2012年5月22日火曜日

IABがデジタルメディア営業向けの認定プログラムを開始



IAB(Interactive Advertising Bureau) がデジタル分野の営業担当者向けの認定プログラムを6月からスタートすることを発表しました。


IAB Launches Digital Media Sales Certification to Set New Professional Benchmark for the Interactive Advertising Industry
http://www.iab.net/about_the_iab/recent_press_releases/press_release_archive/press_release/pr-051612_salescert


IABのVPである Michael Theodore(マイケル・セオドア)氏は、今回の認定プログラムの発表について以下のように述べています。


“The certification program will help raise the level of professionalism in the digital field by allowing salespeople to demonstrate their knowledge of the complex interactive environment,”
-
「この認定プログラムによって、デジタルの営業担当者は複雑なインタラクティブメディアの環境についての知識を実証することができ、デジタル分野での専門性のレベルを上げるのに役立つでしょう」

“Much like examinations in other fields, this test will give current job holders and job seekers a ‘score card’ to prove their understanding of the most important concepts, guidelines, and best practices in digital advertising. Businesses also benefit by ensuring that they have the most competent sales teams possible.”
-
「他の多くの分野の試験と同じように、このテストでも、デジタル広告の重要な概念やガイドライン、ベストプラクティスの理解を証明する"スコアカード "を提供します。企業もまた、有能な営業チームを率いている会社であることを証明することができるというメリットがあります。」

試験はデジタル業界での経験が2年から5年程度あるセールス向けに設計されており、IABの会員は350ドル、非会員は450ドルに加えて諸費用がかかるようです。

試験範囲や概要もPDFで公開されています。


Candidate Handbook(受験者用ハンドブック)
http://www.iab.net/media/file/Candidate-Handbook-Draft-FINAL-0515122.pdf

Content Outline(試験の概要)
http://www.iab.net/media/file/Certification-Content-Outline-v3.pdf


試験の概要には、カテゴリ別に必要な知識やIAB内の該当記事などが網羅されており、親切なつくりになっています。




デジタル領域はここ数年で加速度的に複雑になっており、(特に総合系のインタラクティブ代理店の)営業担当者がカバーしなければいけない範囲もますます広がってきています。こういった認定プログラムは頻繁に設問設計や内容が更新されるのであれば、とても意義があるように思いますね。実際、一度取ったらOKではなく、1年ごとに更新が必要なようです。

英語に自信のある方、外資系の広告代理店の方、教育プログラムに関心のある方はぜひトライされてはいかがでしょうか!ちょっと高いですけどね。。。



2012年5月21日月曜日

マーケティングオートメーションとは何か?


ここのところのビッグデータブームによって、「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」という単語を目にする機会が増えてきました。


このマーケティングオートメーションという言葉を見て、

「もしかして、受話器を取ったら自動音声で営業されるたぐいのやつじゃ…」とか

「マーケティングはコミュニケーションなのに自動化してどうすんだ!プンプン」

という印象を抱いたことはないでしょうか。(ちなみに僕はありました ///)

「オートメーション」という言葉に潜む、機械的で冷たいイメージが、マーケティングに関わるアイデアや努力が否定されてしまうような印象を与えるのかもしれません。



注目が集まるマーケティングオートメーション市場
そもそもマーケティングオートメーションというものに市場はあるのでしょうか。一年近く前(2011年6月)のデータになりますが、Focus.com という調査会社がまとめたマーケティングオートメーションについてのインフォグラフィックがありますのでご紹介します。

これによると、マーケティングオートメーションのB2B企業の導入率は2010年で7%から10%であるものの、2015年までには50%まで導入率が伸びると予測されています。


Marketing Automation By The Numbers
http://www.focus.com/fyi/marketing-automation-numbers/





他にも、

「マーケティングオートメーション業界には既に110社が存在する」

「417%もの収益改善や、451%もの見込み顧客増加事例などがある」

「2010年だけでも、Oracle、IBM、TerraData などのビッグネームによるベンダーの買収が行われた」

など、上り調子であるデータが散見されます。現時点で売上も含めて実際に伸びているかは不明ですが、注目に値する分野なのは間違いなさそうです。



マーケティングオートメーションとは何か
では、このように注目されるマーケティングオートメーションとはそもそもどういったものを指すのでしょうか。先ほど紹介したインフォグラフィックにはマーケティングオートメーションの提供する技術として、以下のように紹介されています。

