2012年2月28日火曜日

パワーアップした YouTube Creator Playbook



YouTube は今年(2012年)の1月に、アップロードされる動画の合計時間が毎分60時間に達し、8ヶ月前と比べて30%増加したと発表しています。平均して多くの視聴数を集める動画の多くが映画の配給会社や音楽レーベルのオフィシャル動画である一方で、YouTube の動画プラットフォームの引力である圧倒的な動画の量を形成しているのは多くの素人やセミプロがアップロードするコンテンツです。

YouTube のメディアとしての価値は視聴者とアップロードする人が重なっている厚みが動画の多様性を担保していることだと思いますが、そのエコシステムをサポートするためにYouTube自身が2011年の7月末にYouTube Creator Playbook というYouTubeの各機能の有効な利用法を解説したドキュメントを公開しています。


参考記事:
YouTubeのCreator Playbookはインターネット上で人気者になるためのコツを集めた70ページ
YouTube クリエイター ハンドブック(日本語)


あれから半年経った先週の木曜日(2012年2月24日)に、YouTube Creator Playbook の第二版が発表されました。


リンク:
YouTube Blog: Game on: YouTube Creator Playbook Version 2 now available



初版のPlaybook は70ページのドキュメントでしたが、今回の第二版は91ページになっており、20ページほど増量されています。 オフィシャルブログによると、殆どのページがユーザーのフィードバックを元に更新されているとのこと。

なお、今回の更新のポイントは以下の4つだそうです。

New channel & homepage section
With the launch of our new channel pages and updated homepage, we’ve created a new section on how to organize your videos for different audiences, and how to program your channel to help you make the most of the feed on the YouTube homepage.
異なるユーザー層に向けての動画の作り方や、YouTubeホームページへフィードさせるためのチャンネルの作り方を追加

Go global
Your channel reaches a global audience, so we’ve added a new section to help creators create, program, and optimize for audiences around the world.
世界中のユーザーへ届けるための動画の作り方、最適化の仕方を追加

Updates to annotations, playlists, publishing and more
Your feedback and new features helped us update much of the playbook on topics like annotations, playlists & video responses and call to actions.
アノテーション(動画へのコメント機能)、プレイリスト、レスポンスなどの解説ページを大幅に刷新

Glossary
If you’re new to YouTube or the Creator Playbook, we’ve included a glossary to help you quickly learn all the site’s features, and the strategies, terms, and topics used in the playbook.
YouTube で使われる専門用語を網羅した用語集を追加




余談ですが、eMarketer は今月頭(2012年2月3日)にオンライン広告のフォーマット別広告費の予測を発表していますが、そこでは動画広告がもっとも伸びるフォーマットだと予測しています。





一方で、何でも動画にすれば良いというものではなく、動画というリッチなフォーマットだからこそ、クリエイティブや仕掛けの巧拙が結果に顕著に表れるのは間違いありません。動画を活用する企業が増えれば、なおさらです。

このPlaybook はあくまでYouTube に動画をアップロードする際の指南書ですが、動画広告を活用するにあたってのヒントが数多く含まれていると思います。ご参考まで!



2012年2月23日木曜日

2011年に判明したモバイル広告3つの事実



# 釣りっぽいタイトルでごめんなさい。


バルセロナで行われる Mobile World Congress (MWC) を来週(2012年2月27日〜3月1日)に控えているせいか、モバイル関連の記事が日毎に増えている気がします。

スマートフォンを中心としたスマートデバイスの普及によって、これまで個別に存在していたモバイルガジェットの多くが代替され、ブラウザやアプリの進化は携帯電話をさまざまな用途に利用可能なマルチガジェットに変化させました。そして同様にモバイル広告にもさまざまな手法が現れ、マーケティングに活用できる情報がアドサーバーに日々格納され続けています。

そこで、ヨーロッパを中心にアドサーバーを提供するSmart AdServer が、MWC に向けて「3 things about mobile advertising in 2011」というインフォグラフィックを発表していましたので、紹介します。


Mobile ad gallery | Mobile HTML5 & Rich Media - Smart AdServer
# ギャラリーの右下にファイルへのリンクがあります。



1. モバイルトラフィックの50%は夕方5時以降
PCとモバイルを比較すると、PCは午前中からじわじわ上がりはじめ、夕方6時をピークに徐々に下降していくのに対し、モバイルは早朝から夕方までほぼ同じペースで、仕事が終わる夕方頃から急激にトラフィックが増えているそうです。



