2013年5月28日火曜日

女性が、長く安心して働ける業界に − セプテーニ 田原晴加氏 #State-of-AdOps Vol.6


「State of AdOps」は、現在急速に伸びている運用型広告の成長を支え、実際の現場で価値をつくりだしている広告運用(AdOps)のスペシャリストたちに焦点を当てるインタビューシリーズです。広告運用の最前線にいる方々が感じていることを語って頂くことで、運用型広告の輪郭を少しでも捉えることができればと考えています。

第6回は、社是「ひねらんかい」が有名な大手インターネット広告代理店である株式会社セプテーニのプロダクト本部SEM部でご活躍されている、シニアSEMコンサルタントの田原晴加さんに運用広告の現在についてお伺いしました。



# インタビューは 2013年4月某日に行われました。


自動入札ツール担当からコンサルタントへ

現在のお仕事に就かれるまでの経緯と、具体的な業務内容をお聞かせ下さい。

セプテーニに2009年に新卒で入社して、現在は5年目になります。入社当初からリスティング広告を担当する部署ではありましたが、お客さまに直接伺う営業やコンサルタントではなく、システム・ツール周りを担当する部署がキャリアのスタートです。ツールというのは自動入札ツールのことを指しますが、当時は海外製が主流で代表的なツールの一つを担当していました。

1年ほどツール周りを担当した後、現在の仕事であるコンサルタント業務に携わっています。リスティング広告では運用からキャリアをスタートすることが多いと思いますが、ツールやシステム担当を経てコンサルタントになるのは珍しいケースかなと思います。


ツール側から見たリスティング広告は、最初どのように映ったのでしょうか?

当時は自動入札ツールがずいぶんと注目されていた時期でしたが、現在も続いている、Yahoo!リスティング広告(現在のYahoo!プロモーション広告)や Google のAdWords広告など、複数のプラットフォームをひとつのシステムで統合管理するというトレンドを入社してすぐに知ることができたことは、今から思えば幸運でした。

ツールを知る上では海外、特にアメリカが先行していましたから、日本だけでない視点を早くから獲得できたのは大きかったです。


自動入札ツールの導入が大変だったとお察しします。ご苦労された点などはありますか?

まずは新卒で何も知らないところからスタートでしたので、自動入札ツールに何ができるのか、どういったところがメリットなのかを知るところから始めました。ただし、実際に運用をしていなかったので、運用側がツール導入にあたって何が必要なのかを頭では理解していても体感として理解しておらず、社内やお客さまと意見がぶつかることも多くありました。

例えば、既に稼働しているアカウントに自動入札ツールを導入するには、トラッキングURLをツール側で発行してから各アカウントへ再入稿が必要になりますが、その一連の作業で運用側にどれだけの負担が発生するのか、広告の審査や配信でどのようなことに気をつけなければいけないのかといった基本的な部分への配慮が足らなかったと思います。

また、弊社ではもともときめ細かく運用し最適化を追及していくことで、お客さまの望む結果を出しており、そこに自信を持っているコンサルタントばかりなので、自動入札というシステムや投資対効果に社内でも異論があったことも背景としてあるかもしれません。振り返ってみて、広告運用を知らずに自動入札ツールを提案するという、今から考えればかなり難しいことをしようとしていたなと思います。


ご苦労があった一方で、学んだことはありましたでしょうか?

自動入札ツールを提案するには、技術的な側面を理解する必要があります。APIやデータフィードの概念もその時に初めて知りました。これは今の仕事でも役立っています。

あとは、今でもそうですが、リスティング広告の運用は本当に大変ですので、入社から1年間はツール担当という一歩離れた視点から運用の現場を眺め、その後実際にコンサルタントとして現場へ入るというステップがあったことは、リスティング広告の業務全体を理解する上でとてもスムーズでした。

人にもよりますが、何も分からない状態でお客さまの前にいきなり立つのは正直なところ厳しいと思います。プラットフォームやお客さまのことはもちろんのこと、広告やインターネット業界、エクセルやパワーポイント、メールの書き方に至るまで、新人がキャッチアップしなければいけないことは山ほどありますし、毎月のように新しいことが起こります。実際に、私がリスティング広告を始めたときよりも現在の方が学ぶ必要がある範囲が広くなっています。

1年間とはいえ、リスティング広告の業務がどのように回っているのか、どこが大変で、何がボトルネックで、何がレバレッジポイントなのか。そういったリスティング広告の現場のメカニズムを知った上で業務に入れたのは私にとっては非常によかったと思っています。



「いろいろと厳しいことも言ったけど、信頼していました。」

現在はSEMコンサルタントとしてのお仕事をされていますが、この仕事のどこに醍醐味を感じていらっしゃいますか?

月並みですが、直接お客さまとやりとりできること、お客さまに感謝されることが一番の醍醐味です。先日、長く担当させて頂いたあるお客さまの担当を外れる時に、「いろいろと厳しいことも言ったけど、運用面は信頼していました。今までありがとう。」と仰って頂けたときは嬉しかったですね。非常に厳しいお客さまだったので、余計に嬉しかったです。

ツールを担当していた頃に「ツールを導入したのに提案されたとおりの動きにならない」というクレームを頂いたことがあり、当時は「私はやれることはすべてやっているのに」と思って憤慨したこともありました。

コンサルタントになった今から思うと、あの頃はどこか他人ごとというか、お客さまの顔も知らずに仕事をしていたなと思います。テクノロジーは進化しているかもしれませんが、実際にはビジネスは人と人との関係でできていると実感しています。


お客さまに感謝された具体的なエピソードがあれば教えて下さい。

先ほどお話した厳しかったお客さまですが、私がツール担当から異動してコンサルタントになった当初は、PCとモバイルで先方の管轄部署が分かれており、私はフィーチャーフォンを担当していました。私が担当になった頃は、スマートフォンが大々的に喧伝されはじめた頃で、少しずつフィーチャーフォンのシェアは下がり始めていて、プラットフォーム側からのアップデートもほぼなくなってきている状況でしたが、お客さまの事情でフィーチャーフォン用にご用意して頂いているご予算をかんたんにはスマートフォンへ寄せることができませんでした。

私の前の担当は「フィーチャーフォンでできることはぜんぶやった」と言っていて、私も引き継いだアカウントを見て、実際にそう思っていました。引き継いだあとになかなか提案を出せないでいると、お客さまから怒られました。時には「もう出て行け」と言われたり(笑)。

そこで、営業担当者と相談してやれることをもう一度洗い出して、とにかく毎週提案を持っていきました。出した提案に対して、毎週のように検証結果も持っていきました。今度こそ本当に「フィーチャーフォンでできることはぜんぶやった」状態ですね。例えばコンテンツターゲットのキーワードターゲットでドメイン名のテーマを作ったり、モバイルバナーの制作、トピックターゲットやインタレストカテゴリ、電話番号表示オプション、その他いろいろ、AdWordsのメニューでできることはぜんぶやったと思います。その結果、フィーチャーフォンのシェアが急激に落ちていく中で、かなりの結果を出すことができました。



女性のコンサルタントを増やしたい。

逆に、広告運用の仕事で課題があるとすればどんなところだと思いますか?