(クリックすると拡大します)

左から、「コンテンツのスケジュール配信」「顧客リストの精緻なセグメント」「戦略的なアップセル&クロスセル機能」「見込み顧客のスコアリング」「キャンペーンマネジメント」「測定・レポーティング」といった感じでしょうか。

これだけ見ると、正直言って、フーン( ´_ゝ`)という感じです。SFA(セールスフォース・オートメーション)に余計な機能が追加されただけなんじゃないの?ただでさえSFAは入力が面倒だし現実に即してない運用がされがちなのにこれ以上項目が増えるのは勘弁してよ!という営業マンの声が聞こえてきそうです。

このままではよく分からないので、Wikipedia のMarketing Automation の項目を参考にしてみます。

Marketing Automation has a focus on moving leads from the top of the marketing funnel through to becoming sales-ready leads at the bottom of the funnel. Prospects are scored, based on their activities, and then presented drip campaign messaging via email and social channels, thus nurturing them from first interest through to sale.
-
マーケティングオートメーションとは、見込み顧客をマーケティングファネルの上部から営業可能な下部にまで引き渡すことに特化すること。マーケティング活動をもとにスコアリングし、それに合わせたメッセージングをEメールやソーシャル系のチャネルを利用して行う。つまり最初の興味関心のレベルから営業可能なレベルにまで育成すること(ためのソフトウェア)。


これを見ると、どうやらSFAの追加機能というよりは、営業プロセスに至る前の見込み顧客のリストを整備して、興味関心を醸成し、営業可能なレベルにしてから営業プロセスへ引き渡す役割を担うのがマーケティングオートメーションなのだ、という理解になりそうです。

確かに、営業が数人しかいない小企業ならまだしも、大手企業になると営業の人数も多く、立地的に近いところに拠点が複数存在し、展示会やセミナーなどで獲得した名刺の数は膨大になり、ウェブやダイレクトメールなどの複数チャネルからの問い合わせもあったりして、SFAに登録するデータがどうしても膨大になってしまうため結果としてSFAの運用自体が難しくなることがあります。特に営業ごとの顧客リストに重複があって、同じ内容の案内が別々の営業から複数届いてクレームに発展、なんてこともよく聞く話ではないでしょうか。

マーケティングオートメーションのベンダーはSFAベンダーや分析系ベンダーと連携することが多いのですが、マーケティングオートメーションが営業プロセスをより効率化して確度を上げていく役割を担うのだとすれば、さもありなんという感じですね。

そうすると、マーケティングオートメーションで不特定多数の見込み案件を分析して、絞り込んだ確度の高い案件(Qualified Leads)をSFAにインポートして、チャネルや分野によって各部門の営業担当に割り振る、なんていう使い方ができそうです。SFAからCRM(カスタマーリレーションシップ・マネジメント)への繋ぎ込みがあれば、見込み顧客の創出から既存顧客のサポートやアップセルまで、一気通貫に行うことができるかもしれません。






マーケティングオートメーションに死角はないのか
聞けば聞くほど便利そうなマーケティングオートメーションですが、もちろん合う企業、合わない企業があると思います。

まず、マーケティングオートメーションは一般的に法人向けB2Bビジネスや、一部の商談サイクルの長いB2Cビジネス(不動産など)、決済までとにかく時間のかかる政府や役所向けのビジネスにおいて使われますので、検討期間が短いB2Cには不向きだと言われています。また、導入には当然費用もかかりますし、現在の組織構成にどうやってビルトインしていくかといったそれぞれの企業特有の問題や、データ項目の作り込みや運用など新たなコストも発生するので、IT部門とマーケティング・セールス部門との連携がなかったり、IT部門に力を入れていないような企業の場合は難しいでしょう。

