インハウスSEM 5つのメリット・デメリット


ネットからの集客をSEMに依存している企業は多いと思います。業種や予算規模の大小にもよりますが、一部の大手企業を除いて、広告宣伝や販売促進へのネット割合が大きい企業でよく話題に挙がるのが、SEMを代理店経由で行うか、自社で行うか、という議論です。

広告は一般的に媒体費に対して料率で代理店のマージンが発生しますので、ネットへの広告費が大きければ大きいほど、広告主から代理店への支払いが大きくなり、この議論の温度が変わってきます。SEOも自社でやれば外部に払う金額は発生しません。

広告代理店の影響力が低い地方においては選択の余地なく自社で行うケースが多いと思いますが、首都圏や大規模都市に拠点がある企業が、ある程度の予算をSEMに投下している(しようとしている)場合は、代理店にSEMを任せるべきなのか、自社のスタッフで完結すべきなのか、あるいはその間で自社にふさわしいやり方とパートナーを模索すべきなのか、判断が難しいと思います。

そこで、かんたんですが、自社で行う、いわゆるインハウスSEMのメリットとデメリットをそれぞれ5つずつ、書きだしてみました。本当にかんたんなものですが、何かの参考になれば。


 インハウスのメリット

  • マージンがかからない:
    広告モデル(リスティング広告)であればAdWords のような広告プラットフォームと直接の取引になりますので、広告代理店に払うマージンが発生しません。またSEOも自社で施策することになるので、追加のコストは発生しなくなります。

  • 契約や情報伝達の手間がかからない:
    代理店や契約種別毎にかかる契約書の取り交わしの手間や、自社内情報を外部に出せるようにマスクしたりスクリーニングしてから伝える手間や、思ったように伝わらないすれ違いなどから生まれるコミュニケーションコストを削減することができます。

  • 施策と運用のスピードが上がる:
    知識やリソースの多寡にもよりますが、上述したようなコミュニケーションコストが下がるので、外部情報だけでなく、自社データももとにして必要な時にすぐに施策を行ったり、社内事情を考慮した上で運用を行うことができます。また、代理店が忙しすぎて反応が遅いとか、複数の顧客を持っている担当者だったので後回しにされた、ということもなくなります。

  • ノウハウが社内に蓄積される:
    外部に丸投げしている会社には社内にノウハウがたまりませんが、内製であればノウハウをためないと先が厳しいため強制力が働きます。SEOであれば自社のCMSとどう連携すればいいのか、どの施策がブラックでどれがホワイトなのかなどの判断だったり、リスティング広告であればアカウント構築から細部のキーワード、実際の管理画面やツールでの運用や、分析の技術や考え方などを社内に蓄積し、必要に応じて社内用にドキュメント化したりワークフロー化することができます。

  • 全体最適ができる:
    ネットに限定したとしても、やらなければならないことはSEMに限りません。アフィリエイトやソーシャル対応、メールマーケティングにCRMとの連携、純広告を出すこともあります。事業や手法ごとに代理店を分ければそれぞれのチャネルでの整合性をとることは難しくなりますので、自社化することによって全体のバランスをとりながら施策を行うことができます。


  •  インハウスのデメリット

  • 固定費になる:
    料率でのマージンと違い、社内に担当者を置くことになるので、人件費やシステム、各種経費など固定費的なコストが決まってきます。SEMに使っていた費用がもともと膨大な場合には問題になりませんが、もともとそれほど大きな規模でない場合、固定費がマージンに逼迫、もしくは超える可能性があります。また、自社化が思ったより大変で人件費などのコストがかさむ、ということもあります。

  • 社内調整の手間がかかる:
    中小企業でトップダウン、かつ担当者に大きな権限がある場合は問題ないですが、そうでない場合は製品や部署間、担当者同士の利害が微妙に食い違い、社内で政治が発生したり、調整に思った以上に時間がかかったりすることがあります。外部からの影響がなくなるので、環境の変化に対して対応が遅くなる可能性もあります。

  • 担当者次第:
    担当者次第なのは外部にアウトソースする場合も同様ですが、アウトソースの場合は業者や担当者を変更することができても、社内の場合はなかなかそうはいきません。内部に知識も権限も持った人がいる場合でなければ、担当者によっては、以前より実績が落ちてしまう可能性があります。また改めて担当者を採用するような場合も、社内にナレッジがないと必要なスキルや適性が何なのか判断が難しいですし、本当にいい人材を採用するのは常に難しいので、人的リスクは意外と大きいです。

  • 最新情報から遠くなる:
    情報収集はある程度までは自社でできるはずですが、経験に裏打ちされた重要な情報というのはなかなか外には出てきません。また、業界の最新情報やアイデアは代理店が一次情報を持っているケースが多いですし、媒体へは自分からアプローチしないと情報は出てこない(しても出てこないこともある)ので、情報を享受する機会が減り、施策へのフィードバックが遅れるという可能性があります。

  • 支払いのリスクを負う:
    これはリスティング広告に限ったことですが、ほとんどの場合、自社化すると銀行振込でのデポジットか、クレジットカードでの決済になります。代理店取引の場合は請求書払いで、支払いサイトのリスクは代理店が負ってくれていましたが、それがなくなるため、資金繰りによっては今までより広告が出しにくくなることがあります。またクレジットカードの場合は、限度額に気を付けないと急に広告が止まるようなトラブルが起こることがあります。



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    結局のところ、アウトソーシングとインハウス、どちらがいいとは一概には言えず、自社の状況によって判断するしかない、という当たり前の結論になるのですが、どういう方法をとるにせよ、常に外部からの情報を収集し、自社データを分析し外部施策に活かす体制を整えることは、プラスに働きこそすれ、マイナスになることはないと思います。

    予算やアカウント、ウェブサイトの規模がある程度大きい場合は、いきなりドラスティックに自社化せず、自社ですべてを行う必要に迫られた場合にどうすべきかを考えながら、代理店やサードベンダーにしかできないこと、任せるべきことを見極め、うまく外部とのパートナーシップを築いていくことが、結果的に高いコストパフォーマンスに繋がるのではないでしょうか。

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