運用の実務には直接関係がないことかもしれませんが、企業の女性のコンサルタントの活用に課題があるのではないかと思っています。他の広告代理店さんは、女性のコンサルタントってどれくらいいらっしゃるんでしょうか? 私の見ている範囲、つまりSEMの分野では、女性のコンサルタントは少ないように思います。

広告やネットの業界は一般的に決して女性比率は低くないと思います。弊社でも、SEMには入札・入稿・レポーティングなどを行うオペレーションと、対クライアントに提案を行うコンサルティングという2つのラインがありますが、オペレーションの部門は女性が圧倒的に多いです。でも、コンサルタントになると女性比率が高いとは言えません。

丁寧な運用やコミュニケーションという部分では、男性に比べて女性の方が細やかな対応が得意な人が多いのではと個人的に思っています。オペレーターに女性が多いのはそういう事情もあるかもしれません。あ、男性がガサツだというわけじゃないですよ(笑)。

例えばエステやコスメティクスなど、女性目線で語れる女性コンサルタントが担当させて頂いた方が良いお客さまもいらっしゃいます。ある化粧品通販のお客さまでは、女性コンサルタントをご要望頂きましたが、すぐにアサインできなかったこともありました。


女性のコンサルタントが増えない理由は何だと思いますか?

女性にとっては直面するライフイベント(結婚、出産、育児など)による時間の制約が出てくる中で、「同じ働き方」で「同じ仕事」をするのは難しい部分はあるかもしれません。



働き方の多様性と、チームで働くということ。

女性のコンサルタントが働き続けられるには、どうしたらいいと思いますか?

多様な働き方や役割が認められるように変わっていけばいいと思います。この業界に限らないかもしれませんが。

運用型広告では深く潜れば潜るほど詳細な分析と丁寧な運用が価値になっていくので、オペレーションが単なるコンサルタントの業務請負では成り立ちません。チームとしてそれぞれの強みを生かしながらPDCAを回していくことが重要になります。お客さまのアカウントを実際に預かって運用しているオペレーターが、コンサルタントの役割に近づいていくイメージです。コンサルタントかオペレーターかではっきり分けてしまうのではなく、それぞれの得意分野を相互に補完して、チームとしてフォローし合いながら仕事を進めていけるような働き方が重要ですね。

この形を推進するため、宮崎県にあるグループ会社のMANGO(株)というリスティング広告のオペレーション業務を請け負うニアショア拠点と、東京のオペレーション部隊との連携強化を進めています。定型化した業務をアウトソースすることで東京のオペレーションの役割をよりコンサルタントに寄り添う形にシフトさせるためです。

また、コンサルタントとオペレーションの中間に位置するような職掌があってもいいのではないかなと思っています。これは一定以上のコンサルティング経験とオペレーション経験がないと上手く機能しないので経験を積んできた女性コンサルタント・オペレーターが活躍できる職掌ではないでしょうか。

女性の働き方を考えるのは、私個人だけでなく、会社としても取組んでいます。今年も女性の新卒がコンサルタントとして配属されました。その子たちにとっても、キャリアを積める環境を今以上に整備していきたいですし、私自身、先輩として憧れられるような働き方をしたいと思っています。


素晴らしいですね。もし最後にこれは言っておきたいということがあればぜひ。

女性である自分が直面している現実と向き合って来なかった部分と、自分なりに一生懸命頑張ってきたからこそ見えてきたものがあって、率先して新しい働き方を提案したい!という目標を年初に立てていました。同じような思いを持っている方がいらっしゃれば、ぜひお声をお掛けください!



株式会社セプテーニ
http://www.septeni.co.jp/



2013年5月13日月曜日

商品リスト広告(PLA)の最適化について考えてみる



利用が進む商品リスト広告(PLA)

2012年12月に「商品リスト広告(PLA)についてまとめてみる」という記事を書きましたが、その後、2013年の第一四半期(1-3月)には米国のテクノロジーベンダーや調査会社から次々とクリスマスシーズンにおけるPLAの快進撃を伝えるレポートが届き、2013年2月には日本でもGoogleショッピングの有料化への移行が完了するなど、以前にも増してPLAに注目が集まってきているように思います。


※PLA=Product Listing Ads 日本語では「商品リスト広告」ですが、本記事では以下「PLA」と表記します。


<参考>
Inside AdWords-Japan: 日本を含む各国で Google ショッピングの移行が始まりました

Advertisers Increased PLA Budgets By 600% In Q4; Trend Likely To Continue
(広告主が第四四半期でPLAに投じた予算は600%増に)

Source: Marin Software


第四四半期(10-12月)は伸びに伸びたPLAでしたが、一方で、「この時期はクリスマス需要があり1年で最も小売の需要が高まる時期なのだから伸びるのは当たり前じゃないか」という意見もあるにはありました。

しかし、ここ最近の調査では、翌第一四半期(1-3月)は前四半期以上に大幅に伸びているため、季節性とは関係なく、PLA自体の利用率とマーチャントフィードの活用が進んでいることを物語っています。

Source: CPC Strategy Blog


対応を進める広告主と、対策を進める競合企業

今後は商品情報表示オプションが終了し、PLAに統一されていくようなので、ますますリスティング広告を利用するEコマースにとってPLAはマストな手法になっていくと考えられます。

PLAの利用社数の増加にともなって仕様も毎月のように進化を続けており、2013年3月にはスマートフォンへの配信がスタートしたほか、2013年4月にはPLAを掲出するために必要なGoogleマーチャントセンターの必須項目が増加され、5月にもフィードの項目が更新が発表されるなど、矢継ぎ早に出る新しいリリースに対応しようと広告主各社は対策を進めています。


<参考>
Reach smartphone users around the world with Google Shopping
(Googleショッピングで世界中のスマホユーザーにリーチしよう)

Googleマーチャントセンターの仕様変更を解説:Web担当者なら押さえておきたい最新動向

Inside AdWords-Japan: Google ショッピングのフィード仕様を変更しました



対応を進めているのは広告主だけではなくGoogleのライバルも同様です。

Facebookは昨年の発表以来ややスロースタートだったFacebook Gifts のグローバル展開を進めているほか、マイクロソフトが運営するBingでは2013年の第三四半期(7-9月)にはPLAと同様の「Product Ads」をスタートさせると発表しました。Shopping.com や Amazon Product Ads なども今後の動きが活発化してくると考えられます。


<参考>
Facebook begins allowing international users to buy Gifts for friends in U.S.
(Facebookが米国在住のユーザーへギフトを贈る機能を他国のユーザーへも開放)

Prepare for Product Ads Coming in Q3 2013
(2013年第三四半期のProduct Ads 発表に向けて準備中)