事実、上述のインフォグラフィックにも、

「マーケティングオートメーションで購買サイクルを更新している企業は10%以下」

「マーケティングオートメーションを十分に活用できている企業は25%以下」

など、導入しても運用できない企業が多いことが示唆されています。



マーケティングオートメーションのプレイヤー
最後に、マーケティングオートメーション業界のプレイヤーを紹介します。
上記のインフォグラフィックにもプレイヤーは載っているのですが、最近 Ifbyphone というマーケティングオートメーションベンダーが発表したインフォグラフィックが、マーケティングオートメーションのカテゴリ別にまとまっているので、こちらを紹介します。


What the Evolution of Marketing Automation Looks Like [Infographic]
http://www.mpdailyfix.com/what-the-evolution-of-marketing-automation-looks-like-infographic/


ただ、このインフォグラフィックは長い割に内容としては正直微妙なので、プレイヤー一覧のところだけご紹介しますね。



「リードマネジメント」「ウェブ解析」「メールマーケティング」「インバウンド」「ソーシャル」など、得意分野によって企業が分かれるようです。

なお、余談ですが、リードマネジメントの項目にあるMarketo はリードマネジメントでは有名な企業で、「Difinitive Guide to Lead Scoring」(※リンクはPDFです)といったような分厚い資料を積極的に発表しています。ちなみにリンクの資料は超絶に細かい内容で読むとお腹いっぱいになるため、これを自前でやるくらいだったらMarketo に依頼したほうがマシと思わせる作戦で作られたのだと思います。

2011年時点で110社以上あったマーケティングオートメーション業界、今後どのように発展していくのでしょうか。 ほとんどのマーケティングオートメーション企業の日本への進出はまだまだこれからといった様子ですが、引き続きウォッチしていきたいと思います!



2012年5月19日土曜日

ランディングページ制作の基本を網羅したインフォグラフィック



どんなウェブサイトにも訪れる人にはそれぞれのストーリーがあります。そう考えると、誰もが認める完璧なランディングページというのはおそらく存在しないのかもしれません。ただ、一人でも多くの人に理解してもらうために必要なランディングページの制作ルールというのはどうやらあるようです。


次のインフォグラフィックは、インディアナ州を拠点とするEFO(Entry Form Optimization)ファームのFormstack が2010年に発表したもので、発表当時も非常に話題になりましたが、定期的にツイートされシェアされています。ランディングページ制作の基本事項を解説した、とてもよくまとまったインフォグラフィックです。

ランディングページは継続的にさまざまなバリエーションをテストしていくものであるというのは半ば常識になっていますが、その前提となる基本的なルールが網羅されています。


The Anatomy of a Perfect Landing Page - Formstack
http://www.formstack.com/the-anatomy-of-a-perfect-landing-page/





上掲のインフォグラフィックにある、ランディングページを作成する際の10のポイントについて、順を追って見ていきます。


1. ヘッドラインと広告のコピー
・ランディングページのヘッドラインと広告のコピーライティングはお互いに寄り添うこと
・アドワーズだとランディングページの記載内容と広告文の親和性は品質スコアの計算要因になるので、トラフィックコストを下げて効率を高める意味でもヘッドラインと広告は関連性が大事


2. 明瞭で簡潔なヘッドライン
・ヘッドラインは訪問して最初に目につく部分なので、退屈さや複雑さをなるべく避けること
・読者の注意を引くように、コンテンツで伝えたいことを簡潔にまとめること


3. 正しい文法を心がける
・ユーザーに個人情報やカード情報を入力してもらうには信用が重要なので、誤表記や文法がおかしいことは重大なリスクになる


4. 信頼性の高い指標を利用する
・信用の構築には、サイトオーナーシップ、新聞や雑誌に取り上げられた記事、第三者機関やセキュリティの証明書などが有効
・例えば、ACLensというメガネ屋は、VeriSignを利用しだしたところコンバージョンが41%上がって購入単価が58%増加したらしい


5. アクションを促す表現(Call-to-Action)を使う
・ヘッドラインを読んだユーザーに次にどうすればいいのか示してあげることが重要
・例えば、Firefoxでは「Firefox3を試す」から「今すぐダウンロード-無料です」に変えたところ、元のボタンより3.6%ダウンロード率が増加し、テスト期間内でオリジナルより500以上多くダウンロードされたらしい