(クリックすると画像が拡大します)


このチャートは24時間のトラフィックを100%としたときの1時間ごとの割合を示したものなので、モバイルについては曜日による顕著な違いが認められない一方で、PCについては土日の立ち上がりが平日に比べて遅い、というユーザー行動が見て取れますね。日中ではなく夜のリラックスしている時間、何か他のことをやっている時間にどのように広告を見てもらうのか、予算配分やビッドマネジメントが問われそうです。



2. リッチメディアのCTRがハンパない
PC、モバイル、タブレット(iPad)とバナーと比較して、モバイルのリッチメディア広告のCTRが異常に高いそうです。


(クリックすると画像が拡大します)


そして、リッチメディア広告の種類をブレイクダウンすると、上位5位は以下のようになるようです。ただ、画面占有率が高かったり、チョコチョコ動いたりするものも多いので、間違いクリックも多そうです。広告経由の直帰率なども見ながら、ユーザー体験に寄与しているか調べる必要はありそうですね。


(クリックすると画像が拡大します)


なお、SmartAdServer のYouTubeチャンネルには、それぞれの広告フォーマットが動画で紹介されています。



3. iOS とAndroid がモバイルOSを寡占
これはよく言われていることなので、言わずもがなですが、2011年の第三四半期(7-9月)と第四四半期(10-12月)を比べると、iOS がシェアを8ポイント落としたのに対し、Android が9ポイント増加しています。Apple やMicrosoft がAndroid に対して訴訟などで牽制を繰り返す理由がよく分かります。


(クリックすると画像が拡大します)


面白いのは、モバイルOSごとのCTRの違いです。スタンダードバナーを対象にOSごとのCTRを比較してみると、iPad のCTRが高いのは何となく分かるとして、iOS + Android に対して、Windows Phone と Symbian のCTRが低いことが分かります。ユーザーインターフェースや広告主の優先順位、ネットワークの対応や顧客層など、複合的な要因があるのだと思いますが、2倍以上違うのは結構衝撃です。RIM にいたってはPCの平均CTRの3割くらいしかなく、かなり悲惨な状況になっています。


(クリックすると画像が拡大します)




資料の紹介は、以上です。

このデータはスマートフォンだけですが、日本ではフィーチャーフォンの市場もまだまだ多くあり、対策はさらに複雑になります。データ収集を怠らずに、んで結局どうするの?というところを企画や運用を通じて常に考えていきたいですね!



2012年2月21日火曜日

モバイルの地域検索とローカルビジネス




モバイルアドネットワークを運営するxAd が「Mobile-Local Search Stats」というレポートを四半期ごとに出しています。モバイル上でのユーザー行動に焦点をあてたもので、2011年の第三四半期(7-9月)に続いて今回が2回目のレポートになります。



xAd Release Mobile-Local Search Stats Q4 2011 Report | xAd
※ダウンロードにはフォーム入力が必要です。



xAdは「AdMobのローカル版」とも言われ、モバイル特有の地域(位置情報)を強みとするモバイルネットワークで、北米でも最大級のネットワーク規模を誇ると言われています。調査の傾向として彼らの強みである "Local" の重要性を強調した内容であることは加味しなければならないものの、モバイルは他のデバイスに比べて地域情報との親和性が高いことは常識に近い事実ですので、参考にすべき点は多いのではないかと思います。というわけで、レポートをザッと見ていきます。




まずは地域情報を含むクエリの伸びです。2011年第四四半期(10-12月)は、モバイルでの地域情報系クエリは前四半期対比で60%伸長したとのこと。それを指し示すように、xAd のネットワークに接触したユーザーだけでも130万回にのぼるローカルビジネスへの電話による問い合わせや、73万回以上のドライブもしくは店舗への来訪が認められたとのことです。




ここでいきなりxAd から離れますが、Google が提供しているThink Insight でも同様の資料があります。上の図は2011年6月に発表されたGlobal Perspectives:The Smartphone User & The Mobile Marketerという資料の一部ですが、スマートフォンユーザーを対象にしたサンプル調査を行った北米、イギリス、ドイツ、フランス、日本すべての国で地域情報へのアクセスを頻繁に行うユーザーがいずれも80%を超えていたそうです。