Source: Microsoft bing ads blog



トライから最適化のフェーズへ

利用企業が増えてくれば、その次は最適化などの実際の活用方法に視点が移ってきます。

PLAは通常の検索連動型広告と比較してCPCが低いため費用対効果にも優れているというのが一般的な理解ですが、広告とマッチングされる検索クエリはコマーシャルクエリに限定されるため通常の検索連動型広告と比較すると表示機会は必ずしも多いわけではなく、Eコマースでは既に激戦区になっている分野も多いため、企業によっては必ずしも費用対効果が高いと言い切れるものでもなさそうです。

Googleもそのあたりは察してか最適化の方法をブログポストしていますが、まだまだ最適化と言える運用をしている企業は少ないかもしれません。

PLAがスマートフォン対応になったことによって、ショールーミング(実店舗で現物を確かめてから、購入はその場もしくは後日オンラインで行う形態)への対策としてもPLAが有効に機能するようになったと言って差し支えないと思います。今後は、単なる費用対効果の視点だけでなく、販売チャネルや顧客接点の最大化という意味でもPLAの採用は進んでいくのではないでしょうか。

一方で、スマートフォンの小さな画面に表示される広告は「商品画像」「タイトル」「金額」というわずかな情報であるため、それらを的確に表示させていくための商品ごとの情報や画像の整備、つまりはマーチャントセンターに登録するためのデータベースとフィード環境の整理がこれまで以上に課題になってくると言えます。エンハンストキャンペーンもPLAには適用されますので、デバイスごとの調整なども今後は考慮に入れていくことが必要になってくるでしょう。



3つの最適化

PLAが通常のリスティング広告の最適化作業と比較して難しい点は、考慮しなければいけない範囲の広さにあると思います。

PLAを効率的に運用していくためには、広告の管理画面上での追加変更やウェブサイト側のLPOやEFOなどの通常の最適化作業に加えて、「マーチャントセンター内のプロダクトフィードの整備」と、「企業内データベースをマーチャントセンターへ更新情報として送り続ける環境の構築」の2つが余計に必要になります。

つまり、PLAの最適化は、

(1)広告側でのキャンペーン構築、分析や入札などの運用
(2)広告側でのターゲットするためのマーチャントセンター内のデータ整備
(3)(2)のデータの元になるデータベースと、そのフィード構築の整備


という3つの異なるシステムでそれぞれの最適化をうまくバランスしていくことが必要になるため、真面目にやろうとするとどうしても腰が重くなりがちです。

そのため、結果として (1)の管理画面での設定を[すべての商品]ターゲットのみで済ませたり、(2)や(3)を担当者が夜な夜なエクセルで集計しアップロードしている、ということがどうしても現場では起こってしまいがちです。PLAの導入によってリスティング広告の担当者の負担が増加したり、結果として最適化がなかなか進まないという声をよく聞きます。

しかしながら、上述の(2)と(3)については自動化のメリットを享受しやすい分野であり、投資のスケールメリットや運用の惰性も(いい意味で)利きやすい部分です。現時点では、全体設計とシステム構築を早い段階で進めた企業が、結果的にGoogleの検索結果の画面上で勝ちやすくなるという構図ができてきているように思います。

広告以上に頭を悩ませるのがフィード構築の部分ですが、ここ1年ほどでプロダクトフィードの構築支援システムが各社から相次いでリリースされてきています。以前からある「DF PLUS」のような中間支援サービスだけでなく、Eコマースの決済系の企業や、ショッピングカート、ホスティングサービスなどの企業が続々と参入を表明してきており、企業内の商品データベースがしっかりしていれば導入のハードルは随分と下がってきたと言えるかもしれません。

さて、前置きが長くなりましたが、以降は、上述の(1)(2)(3)の分類に沿うかたちで、それぞれの最適化の要点について考えていきたいと思います。



(1)広告側でのキャンペーン構築、分析や入札などの運用

PLAは、通常のAdWordsの検索連動型広告と同様にユーザーの検索クエリに連動して表示されますが、どういった検索クエリに反応するかは、マーチャントセンター内の情報で決められます。併せて、広告として表示されるタイトルや画像もマーチャントセンター側で管理されるため、広告側で行える作業は通常のAdWordsと比較してそれほど多くありません。

広告側で動かせる部分が少ないということは、マーチャントセンター内のデータを指定するための「商品ターゲット」の設定や、その商品ターゲットに合わせて後から入札や分析が可能になるような広告グループの設計がより重要になるということです。


商品ターゲットについての考え方
商品ターゲットとは、マーチャントセンター内のどの項目をターゲットとするかをAdWords側で指定するものです。ターゲットには、以下のような分類があります。

id(id): マーチャントセンターに登録されている各商品の識別子
product_type: 商品の分類(カテゴリ)
brand: マーチャントセンターで指定された商品のブランド
condition: 商品の状態。例: new(新品)、used(中古品)、refurbished(再生品)
adwords_grouping: カスタムで定義される商品のグループで、1つの商品につき 1つの値のみ指定可能。例えば季節、メーカー、製造年度、モデルなど、独自に分類したグループに分けられます
adwords_labels: 「adwords_grouping」と同じですが、複数の値を指定できるため、複数の分類でターゲットを絞込むことができます。



商品ターゲットを設定するには、マーチャントセンター内のデータセットがどのような構成なのかを理解した上で、どのような単位で広告グループを分割するのかを考えなければいけません。つまり、「AdWordsのPLA用グループ構成」と「商品ターゲット」と「マーチャントセンター」の3つはそれぞれすべてつながっていますので、広告キャンペーン側で最も時間を割くべきことは、

・運用現場での分析や分析結果を運用にフィードバックできるような構成を
・「マーチャントセンター内」の項目種別と「商品ターゲット」の組み合わせを考慮した上で
・キャンペーンや広告グループの分割や設定を行う


という、全体設計の部分だと言えます。商品カテゴリごと、ブランドごと、個別の商品IDごと、利益率ごとなど、どのように分析し、どのように入札等の運用を行なっていくのかを想像しながら、広告グループを作っていきましょう。

なお、以前にも掲載したこれら3つの関係については、スライドシェアにも上げていますのでご興味があればご覧ください。




PLA用キャンペーンの運用
運用を想像しながらグルーピングを設計していくということは、PLAで実際にどのような運用が発生するのかを知っていた方が有利です。PLAは通常の検索連動型広告と比べて調整する箇所が少ないですが、キャンペーンや広告グループの設計がしっかりしていれば詳細な運用が可能になります。

入札:
PLAの場合AdWords上で分析できる最小単位は基本的に広告グループになりますので、広告グループ(≒商品ターゲット)ごとのデータが入札を判断するためのデータセットになります。

一般に、広告のCPCは通常は期待されるコンバージョン率から算出されるコンバージョン単価(CPA)から導き出されます。期待されるコンバージョン単価は商品の持つ利益率と販売価格によって決まりますので、商品ごとに目安の利益率や利益の絶対額が判断できる場合は、利益率ごとに商品カテゴリを横断して入札する必要がありますので、利益率を「adwords_labels」として設定し、その値ごとに広告グループを分割することで、入札をコントロールできます。