6. ボタンやアクションを促す表現は目立たせる
・ユーザーがそのサイトに求めていることを見極めること。そして「無料」「最新の」「購入」「今すぐダウンロード」のような言葉を使うこと
・ボタンは目立たせ、アクションを促す表現の右下に設置する。ボタンは大きく、明るい色で、ノンスクロールの位置にあることが望ましい
・オレンジ色や黄色だとユーザーの目に留まりやすい


7. 控えめなリンク
・外部へのリンクが多いと、ユーザーの気が散ってコンバージョンへのマイナスインパクトがあるので避ける
・通常のページであればリンクの多寡は気にしないでもいいが、ランディングページではシンプルを心がける


8. 記述内容に関連する画像や動画
・利用者の証言を集めた動画や製品のイメージを積極的に利用することは、ユーザーによい印象を与え、製品をもっと調べたいという動機づけに繋がる


9. ファーストビューに収める
・スクロールしない範囲に情報を集めることで、ユーザーに伝えたい箇所がどこかを明確にする
・アクションを促すボタンを、ノンスクロールかつユーザーの目に触れやすい位置に設置する


10. 常にテスト!
・ABテストやメッセージ変更の実施、反響のあるフレーズやボタンを模索するなど、常に最適化を心がける
・メッセージや配置転換などのマイナーABテストに加えて、全体のデザインが違うメジャーABテストも行なってみる



以上になります。
他にも、ランディングページの色がユーザーに与える印象などがまとまっており、基本的なことながら改めて参考になりますね。

もちろん、ランディングページは様々な手法や見せ方があるので、異論反論はたくさんあると思いますが、基本を知っていた方が応用が利きやすいという側面はあると思います。自社のサイトに合わせた成功パターンを見つける上での参考になれば幸いです!



2012年5月11日金曜日

Inside Inktomi: エンジニアが語るインクトゥミがグーグルに敗れた理由

検索エンジン業界での経験が長い人にとって、Inktomi という検索エンジンの持つ響きは、ある種の懐かしさとエレジーを呼び起こさせます。


Inktomi は1996年創業のロボット型検索エンジンを提供していた企業で、1998年創業のGoogle より2年先行しています。2002年にYahoo!に買収されるまでの約6年間、検索エンジンの覇権をGoogle に引き渡すまで、検索エンジンの中心に位置していた企業でした。

買収されてから10年経ち、買収元のYahoo! も苦境に立たされる中、当時の Inktomi のエンジニアの一人で、現在LinkdeIn に勤めるDiego Basch(ディエゴ・バッシュ)さんが、当時を振り返り、なぜInktomi は敗れたのか、いかにしてGoogle はInktomi を破ったのかを内部の視点から語っています。


A Relevant Tale: How Google Killed Inktomi - Diego Basch's Blog
http://diegobasch.com/a-relevant-tale-how-google-killed-inktomi

# SEWにも関連記事が出ています。


以下、拙訳で恐縮ですが、原文から幾つか抜き出して抄訳します。

Inktomi was the #1 search engine in the world for a while. When I joined we had just won the Yahoo contract, and were serving search results for HotBot (there is still a search page there!) At first I worked on developing crawling and indexing tools written in C++. Our main goal at the time was to grow our index size, and at the same time to improve relevance. It became clear that as our document base grew, relevance would play a more important role. For ten million documents you may be able to filter out all but a handful of documents with a few well-chosen keywords. In that case any relevance algorithm would do; your desired result would be present in the one and only result page. You wouldn't miss it. For a billion documents however, the handful would become hundreds or thousands. Without a good relevance algorithm, your desired result might be on page 17. You'd give up before getting to it.

Inktomiはしばらくの間、世界でナンバーワンの検索エンジンでした。私がInktomi に入社した時はちょうどYahoo! との契約を獲得した時期で、HotBot に検索結果を提供していた真っ最中でした。(ちなみにHotBotはまだあります) 私の最初の仕事はC++で書かれたクローリングとインデクシングツールの開発に取り組むことで、当時の私たちの主な目標は、インデックスサイズを拡大することと、検索結果の関連性を改善することでした。取り扱うドキュメントが大きくなるにつれて、関連性がより重要な役割を果たすことが明らかになりました。ドキュメントの数が1千万くらいの場合は、どんなアルゴリズムでもキーワードを含むドキュメントの結果を取扱いが可能なレベル、例えば一つの検索結果で表示することができると思います。しかしながら、これが10億くらいのドキュメントになると、出てくる結果は数百もしくは数千となってしまい、欲しい検索結果が17ページ目にある、なんてことが発生します。これではユーザーは希望する結果に辿り着く前に諦めてしまうでしょう。

