持つユーザーが他にも存在するという証拠ではないかなーと思います。



AdWordsの入札単価シミュレーションを信じてみるテスト


先日、AdWords の管理画面に「トップページの推定入札単価」(英語だと「Top of page bid estimates」)というフィーチャーが追加されました。いろいろ思うところはありますが、まあそれはいいとして、AdWords には以前から入札単価によってクリックやコストがどのように変化するかをシミュレーションできる「入札単価シミュレーション」という機能があります。

このシミュレーションはGoogle 自身が

重要: 入札単価シミュレーションは今後の動向の予測や見積もりを行うものではなく、過去の情報を提供して、入札単価の設定に役立てていただくためのツールです。季節的な理由など、前週と次週で動向が大幅に異なることが予想される場合は、入札単価を決める際にその点も考慮することをおすすめします。

と予防線を張っているように、正直現場で使っているエンドユーザーからするとイマイチ使いにくい機能で、かつCPAなどの評価指標から逆算してCPCを設定するのがスタンダードであることもあって、この機能を積極的に使っている方は少ないと思います。僕もそうです。

が、ここでは敢えて、この微妙な「入札単価シミュレーション」機能を積極的に使うにはどうしたらいいのか、という無理くりシーズ的な視点でひとつツールを紹介したいと思います。


Free Adwords Bid Management And Optimization Tool


これは、Tenscoresというサイトで公開されているビッドシュミレーターで、AdWords の「入札単価シミュレーション」のデータをコピペして、CPAとコンバージョン率を入力すると、上限CPCをおいくらで設定したときに利益が最大化するかをグラフ付きでシミュレーションしてくれるツールです。

AdWords の「入札単価シミュレーション」自体がキーワードごとに出てくるものなのでアカウント全体とかはできません。なので、一部のキーワードの実績がアカウント全体の命運を握っているような、ロングテールの逆を行くパレートなアカウントならやってみる価値があるかもしれません。


まず、AdWords にログインして、任意のキーワードの入札単価シミュレーションを開きます。



データをコピペします。



エクセルとかテキストファイルに貼り付けて、「¥」マークとかを外して数値にして、スペースやタブを「,(カンマ)」に変換します(面倒くさい。。。)



Tenscore の Bid Optimizer の各フィールドに貼り付けて、目標CPAと現実的なコンバージョン率を入力します。「Value Per Click」の欄はカラです。



グラフとともに、この辺がいいんじゃないというCPC設定がサジェストされます。



正直、「入札単価シミュレーションを利用する」という強引な前提でのことなので、普通に細かい運用をしている方とか、金融工学のメソッドを利用して云々というようなビッドマネジメントツールをお使いの方にはSo What な感じかもしれません。

が、そうじゃない方で、本当にこのビッドでいいんだろうかともやもやしている方で、かつ入札単価シミュレーションをちょっとは信じてみようと思われる方は、一度トライされるといいかもしれませんね。



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