あらかじめマーチャントセンター側でラベルの設定が決められない場合は、AdWords側でラベルを設定して入札を調整することも可能ですが、その場合でも商品ターゲットの粒度でラベルの設定精度が決まりますので、入札を細かく設定する必要があるアカウントの場合は、商品IDごとなど、なるべく細かく設定するとよいかもしれません。

一方で、商品点数が多い場合や、商品の種類や在庫の入れ替えが頻繁に発生するような場合、あまり細かく設定するとマーチャントセンター側の更新のたびに広告側での設定もれが発生しやすいので、個別の入札以外にも [すべての商品]ターゲット(もしくは大雑把な広いターゲット)も合わせて設定し、その入札は細かく設定している個別のターゲットに絞った広告グループよりやや低くすると、設定漏れの回避と入札の管理バランスに無理がなくてよいと思います。


分析:
PLAはマーチャントフィードからデータを取得してオークションに参加するためAdWords側にはキーワードの設定がありませんが、除外キーワードの設定はできます。しかしながら、キーワードの設定がないので実際にはどういったキーワードがトリガーになっていて、どういったキーワードを除外すればいいのかを事前に判断することはどうしても難しくなります。

そのため、検索連動型広告と同じ手順で検索クエリレポートを取得し、PLAのトリガーになった検索クエリを特定することで、除外キーワードの設定が必要かどうかの判断を行います。

<トリガーになった検索クエリの調べ方>
1. PLAのキャンペーンを選択しキーワードタブに移動
2. 「キーワードの詳細」をクリックし、「すべて」を選択


なお、検索クエリレポートを確認することで、除外キーワードだけでなく、マーチャントフィードにどのようなキーワード・キーフレーズを含めればいいかのヒントを得ることができます。

その他にも、広告文として唯一AdWords側でコントロールできるプロモーションメッセージの変更なども、通常の検索連動型広告と同様にテストしてみましょう。


エンハンストキャンペーンの影響:
エンハンストキャンペーンはPLAとも無関係ではありません。PLAがスマホ対応したことによって、PLAの活用シーンが増えたと同時にデバイスごとの調整の必要性が発生しています。

エンハンストキャンペーンはPLAのキャンペーンにも適用されますので、エンハンストキャンペーンの特徴の一つである、地域、デバイス、時間帯ごとの入札調整が可能になります。例えば、マリンスポーツ向け用品を扱うショップであれば沖縄県の入札を他県より高めに設定したり、平日はモバイルのCPCだけを下げ、土日のモバイル利用増に合わせて週末のモバイルの入札比率を引き上げるなどの対策が可能になります。



(2)Googleマーチャントセンター内のデータ整備

マーチャントセンター内のデータには広告のターゲティングの元になる情報やリンク先ページの情報など、PLAの成否のほとんどを握る情報が詰め込まれており、このデータを整備することが成功のカギとなります。

マーチャントフィードの中でも、特に重要だと考えられるのが以下の項目です。

商品カテゴリ[product_type]
商品カテゴリはその商品IDが商品構成ツリーのどこに当てはまるのかを記載するものですが、この項目はターゲティングに関わる重要な項目のひとつですので、慎重な選択が求められます。リスティング広告やSEOのキーワードリサーチと似ているかもしれません。正確に商品のカテゴリを記載するのはもちろんのこと、商品を表す言葉の検索数と競合性を考えながら、適切な言葉を入力することが必要です。

例えば、女性向けのアパレルを扱うEコマースであれば、「レディース ファッション」「レディース アパレル」「女性 ファッション」「女性 アパレル」のどれが検索数が多く競合性が低いのか、AdWordsのキーワードツール等を利用して判断します。



商品名[title]と商品説明[description]
タイトルと商品説明は非常に重要です。まずタイトルですが、これはリスティング広告のタイトル文と同様、PLAでもアンカーテキストとして利用される項目ですので、トリガーとなりうるキーワードを含める必要があります。


上記の例ですと、「半袖 チェックシャツ」という検索クエリに対して、いくつかの広告はテキスト部分が強調表示されています。PLAは検索連動型広告と違い説明文が検索結果に表示されないので、ユーザーが視認できるテキスト情報としてのタイトルの重要性は非常に高くなるため、キーワードを適切に入力することは必須です。

タイトルの文字数は半角で70字ですが、実際には長すぎる部分は表示上カットされてしまうため、なるべく冒頭に重要なキーワードを入力することが大事です。検索数の多い言葉や固定ファンの多いブランドであればブランド名を、ブランドではなく用途や機能が重要であればそれが分かるキーワードを冒頭に記載しましょう。

続いて説明文ですが、これはGoogleショッピングの検索結果には表示されるものの、PLAでは表示されないため、必ずしも冒頭にキーワードを入れる必要はなく、商品の特性を表した適切なキーワード・キーフレーズを入力します。

多くのEコマースサイトでは商品点数が多く、説明文を個別商品ごとにマニュアルで入力していくのは正直無理があります。マーチャントフィードの作り方にもよりますが、通常は商品データベースやウェブサイトの商品説明から引っ張ってくるケースが多いと思いますので、普段から検索数やユーザーの求める情報を適切に表現したライティングを心がけていくことが結果的にPLAの最適化にもつながります。SEOでも同様ですね。


商品リンク[link]と商品画像リンク[image_link]
画像はタイトルと並んでPLAにおける最重要項目です。検索クエリと正確にマッチングする画像を指定するのはもちろんのこと、特にモバイル対応になってからは画像がこれまで以上に重要視されてきますので、小さな画面でも判別できるように、余白の少ない、少しでも商品のイメージが分かりやすい画像を指定することが求められます。

また、画像のインパクトだけでなく、リンク先URLとの整合性も重要です。PLAは検索結果に画像が出るため、ユーザーはリンク先のページのイメージを既にある程度持っている状態でクリックしますので、Eコマースサイトの当該URLで使われている画像とPLAでの商品画像が違ってしまうと、著しく直帰率が上がってしまいます。

2013年3月の仕様変更によって、アパレルの場合だとマーチャントフィードへ色の指定なども必要になってきますが、Eコマースの受けページ側では画像は選択式になっていてユニークのURLを持っていないケースも多いので、同じ商品ラインなのだけどPLAとランディングページで商品の色やサイズが違う、ということが発生します。ウェブサイトの構成によっては、URLの吐き出し方も併せて見直すことを視野にいれる必要があるかもしれません。


在庫状況[availability]と価格[price]
在庫状況や価格をリンク先のウェブサイトと同期させておくのは非常に大事です。PLAに記載してある価格とリンク先のサイトに記載の価格が違っていたり、在庫切れ商品が多かったりすると、直帰率やコンバージョン率などの指標以前に大幅にユーザーエクスペリエンスを損なうことになります。

そういった事態を避けるためには、自社の商品データベースの更新とマーチャントフィードの更新を同期することが必要です。もし一日に何度も商品の更新があるような場合はContent API for Shopping の仕様に目を通し、自動化システムの構築や、次の段落で触れるデータフィード最適化ソリューションを採用することも視野に入れるとよいかもしれません。