Yahoo had been complaining to us about not being result #1 for yahoo for a while. We fixed that special case, but we couldn't do the same for many other sites or pages. In 1999 Google was gaining popularity because they were solving exactly this problem. We didn't perceive them as a threat yet, but we did realize that we had to do our own version of PageRank. I was assigned to that task.

Yahooはしばらくの間、検索結果で「Yahoo」が 1位にいないことについて私たちに不満を訴えていました。我々は個別対応で問題を修正することはあっても、他の多くのサイトやページに対して同様の修正を行うことができませんでした。1999年にGoogleはまさにこの問題を解決し、人気を博すことになりました。我々はまだ彼らを脅威として認識していませんでしたが、我々はPageRankのInktomiヴァージョンを作る必要があることを認識しました。そして、私はそのタスクにアサインされていたのです。

Despite our relevance being so great, there was one huge red flag: engineers at Inktomi were starting to use Google as our search engine. Our executives tried to stop us from doing it, just like Bill Gates reportedly banned his kids from using Apple products. I thought about why I was using Google myself, and I'm sure it's obvious to everyone now: the experience was superior.

Inktomi の関連性も非常に高かったのですが、徐々に危険な信号が点滅しだしました。Inktomiのエンジニアが(Inktomiではなく)Googleを使い始めたのです。ビル・ゲイツが自分の子供たちにアップルの製品を使わせなかったように、Inktomi の幹部もそうした行為をやめさせようとしました。私は、なぜ私がGoogle を使うのか考えました。今では誰の目にも明らかなことですが、ユーザー体験が優れていたのです。

  • Inktomi didn't control the front-end. We provided results via our API to our customers. This caused latency. In contrast, Google controlled the rendering speed of their results.

  • Inktomi didn't have snippets or caching. Our execs claimed that we didn't need caching because our crawling cycle was much shorter than Google's. Instead of snippets, we had algorithmically-generated abstracts. Those abstracts were useless when you were looking for something like new ipad screen resolution. An abstract wouldn't let you see that it's 2048x1536, you'd have to click a result.

  • Inktomiは フロントエンドをコントロールしていませんでした。私たちはAPIを通じて検索結果を顧客に提供していました。この方法は待ち時間が発生しました。対照的に、Google はレンダリングの速度をコントロールして検索結果を提供していました。

  • Inktomi はスニペットやキャッシュを保持していませんでした。Inktomi の幹部は "我々のクローリングサイクルは、Google よりもはるかに短いのでキャッシュを必要としなかったと主張していました。我々はスニペットの代わりに、アルゴリズムで生成された要約を保持していました。このような要約は新しいiPadの解像度みたいなものを探したいときには役に立ちませんでした。要約はそれが「2048×1536」であることを示せないので、ユーザーは検索結果をクリックするしかなかったのです。


  • In short, Google had realized that a search engine wasn't about finding ten links for you to click on. It was about satisfying a need for information. For us engineers who spent our day thinking about search, this was obvious.

    要するに、Google は、検索エンジンは別にクリック可能な10個のリンクを見つける機能を提供するものではない、ということに気づいたということです。検索エンジンの役目とは、情報のニーズを満たすことだったのです。毎日検索のことばかり考えていた私たちエンジニアにとっては、自明の理でした。

    Unfortunately, we were unable to sell this to our executives. Doug built a clutter-free UI for internal use, but our execs didn't want to build a destination search engine to compete with our customers.

    残念ながら、私たちはInktomi の幹部にこの事実を納得させることができませんでした。Doug(Doug Cook:同僚のエンジニア)は社内用のきれいなUIをつくりましたが、幹部たちは、Inktomi のクライアントと競合する検索エンジンをつくることに否定的でした。

    Are there any lessons to be learned from this? For one, if you work at a company where everyone wants to use a competitor's product instead of its own, be very worried. If I were an executive at such a company I would follow Yoda's advice: "Do or do not. There is no try." If you're not willing to put in the effort to compete, you might as well cut your losses (like Google did with Buzz, for example).