Google は同じデータで地域情報へアクセスしたあとの行動についてもアンケートを行なっていて、こちらでもドイツを除くすべての国で地域情報へアクセスしたあとに何らかのアクションを行ったユーザーは80%を超えるとされています。ちなみに何らかのアクションとは、「地図で行き先を調べる」「ショッピングをする」「実際に訪ねる」「電話をする」「ウェブサイトに訪問して調べる」の5つです。




xAd の資料に戻ると、この「地域情報にアクセスしてから何らかのアクション」ついて、もう少し深く掘り下げています。

まず、xAd上でのモバイル広告パフォーマンスについて、検索とディスプレイ広告とに分けて平均のCTR を算出し、発生したクリックがその後のアクション(上述の「何らかのアクション」と同様に、電話をかけたり行き先を調べたりという行動)につながる率も合わせて調査しています。ちなみに検索もディスプレイもPC に比べてCTR が高いのがモバイルの特徴で、特にディスプレイはPC での平均CTR が0.1%前後ですから、モバイルかつローカル情報に特化となると、PC のそれと比較して約6倍になるようです。




クリックしたあとのアクションは「Secondary Action」となり、検索では37%、ディスプレイでは5%になっていますが、ここで面白いのは上記のグラフです。検索ユーザーは直接電話をかける割合が半分以上と直接的な行動に出ることが多い半面、ディスプレイ広告経由のユーザーは行き先を調べたりそのサービスや店舗の詳細を調べる割合が多い傾向にあったことです。「携帯で検索する≒緊急性が高い」と考えられるデータだと言えるかもしれません。




検索とディスプレイの違いは、上のグラフのようにユーザーの行動する時間帯にも現れています。地域検索のピークは日中に、ディスプレイは一日の終わりに近づくにつれ割合が上がっています。

ただ、気をつけなければいけないのは、これはあくまで地域情報に特化したxAd でのデータなので、地域情報を含まないクエリではまた違った結果になるだろうということです。例えば、ゲームや映画などの余暇を楽しむためのクエリであれば夜から深夜にかけてクエリは上がるでしょうし、ニュースコンテンツではれば朝の比率がもう少し高いなど、求める情報によって傾向が変わることは頭にとどめておく必要がありますね。


xAd のレポートでは、他にもモバイルアプリとブラウザの比較や検索される情報のカテゴリーなど、興味深い報告がいくつも盛り込まれています。上述のGoogle の資料にもあるとおり、日本はモバイル先進国とは言われながらも、スマートフォンの普及によってユーザー行動においては国ごとの顕著な特徴をみることは難しくなっています(モバイルコマースだけは日本がまだ突出していますが)。

海外事例/国内事例と分けて判断せず、特に地域でビジネスを展開する店舗型の企業・サービスにおいてはモバイル対策は中心にそえるべき施策だと思います。少しでも何かの参考になれば幸いです!



2012年2月2日木曜日

SEOは結局いくらかかるのか(海外の場合)



以前、「SEO担当者の給料は150万円~1300万円?」という記事がありましたが、今度はSEOを外注する場合の金額の相場に関する一覧表です。残念ながら日本は含まれていませんが、外注する際(もしくはSEO業者やウェブ制作会社が値決めをする際)の参考になるかもしれませんのでご紹介します。

# ちなみに、少し前のSEOmozの記事なのでそのうちWeb担に翻訳記事が出ると思います。

リンク:
SEO Pricing: 600+ Agencies Share Costs of Services & Pricing Models | SEOmoz




SEOmoz の代表 Rand Fishkin氏 は「我々は調査のプロフェッショナルではないので、データは不完全かもしれない」と断りつつも、このデータが業界で働く方々の参考になれば、とコメントしています。

データを見ていくと、インドはさすがに人がいっぱいいるなあとか、欧米よりアジア・オセアニアの方が市場としてはまだ若いなどといろいろ思うことがありますが、Fishkin氏が調査のサマリーを以下の9つの項目に分けて書いてくれていますので、それを見ていきたいと思います。


SEOの調査で判明した9つの事実


SEO業務の時給は国によって差があるものの、76ドルから200ドルの間が一般的
急成長しているインドを除くと、SEOの時給は76ドルから200ドルの間が一般的とのこと。このレンジに収まるのはオーストラリア/ニュージーランド、アメリカとカナダでその傾向が強いそうです。金額に幅がありすぎるものの、SEOを始める際にはよく聞かれる質問なので最初に聞いてみたとのこと。