(3)商品データベースと、そのフィード構築の整備

PLAの成功のカギとなるマーチャントフィードは、その元になる企業の商品データベースと、マーチャントセンター用のフィード構築がなければ絵に描いた餅になってしまいます。その場限りのチューニングはできても、自動化をしない限りは、継続性と信頼性を担保するのは難しくなります。

Eコマースの多くは商品の種類が多岐に渡り、日々在庫の数や価格、新商品の追加などの変動が行われています。また、商品データベースの更新だけでなく、それを外部システムであるマーチャントセンター用に整形しリアルタイムに更新していくのは手作業では正直のところ無理があると言わざるを得ません。

また、外部システムはマーチャントセンター以外にも多くのショッピングサイトや比較サイト、検索エンジンなど多種多様にわたり、今後も増えていきます。以下はアメリカで一般的なデータフィードサービスが対応しているショッピングサイトの一覧ですが、これにアフィリエイトなども加えていくと、手動で管理するのが厳しいことがわかります。



そのためここ数年は、中間処理を行うシステムの構築や、自動的に各外部システムに対応したフィードを管理する中間処理サービスのニーズが急速に高まっています。




この中間処理サービスはデータフィード最適化ソリューションとも言われ、海外では Edgenet、GoDataFeed などのような専門業者のほか、Magento のようなショッピングカートベンダー、iProspect や Performics のような代理店など、さまざまなプレイヤーが参入してきています。

PLAだけであればまだしも、他のショッピングエンジンにも対応するとなると自前で構築するのが難しいので、こういったサービスを利用するのも検討すべきかもしれません。




日本でも、フィードフォースやTAGGY、コマースリンクのようなフィード最適化サービスだけでなく、GMOペイメントゲートウェイのような決済系サービスがPLAの運用代行サービスを発表したり、ウェブホスティングのEストアーが「ショッピングフィード・マーケットプレイス」をリリース(PDF)するなど、にわかに盛り上がりを見せています。






商品リスト広告(PLA)のこれから

PLAにはデータフィードの概念が必須ですが、データフィードという以前からある枯れた概念が近年注目を浴びているのは、リターゲティング広告の急速な普及が追い風になっている側面があると思います。

数あるリターゲティング広告の中でも、ここ最近で最もブレイクを果たした Criteo は、Eコマース企業を中心にサイト内の商品閲覧履歴や興味関心をもとに分割されたユーザーリストに対してパーソナライズされた広告(いわゆるレコメンドバナー)をリターゲティングで表示させることによってROIをさらに引き上げる手法をとっています。

現在(2013年5月時点)ではまだ一部の広告主だけの限定版ですが、AdWords でも同様の手法をPLAを利用して実現する手法があります。Dynamic Display Ads(動的ディスプレイ広告)です。

Google のリターゲティング広告であるリマーケティングとGoogleのマーチャントセンターのフィードを連携させて、サイト内のリターゲティングタグに個別の商品IDを紐付けることによってGDN上にPLAと同様のレコメンドバナーを実装するサービスです。

ベータ版なので情報が非常に少ないのですが、WordStream のブログで詳しい解説がありましたので、関係する部分のみ抄訳します。


Dynamic Remarketing Ads: The Future of Google Remarketing | WordStream
http://www.wordstream.com/blog/ws/2013/04/01/dynamic-remarketing
(ダイナミックリマーケティング:リマーケティングの未来)

You will be required to set up a customized Remarketing Tag on your site that will pull down Product Identification numbers from your merchant feed and pass them on to Google. Google will then match these Product IDs to your Google Merchant Center feed and use those characteristics to power your ‘Dynamic Ads.’
ダイナミックリマーケティングを始めるには、マーチャントフィードの商品IDを抽出してGoogleへ受け渡せるようにリマーケティングタグのカスタマイズが必要です。Googleはその商品IDとマーチャントセンター内の情報をマッチングさせてダイナミックリマーケティングを実現します。

After assigning the appropriate audiences to each ad group, you’ll need to set up your ads. This is the cool part. The ‘Display ad builder’ will soon have a dynamic ad option as seen below, with each banner size offering over 15 dynamic ads formats to choose from.
適切なオーディエンスグループを広告グループにセットしたら、次に広告を作成します。ここがダイナミックリマーケティングがイケてるところです。"ディスプレイ広告ビルダー" に動的広告オプションが以下のように現れ、15種類ほどのダイナミックリマーケティング広告のフォーマットが選べるようになります。


In the ad seen here, your potential customer would have likely viewed these products, and is now being served the same product again, or a different style. They can then click on that specific product within the ad and be will be directed to that specific product page.
このように、見込み顧客は来訪履歴をもとにした商品を広告に見ることになります。広告内の個別の商品をクリックすれば、個別の商品ページに飛ぶことになります。





このように、PLAはまだ本格化して間もないにも関わらず急速に発展を遂げ、仕様変更等のスピードも早いことから今後も進化を続けていくと考えられます。

純粋なリスティング広告と比べるととっつきにくさがあるのは否めませんし、考慮すべき範囲が多く腰が重くなりがちなのは仕方がないですが、ボリュームやスケールメリットが最初は出にくいということはあっても、検索連動型広告のように変な設定でボリュームが出すぎてしまって予算を一瞬で使い切ってしまった、というような事故は少ないタイプの広告です。費用対効果も比較的計算しやすいため、ショップのサイズに関わらずトライして損はないでしょう。

今後も、PLA関連の話題は随時ウォッチしながら、折を見て紹介していきたいと思います!



2013年5月10日金曜日

アドテク全盛だからこそ、メディアレップが果たす役割は大きい − サイバー・コミュニケーションズ 織田慎弥氏 #State-of-AdOps Vol.5


「State of AdOps」は、現在急速に伸びている運用型広告の成長を支え、実際の現場で価値をつくりだしている広告運用(AdOps)のスペシャリストたちに焦点を当てるインタビューシリーズです。広告運用の最前線にいる方々が感じていることを語って頂くことで、運用型広告の輪郭を少しでも捉えることができればと考えています。

第5回は、日本を代表するメディアレップであるサイバー・コミュニケーションズのイーメトリクス マーケティング本部でご活躍されている、広告運用といえばこの人ありと噂の織田慎弥さんに、運用広告の現在についてお伺いしました。



# インタビューは 2013年4月某日に行われました。


広告主様とメディア様の幸せを両立できないか。


現在のお仕事に就かれるまでの経緯と、具体的な業務内容をお聞かせ下さい。

現在は、サイバー・コミュニケーションズ(以下cci)の中のイーメトリクス マーケティング本部で、DSPのセールス、ディレクションを担当しております。

イーメトリクス マーケティング本部は、DSPを軸においた運用系広告商品の販売、販売後のアカウント/キャンペーン設計、結果のフィードバックや考察の提供、また、それを基にした改善までのPDCAを回していくことをトータルでサポートしている部署です。また、DSPに限らず、アドネットワーク、アドエクスチェンジ、ソーシャル等の分野まで幅広く扱っております。