    この一連の経緯からの学びはあるのでしょうか? 一つは、もしあなたが働いている会社のみんなが、自社製品ではなく競合の製品を好んで使う傾向があったら、それは心配すべき傾向だということです。もし私がそういった会社の幹部だったら、きっとヨーダの "「やってみる」じゃない。「やる」か「やらない」かだ。" というアドバイスに従うでしょう。 もしあなたが競争するための努力が必要な場所に身を置くことを望んでいないなら、止めた方が賢明でしょう。(例えば、Google がBuzz でやったように、ね)

    Of course, this is not the whole story of how Inktomi failed. There was a complicated web of causation that involved timing, bubbles, lack of focus, departures of key executives, etc. . That would be a book that might sell three or four copies at best :)

    もちろん、この話はInktomi が失敗した理由のすべてではありません。タイミング、ネットバブル、フォーカスエリアの欠如、主要幹部の離脱など、様々な複雑な要因がありました。そのうち本にします。頑張っても3-4部しか売れないでしょうけどね :)



    ーーーーー


    以上です。(訳がおかしいところはぜひご指摘下さい)

    ボタンが違った掛け方をされていれば、私たちが当たり前に使っている検索エンジンやウェブの体験は、今とは違った方向に進んでいたかもしれませんね。

    原文では、コメント欄がとても盛り上がっています。何か言いたくなる、伝えたくなる文章です。ぜひ目を通してみてください。



    2012年5月5日土曜日

    リス男とリス女の給与明細


    昨年末に、Web担当者Forumに挙がったSEO担当者の給料は150万円~1300万円? など10+2記事(海外&国内SEO情報) という記事が一部のSEOsの間で話題になりましたが、同データを提供していたOnward Search が今度はPPC広告版をリリースしました。


    PPC Jobs Salary Guide
    http://www.onwardsearch.com/PPC-Jobs-Salary-Guide/


    PPC Jobs and Salaries Guide
    © 2012 Onward Search



    例によって都市ごとに差がずいぶんとありますが、SEOの時と比べて、極端に差があるようには見えません。違いがあるとすれば、SEOではリンクビルダーやコピーライターなどの専門職を細かく切り出している一方で、PPCではコーディネーターという運用職になることでしょうか。

    なお、表中では6つの職がありますが、名前が違えど職掌は似たようなものがありますので、以前インハウスSEMのチーム体制を考える というポストで使用した表を少し直してまとめてみました。ちなみに、PPC Coordinator が表にありませんが、これは Account Manager と同じチームに居て、入札管理やレポートなどのアシスタント業務を行う職務を指すことが多いです。このポジションを設けるかどうかは、チームの大きさによります。

  • Online Marketing Manager
  • PPC Specialist
  • Account Manager
  • Director of Internet Marketing
  • PPC Analyst
  • PPC Coordinator


  • ※クリックすると拡大します



    お給料ももちろん大事ですが、自分が給料に見合った価値を出せているのか、その仕事の学びはどこにあるのか、改めて考えていきたいですね。 僕はこの仕事は求めれば多くの学びを得やすい仕事だと思っていますし、頂いているサラリーより大きな価値を会社やお客さんに返しやすい仕事だと思っています。



    AdWords の広告ローテーションの変更は邪悪なのか?



    最近立て続けにAdWords のマイナーチェンジが発表されていますが、その中に、「広告のローテーション設定の変更」が含まれています。

    具体的には、広告グループ内の複数の広告を均等に配信する「ローテーション」オプションが、これまでは恒久的に均等配信だったものが、今後は30日間均等にローテーション表示されてから、その後は「クリック重視で最適化」へ自動的に変更されるとのこと。


    New Changes to Ad Rotation - Inside AdWords
    http://adwords.blogspot.jp/2012/04/new-changes-to-ad-rotation.html