ブロジェクト単位での受発注が一般的で、金額は1,000ドルから7,500ドルの間
70%以上の回答者が、プロジェクト単位で金額を決めていると答えています。また、43%が回答票の中にある次の4つの価格帯に収まっていたそうです。(1,001ドル-1,500ドル / 1,501ドル-2,500ドル / 2,501ドル-5,000ドル / 5,001ドル-7,500ドル)

月極のコンサルティング料は他の価格モデルと比べて最もバラバラ
時給制やプロジェクト単位も価格帯は広かったですが、月々にコンサルティングとして一定額を受発注するモデルが最もバラエティに富んでいたとのこと。強いて挙げれば、「251ドル-500ドル/月」が全体の13.8%、次いで「2,501ドル-5,000ドル/月」が全体の11.3%だったそうです。

自動化が叫ばれながらも手作業でのサポートが大勢を占める
SEOはその性質からテクニックに寄り過ぎるきらいがあるので、手作業での細やかなサポート(Hands-on)ではなく、自動外部リンクを大量に設定したり、SEO対策があらかじめ施されたCMSに放り込んだりするだけの機械的な作業が多いとされてきましたが、回答者の9割近くが手作業で細やかなサイトの作り変えを行なっていると回答し、また手作業でのリンクビルディングを行なっていると答えた回答者も8割近くにのぼりました。(ブラックハットだったとしても正直に回答はしづらいとは思いますが...)

インバウンドマーケティングの台頭
純粋なSEOコンサルタントが減り、いわゆるインバウンドマーケティングを標榜する企業が増えているとのこと。彼らがカバーする範囲(SEO、ソーシャルメディア、コンテンツマーケティング、コンバージョン最大化、アクセス解析など)のうち、SEOをもっとも重要視する回答者が全体の25%に及んでいるとのこと。SEOも真面目にやるとソーシャルを無視することはできないのでこの流れは自然といえば自然ですが、どういった標榜をするかはそれぞれの会社の守備範囲の違い、くらいに捉えていいのかなと思います。

ウェブデザインやウェブ制作会社の多くがSEOサービスを行なっている
純粋なSEOコンサルティング、もしくはインバウンドマーケティングを標榜する会社が多い中で、それらに次いで多いサンプルがウェブ制作会社だったとのこと。特にイギリスでは一番回答者が多い業態だったとのことです。

従業員1人あたりの月間顧客数は1社から2社
下のスクリーンショットは今回の調査で使われたSurveyMonkeyのクロスタブ機能を利用して集計したものですが、それによると、月間の実顧客数と回答者の従業員数を単純にプロットしてみると、従業員1人あたりの月間顧客数は1社から2社がボリュームゾーンになるとのこと。(ただし、回答者は自社の従業員数を回答しているので、規模が大きくなればバックオフィスの人数も増えることを考えると、もう少し担当社数は多いような気がします)



SEOコンサルティングサービスを行う会社はほとんど中小企業
SEOという比較的歴史が長いマーケティング手法の一つで、多くの企業が実践し、たくさんの記事であふれている分野にも関わらず、意外にもほとんどが中小企業であるとのこと。最初は大きなビジネスにしたいと思っていたとしても、実際の規模は中堅に留まらざるを得なく、4割以上の回答者が飲食店などのローカル企業を顧客にしているそうです。(労働集約なのでこれはある程度仕方がないところですね)

プロジェクト単位での受発注が一般的でも、月額でのコンサルティング契約や時給換算も根強い
SEOが市場として揺籃期だった頃はプロジェクト単位というのは珍しかったそうですが、現在では一般的に。一方で月額費用や時給換算での仕事が少ないわけではなく、業務量や規模によってケースバイケースなのかもしれません。



なお、この調査はとてもオープンで、調査に使われたサンプル一覧、質問票と回答の集計データがすべてCSVでダウンロードできます。

6カ国の回答者一覧 - ここからダウンロード
質問票と回答の集計データ - ここからダウンロード


以上です。

国ごとに経済の規模やマーケットの特色に違いがあるのでそのまま日本に当てはめることはできないかもしれませんが、SEOを行なっている企業さんは、海外の様子も参考にして一度サービス内容や価格帯の再考をしてみるのもいいかもしれませんね!



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