私は2010年11月よりアドエクスチェンジの運用に携わっておりまして、その後リスティング広告の運用やDSPも扱うようになりました。前職はネット専業の広告会社でSEMやアクセス解析を行なっていました。

現在の仕事に至るまでの経緯ですが、広告会社時代に広告主様に近い立場で仕事をしていく中で、お客様のご要望をメディアプランや最適化案に落としこむことがバイサイドだけでは限界があると感じていました。メディアレップに立場を移すことで、広告主様が求めていることや実際の評価等をメディア様にフィードバックすることで、キャンペーンの成功確率とメディアの質を同時に上げていくことができるのではと考え、現在のメディアレップで働きたいと考えたのがきっかけです。



メディアレップはメディアに向く立場になると思いますが、実際にDSPを運用されるというのは珍しいですね。

普段は広告会社様と一緒に広告主様へ提案することが多く、受注すれば先ほどのPDCAをすべてカバーしますので、メディアレップの中でも珍しい立ち位置だと言えるかもしれません。

メディアレップが広告の運用を行う利点は、広告主様への価値提供と同時に、先ほど申し上げたようにメディア様にもフィードバックできる点です。

イーメトリクス マーケティング本部は社内で一番広告主様に近い立場にあります。例えば、当社 が米国OpenX Technologies社と提携して日本国内で提供しているアドエクスチェンジ「OpenX Market Japan」について言えば、担当部署であるメディア開発部と定期的にミーティングを設け、「(cciが提供している)OpenXをどう活用するか」「DSPでどのように買い付けするとメディアのCPMが上がるか」いった情報交換を行うことで、バイサイドの情報をセルサイドにフィードバックする体制づくりをしています。

メディアだけでなく、オーディエンスデータも同じです。DMPが注目されていますが、オーディエンスデータをDSPがターゲティングに活用していく流れも、やはり広告主様側を向いている組織の役割は重要です。

イーメトリクス マーケティング本部はiソリューション部というデータを集める部署とも定期的にミーティングを行っています。オーディエンスデータを活用した広告配信の結果を共有することで、単なる閲覧履歴を溜めるだけではなく「会員情報やデモグラフィック情報などが重要ですよ」といったフィードバックをするようにしています。



広告主側を向く組織があることが、メディアレップの本来の役割を強化していく、ということでしょうか。

そうですね。メディアレップというのは広告主様や広告会社様のご要望を伺い、メディア様側の空いている枠を押さえていくという仲介業としての役割を担っていますが、バイサイドの生の声がどうしても届きにくいという難しさがありました。

現在ではDSPを通じて様々なデータを取得できますので、そこで得た知見をデータやメディア様にフィードバックしやすい環境が整ってきていると思っています。そして、その結果、広告主様や代理店様にも広告効果というかたちで付加価値をつけてお返しできると考えています。



DSPがメディアレップの強みを強化する。


いま仰ったような取り組みは、やはりDSPがないとできなかったことなのでしょうか?

そうかもしれません。これまではアドネットワークのような運用というよりは幅広く掲載することを重視したものが多かったため、データを見ながら運用することが難しかった印象を受けています。

DSPが登場してよかったと思う点は2点ありまして、1つは、従来のディスプレイ広告では難しかった「運用ができる」ということです。データの取得、細かいターゲティング、外部のソリューションと繋ぐことができるなど、様々な動きが可能なことですね。

cciはもともとたくさんのソリューションを保有していましたが、DSPにそれを接続して機能拡張することで、メディアレップとしてのこれまでの強みをさらに活かせるようになったことが背景として挙げられます。

2つ目は、広告会社様や広告主様と密接な関係づくりを進めることができたことです。DSPは運用型の商品ですので、仮説→実施→検証→改善というPDCAサイクルを回すことが前提になるため、どうしてもお客様の懐に入らないと効果的な提案ができません。

取引は機械が瞬時に行いますが、運用するのは人です。様々なデータを扱い、分析と改善を繰り返していきますので、活用にはどうしてもノウハウが必要になります。結果として、代理店様や広告主様との密接な関係づくりがないとキャンペーンは成功しませんので、現在のような取り組みに繋がっているのではないかと思います。


今後はこういった動きは加速していくのでしょうか?

現在は実験的に私の部署で実施したかたちとなっていますが、徐々に拡大していければと考えています。もちろん、人員も増加予定です。




データマネジメントが強みになっていく。


現在のお仕事のどのあたりに面白さを感じていらっしゃいますか?

現在はDSPを軸に運用することが多いですが、メディアレップですので、アドネットワーク、モバイル広告、純広告など、トータルで扱えるのは非常に面白いと感じています。

例えば、DSPの運用から、行動履歴データなどのインサイトデータを取得し、それを基に純広告のプランニングやソーシャルの活性化などに繋げていく、という提案です。これまでの広告枠の単品売りから、キャンペーンの目的に合わせた総合的な提案に派生していき、それがうまくいった瞬間は本当に面白いですね。


インサイトデータを活用ということは、DMPも今後重要になっていきそうですね。

まさにそのとおりで、我々はこれまで多くのメディア様にご協力頂き、かなりの量のオーディエンスデータを保有していますので、DMPのような機能がもともとあります。 

今後は、アドエクスチェンジが広告在庫をオープンな取引市場に開放しているように、このDMPの部分をオープン化することで、広告主様や広告会社様が自由に買い付けができるプラットフォームが登場してくるのではと予測しております。

我々としてもそこでセグメントの設計や、オープン化されたオーディエンスデータのDSPへの接続、それらの一連の流れをサポートすることがオリジナルな強みとして打ち出せていけるのではないかと考えております。

親会社の支援と扱えるDSPの種類はPC・モバイルに限らず豊富ですし、アドネットワークも「ADJUST」を含めて複数の取り扱いがあり、数多くのプラットフォームを扱っています。これにオーディエンスデータを絡めていくことができるのがメディアレップならではの動きだと考えています。



アクセス解析と広告が近づいていく環境が整ってきた。


一方で、現在のお仕事で感じてらっしゃる課題などがあればお聞かせ下さい。

これまでの単品売りではなく横断的な提案が主流になってきていますので、分析も当然横断的になります。そうなると、どうしても作業が細かくなり、データも多くなりますので、キャンペーンに関わる広告主様、広告会社様、制作会社様等、すべてのステークホルダーのリテラシーが問われます。

把握できるデータの量や種類が多すぎて、結局何を見ていいのかわからなくなり、「何となくよかったね」ですとか「最終コンバージョンはどうなの」といった評価で終わってしまうことがあるのは残念だなと思うことがあります。

先ほどは広告主様や広告会社様と密に連携するというお話をしましたが、それでもメディアレップという立場上、私が提案全体を取り仕切ることはありませんし、広告主様には広告主様の、広告会社様には広告会社様のご要望もありますので、意図しない結論に帰着することがあるのは、ジレンマを感じることがありますね。

もちろん、いつもそうなるというわけではなく、一部の広告会社様とは以前から密に連携していますので、多くのキャンペーンでたくさんの成功事例を出すことができています。



なるほど。実務面での難しさなどはありますか?