    すでに現時点(2012年5月4日)でもヘルプに反映されています。




    広告のローテーションは改悪という論調
    この広告ローテーションの変更について、北米では「この変更は邪悪だ!断固阻止すべし!」との意見が一部で広がっているようです。ソーシャル・アクションを訴えるためのSNSであるchange.org では、今回の変更について反対を訴えるPetition(訴状)が作成されており、かなりの勢いで署名を集めています。




    Petition: Google Adwords: Allow advertisers the option of continuing to rotate ads indefinitely. | Change.org
    http://www.change.org/petitions/google-adwords-allow-advertisers-the-option-of-continuing-to-rotate-ads-indefinitely

    Sign The Petition To Keep Control Of Your Ad Rotation Settings | PPC Hero®
    http://www.ppchero.com/sign-the-petition-to-keep-control-of-your-ad-rotation-settings/


    訴状では、大企業であればそれほど問題ではないかもしれないが、トラフィックや予算の少ない中小アカウントでは、広告のテストには1ヶ月以上、時に数ヶ月を要するので、30日間というGoogle の設定には根拠がないし、これが強行されれば、Google はたくさんお金を使ってくれる大手広告主ばかりを優遇しているという誹りを免れないのではないかと訴えています。


    広告の「ローテーション」が意味するもの
    ところで、広告のローテーション機能とは何なのでしょうか。基本に立ち返っておさらいすると、現在ではGoogle AdWords の広告は、以下の3種類の配信方法があります。

    クリック重視で最適化(デフォルト): クリック率の高い広告が広告グループ内の他の広告より頻繁に広告オークションにかけられます。このような品質の高い広告が広告グループの他の広告より多く表示されるため、広告配信率も高くなります。このオプションを使用すると、品質の高い広告の掲載順位が高くなり、より多くのユーザーにアピールできるため、広告グループ全体の表示回数とクリック数も増える可能性があります。

    コンバージョン重視で最適化: コンバージョン率の高い広告が広告グループ内の他の広告より頻繁に広告オークションにかけられます。このオプションではコンバージョン重視で最適化が行われるため、クリック率(CTR)とコンバージョン率の両方が考慮されます。コンバージョン率の最も高い広告を判断できるだけの十分なコンバージョン データが蓄積されていない場合、広告は [クリック重視で最適化] オプションのデータを基にローテーションで表示されます。このオプションを使用すると、広告グループ全体のクリック数は、クリック数を重視して最適化した場合よりも少なくなる可能性がありますが、コンバージョン数の増加が見込めるため投資収益率(ROI)の向上につながります。

    均等にローテーション: 現在、このオプションでは、広告が均等にオークションにかけられ、クリック率が低い広告もそれ以外の広告と同じ頻度で表示されます。広告グループ内の広告の表示回数と広告配信率は、2 つの最適化オプションのどちらかを使用した場合と比べて均等になりますが、広告の掲載順位は品質スコアに基づいて決まるため、表示回数と広告配信率は広告ごとに異なる可能性があります。


    今回議題に挙がっているのは、最後の「均等にローテーション」の部分です。これが30日後には自動的に「クリック重視で最適化」、つまりデフォルトの設定に戻ってしまうので、広告のA/Bテストを行うための充分な期間が取れない可能性があるというのが、今回盛り上がっている反対意見の一番の理由です。AdWords はほとんどの場合クリック課金なので、強制的にクリック重視で最適化(=CTRの高い広告の配信比率が上がる)にすることは、そのままGoogle の収入を増やすことにつながります。広告主の選択肢を強制的に狭めて金を儲けようなんて悪だ!というわけですね。

    しかしながら、反対の根拠になっている均等なローテーションやA/Bテストは、みんなが思っているように本当に均等に表示されているのでしょうか。

    上記の引用にはこうあります。

    広告グループ内の広告の表示回数と広告配信率は、2 つの最適化オプションのどちらかを使用した場合と比べて均等になりますが、広告の掲載順位は品質スコアに基づいて決まるため、表示回数と広告配信率は広告ごとに異なる可能性があります。

    これは、広告の均等ローテーションを設定したとしても、AdWords がもともと品質スコアに基づいて順位や表示可否が変動するモデルのため、広告の表示回数と配信率は必ずしも均等ではないことを意味します。つまり、均等にローテーションとは、「表示回数の均等」ではなく「表示の機会均等」ということになりますね。

    ある広告に対してもう一方の広告のCTRが悪かったとして、CTRは品質スコアの決定にとって大きな要素ですので、あまり良くないCTRの広告を機会均等で残しておくことは、広告グループ全体のCTRの低下につながり、それはそのままCPCの上昇につながります。ユーザーにとっても、CTRが良くない広告というのは自身の求めている情報と関連性が低いということになりますし、ユーザー体験の向上とマネタイズを両立させているGoogle にとっても、広告の機会均等が長々と続くことは良いことではありません。

    個別の事情はあるにせよ、ステークホルダーである広告主、ユーザー、Google(GDNの場合はサイト運営者)の3者にとって、長期的に見たバランスを考えると、今回の変更を邪悪な振る舞いと言い切るのは少し難しいような気がします。


    選択肢は用意されているのか
    それでは、広告主に選択肢は用意されていないのでしょうか。個人的には、A/Bテストのニーズを満たすのであれば、広告のローテーション設定より、AdWords Campaign Experiment(ACE)を利用した方が理にかなっていると思います。


    AdWords キャンペーン エクスペリメントのご紹介 - 広告のテスト ツール
    http://adwords-ja.blogspot.jp/2010/12/adwords_10.html


    キャンペーンエクスペリメントの詳細は上記の公式ブログを参照いただければと思いますが、ポイントしては以下に記載された部分だと思います。

    広告のローテーションとの違い
    これまで広告のローテーションを使用することで、複数パターンの広告の掲載結果を比較されていた広告主様も多くいらっしゃることと思います。キャンペーン エクスペリメントを使用するメリットは、テストするトラフィックの割合を指定できるところにあります。広告の表示タイミングを指定できるなど、広告のローテーションよりも柔軟な管理が可能です。広告のローテーション(キャンペーンの [設定] タブ)の設定は、テスト用の広告グループにも適用されます。「最適化」または「均等」の設定に応じて、通常の広告グループにある広告がローテーションで表示されると同時に、テスト用の広告グループにある広告もその中でローテーションにて表示されます。
    赤字は筆者


    キャンペーンエクスペリメントは、テストや検証に特化したツールのため、トラフィックの割合やタイミングを指定できるなど、ローテーションより柔軟かつ正確なテストが可能です。もともと、このテストツールが公開された2010年から、ローテーション配信の意味は徐々に薄れてきていました。テストとは名ばかりで放っておかれるケースも多いので、本当にちゃんとA/Bテストをするのであれば、本来はローテーションではなくキャンペーンエクスペリメントを使うべきなのでしょう。

    キャンペーンエクスペリメントの設定方法は以下の動画が詳しいです。(英語ですが日本語字幕がつきます)



    もちろん、今回の措置によって影響を受ける広告主は多いでしょうし、Google がさらにお金儲けに走ったといえば、それはそれで一定の真実を含んでいると思います。

    一方で、前述のとおり、Google にとってのマネタイズの鍵はユーザー体験の向上であり、それは検索で言えば端的に品質スコア(≒CTR)で計量されます。関連性の向上がないと、広告主もユーザーも幸せにはなりませんし、AdWords のシステム自体がそのように構造化されています。

    今回の広告ローテーションの変更をきっかけにして、A/Bテストの方法や日々の運用を見直すきっかけになればいいですね!


    2012年6月2日 追記
    批判がたくさん集まったようで、Google が変更案を出してきました。


    Update to the recent ad rotation change - Inside AdWords
    http://adwords.blogspot.jp/2012/06/update-to-recent-ad-rotation-change.html


    用意された変更は2つ。

    we're planning to make two changes to the setting. First, we'll expand the even rotation period from 30 days to 90 days to give you a longer window for testing new ads. Second, if you still wish to have your ads rotate evenly indefinitely, we're going to offer an opt-out of this change. You can opt-out by filling in your information on this form or by contacting your account representative. Both of these changes will go into effect on June 11, 2012

    (1)30日の均等表示期間を90日へ延長
    (2)オプトアウトのフォームを用意し、フォームへの入力したアカウントには適用しない


    どちらも2012年の6月11日から適用されるようです。
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    とあるように、少しだけ悔しさをにじませながら、という感じですね。



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