私は自身で運用するだけでなくディレクションを行うことも多いのですが、このディレクションが非常に難しいです。運用型広告はプラットフォームが多いので、運用担当者は必然的にプラットフォームごとに分かれがちなのですが、それぞれの運用を行う方々にいかに適切に指示を出すことができるか、いつもこれに腐心しています。

DSPはDSP、アドエクスチェンジはアドエクスチェンジ、リスティングはリスティングなど、どうしてもそのプラットフォームだけの担当になってしまうので、連絡や指示を間違えてしまうと、トラッキングの不備でデータが紐付いていない、必要なデータが取れていない等の事故に繋がってしまうので、ディレクションには細心の注意を払うようにしています。気を使う範囲が広いですね。

あとは、少し話がそれてしまうかもしれませんが、データの分析面でもまだまだ現場として課題が多いと感じています。

以前から課題だと思うのですが、アクセス解析のアナリスト広告のプランナーは分析の視点とゴールが微妙にズレていることが多いため、広告のリプランに繋がるようなアクセス解析レポートを出力することに苦労することがあります。

オーディエンスターゲティングを引き合いに出すまでもなく、キャンペーン自体を目的としたターゲットがいますので、どういう人に対して、どういうタイミングでどんな広告を出せばいいのか、そういったことが読み取れるレポートを出すことが大事だと思っています。そうすることで、どこで態度変容して、どのようにコンバージョンに至ったがわかり、次に繋がります。

アクセス解析のアナリストはウェブサイト内の動向にフォーカスした分析をすることが多いですし、広告マンは分析が必ずしも得意ではありません。「アトリビューション」という言葉が出てきたことによって、この2つをようやく繋げることができる環境が整ってきたと思いますし、お互いにどうすればいいか、議論できるフレームワークができてきたと考えています。




オリジナルなものを提供しつづけたい。


今後のアドテクノロジーの分野の展望をお聞かせ下さい。

あくまで個人的な意見ですが、DSPの使われ方が大きく二手に分かれていくのではないかと考えています。

一つは、最終コンバージョンをコミットするような、CPA重視のタイプ。コンバージョン課金のようなタイプで出てくると思います。ここになると、アフィリエイトに近いやり方ですね。一部のトレーディングデスクもそういった動きを取ることになるでしょう。

もう一つは、CPAだけではなく、広告を横断的に分析していき、効果を正しく評価していくモデルです。cciはどちらかといえば後者を志向していますし、コンサルティングを強化していくことで、アトリビューションを含めてユーザーの行動を分析し、アクションにつながる広告を出していけるような方向へ進んでいくと考えています。

先ほどお話しした、データのオープン化に期待する理由も、その一つです。ビッグデータ時代だと世間では騒がれていますが、オーディエンスデータで利益を上げている事業者はまだまだ少ないですし、データの整備や供給にコストをかけすぎると配信も含めたトータルコストで割に合わないのではというもっともらしい意見もあります。

それは、評価指標そのものが間違っているのではないかと個人的には思っています。どのオーディエンスがいいのか、態度変容に影響を与えた広告はどれなのか、マルチにとっていくことで適切な評価をすることが当たり前になる文化を目指していきたいですね。



そのなかで、織田さん個人はどのような役割を果たしていきたいと考えていらっしゃいますか?

オーディエンスデータの設計やメディア様とのコネクションなどは他にないメディアレップならではの強みですので、適切なデータセグメントに対して適切な広告を出し、その結果をメディア各社へフィードバックすることで、新しい広告枠やターゲット手法が生まれていく、そのような関係者すべてにメリットがあるようなオリジナルの広告商品を作っていきたいと考えています。

最適解は、おそらく100社あれば100通りあるのだと思います。それぞれの企業様ごとの勝ちパターンを、オーディエンス目線とメディアの目線、両方の視点から作っていきたいです。オーダーメイドのアドテクノロジーですね。



最後にこれは言っておきたい!ということがあればぜひ。

最終コンバージョンしか見ないような広告評価だけではつまらないので、第三者配信やアトリビューションの概念がもっと浸透してほしいと思っています。

また、クロスメディア、オフラインとオンラインの相関など、全体の価値を俯瞰できるようなキャンペーンにもっともっと取り組んでいき、会社としても個人としてもトップランナーとして進んでいきたいと思っています。



サイバー・コミュニケーションズ (cci)
http://www.cci.co.jp/ 



2013年5月7日火曜日

LUMA Partners の創設者が、カオスマップ(LUMAscape)を発表した理由



カオスマップとLUMA Partners

アドテクノロジーの文脈でこれまでに数多くの言及がされており、インターネット広告や広告技術に少しでも関わったことがある方ならば誰でも見たことがあるのが「カオスマップ」です。

「カオスマップ」は、2010年に LUMA Partners が作成した業界地図「LUMAscape」のうちの一つで、ディスプレイ広告の業界地図を表したものです。他にもソーシャルや検索、Eコマースなどいくつも LUMAscape があるのですが、ディスプレイ広告のスライドがその複雑さゆえに話題になり、LUMAscape といえばほぼディスプレイ広告のカオスマップのことを指すほど有名になりました。

※ちなみに、この LUMAscape についてはスケールアウトの菅原さんが MarkeZine に寄稿した解説記事「ディスプレイ広告領域のカオスマップ、きちんと読めますか?」が数あるカオスマップ系記事の中でも白眉ですので、未読の方はぜひご一読下さい。


一方で、LUMAscape のディスプレイカオスマップ(Display LUMAscape)のことは知っていても、このスライドを作成した LUMA Partners がどんな会社で、何を意図してこのスライドを作成したのか、知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。

そこで、今回はデジタル広告オペレーションについて常に良記事を送り出しているメディアAdMonstersに2013年3月に掲載された、LUMA Partners の創設者である Kawaja氏についての解説記事 "Know Kawaja, Know LUMAscapes"(Kawaja氏を、そして LUMAscape を知る)を紹介してみたいと思います。

以下は、AdMonsters の承諾を得て同記事を抄訳したものです。Terry Kawaja氏は何者で、どのような意図でカオスマップを作ったのか、アドテクノロジーの分野で広く人口に膾炙しているカオスマップを改めて理解するための一助になれば幸いです。



Original source:
Know Kawaja, Know LUMAscapes
http://www.admonsters.com/blog/terry-kawaja-lumascapes




Kawaja氏と、LUMAscapeを知る


「ここからは徐々に落ち着いてくると思います。」と LUMA Partners の創設者であり CEO のTerry Kawaja氏は言いました。「ただし、このうち10カテゴリは、絶えず更新されていきますが。」

たくさんの企業ロゴが詰め込まれ、「DSP」「DMP」「SSP」などとカテゴライズされた概念図である LUMAscape は、ディスプレイ、検索、動画、モバイル、ソーシャルなどなど…多くのチャネルそれぞれに存在します。LUMAscape に記載された矢印は、広告がそれぞれのカテゴリをどのように経由して広告主から媒体社へ届くのかがわかるようになっています。広告主から媒体社というのは、言い換えればマーケターから消費者へ、開発者からユーザーへということです。

「単に話題になっているだけに過ぎません。」 Kawaja氏はスライドシェアの数字を見てそうコメントしました。2013年3月のある1週間で LUMAscape(ディスプレイの LUMAscape 以外も含む)は、のべ9,300回の表示もしくはダウンロードがありましたが、これは、アメリカだけの盛り上がりではなく世界的な現象です。それは、同年3月のある2日間でスライドシェアに36カ国からのアクセス(計116カ国)があることからも証明されています。また、同スライドにはこれまでに7つの書籍から掲載許可依頼が届いたほか、実に多くの白書や資料に引用されてきています。

LUMAscape は、今ではデジタルメディアの収益化の未来について議論する際にはなくてはならないものになりました。LUMAscape の設計者の一人であるAmanda Bicofsky氏は2013年4月(※)にニューヨークで行われるAdMonsterのカンファレンスで、この企業ロゴが敷き詰められた概念図の分析が、モバイルの伸長、コンテンツとコマースの結合、プログラマティックトレーディングの安定化など、昨今の業界トレンド対していかに鋭い洞察を与えるのか、キーノートとして発表する予定です。(※訳者注:元記事は2013年3月に発表されました)

一方で、LUMAscape の精巧な概念図は、多くの混乱をもまた生み出しています。この概念図は多くの参照と同時に多くの批判を連れてきます。代表的な批判の一つが、一つのプレイヤーがある一つのチャネル(カテゴリ)にそれぞれ配置されその役割のみを担っているという表現手法は、デジタルメディアの発展を実際以上に複雑に表現しているのではないか、というものです。そういった背景から、2013年の2月には、IABが自らアドテクノロジーの構成図を発表し、「デジタル広告のエコシステムが銀行家の手によって自分勝手で過剰なまでに複雑に表現されたことによって、広告主や代理店、マーケターは損害を被っている」とコメントしています。

このIABのコメントに対してKawaja氏は、「シンプルにすべての企業を記録しているだけなのに、どうして過剰に複雑化していることになるのだろう?」 と含み笑いをしながらコメントしました。

彼は続けます。「LUMAscape が完璧ではないことをあらかじめことわっておきます。我々はすべての企業をどこかのタイプに分類することも、それぞれの違いを正確に表現することもできません。あくまでこれは現状の描写でしかありません。」

LUMAscape がデジタル広告業界でどのような役割を担うのかを理解するためには、元々なぜこれが制作されたのかを理解する必要があります。LUMAscape は、細分化されたエコシステム中でそれぞれの企業がどの位置にいるのかを理解するための技術系スタートアップ向けガイダンスとして作られたのではなく、M&Aを画策する経営企画担当者向けに作られたドキュメントだということです。


ダイナミックな銀行家、Kawaja

「以前、私は思い出すだに悲惨な銀行家でした。過去50年間大きな変化が何もなかった石油や天然ガスなどのパイプライン分野に従事していたからです。本当に、当時は退屈でした。」

成熟した世界であるウォール街は、業界から業界へ渡り歩くゼネラリストはふんだんに輩出しても、Kawaja氏自身が描いていたようなアクティブな世界ではありませんでした。彼は1989年にソロモン・ブラザーズで通信系業界やメディア業界の担当を始めたときに、通信は旧態依然としたお固い業界、メディアは起業家のひしめくダイナミックな業界ということをすぐに理解しました。メディア業界は、のちに伝説となるような会社が、多くの優秀なビジネスパーソンたちによって経営されていたのです。

「メディアはとてもダイナミックな業界で、たくさんの優秀な人材がひしめいていました。そして、お固い分野よりも、動きの早い分野の方が私の性に合っていましたし、動きの早い分野では、特定の分野への深い知識こそが、銀行家として仕事をするために必要だったのです。」

メディアは確かに常に流動的に変化する業界でした。特に90年代にはメディア・放送業界の革命によってM&Aの嵐が吹き荒れました。例えば、Kawaja氏は主に16あったイギリスのケーブルテレビの統廃合や買収案件のほとんどにあたる、14の案件に関わっています。

このような大きな変革期での経験を経て、Kawaja氏は2003年にデジタルの分野に目を向けはじめました。これがのちの LUMAscape へとつながります。複雑を極めるデジタル分野のエコシステムを描写するために、誰が見ても「百聞は一見に如かず」と分かるような、現在の LUMAscape の青写真を2005年には既に描いていました。当時はまだ私的なものに過ぎませんでしたが、2009年には当時 Kawaja氏がデジタルメディア部門長を務めていたM&Aアドバイザリーグループの GCA savvian の内部で共有され、その年の10月には外部にも公開されました。

2010年5月、IAB の主催する Ad Networks and Exchanges conference のキーノートで、LUMAscape はひっそりとデビューしました。Kawaja氏は一夜にしてデジタル広告業界の道先案内人として知られることとなり、スライドシェアではこのプレゼンテーションが通算75,000回以上も表示もしくはダウンロードされています。

なお、この時点で Kawaja氏はデジタル画像の輝度を表す単位(luma)から着想を得た、LUMA Partners を設立しています。



売るのではなく、買われる

LUMA Partners のウェブサイトには、ある率直な表現の記載があります。「我々は、会社が買われる(get bought)のをお手伝いします。」

「よい企業ほど、売るのではなく、買われるものです」と Kawaja氏は言います。「売るのはかんたんです。銀行家を雇い、書類を書いて、競売に出せばいいのです。投資銀行がM&Aで使う典型的なアプローチです。」

非常に動きが早く進化し続けるデジタル技術の世界では、このような供給型のアプローチは有害となります。デジタル系企業がもっとも嫌がるのは売りに出されることです。大きな可能性を前にして会社を売らなければいけないということは、ギブアップと同義でしょう。

デジタルの進化によって、彼は投資銀行家がこの新しい分野でM&Aを行うにあたって仲買人としてどのような成長が求められるかを知りました。つまり、買収に積極的な企業への(供給型ではなく)需要型のアプローチです。

大型買収を行なった、IBM、Google、Oracle のような企業に行けば、戦略系の部署には大抵 LUMAscape が壁に貼ってあります。これこそが、LUMAscape を作成した目的です。

Kawaja氏は LUMA Partners の仲介プロセスとして3方向からのアプローチを提唱しています。最初のアプローチは、「深く潜ること」です。現在の市場のプレイヤーを知り、根底にある技術を知り、それぞれが何を欲しているか、その原理原則を知ることです。具体的には、大企業が未来のトレンドをどう捉え、どういった準備や投資をするつもりなのか、考えを及ばせることです。

次に、「デマンドサイドの内部を知ること」です。マーケターが使う広告費だけではなく、それを助ける企業の戦略について知ることです。そういった企業は何を考えているのか、次にどうしたいのかを考察することで、LUMA Partners は企業間のポテンシャルマッチングを見つけ出すことができる業界になくてはならない第三者機関へと成長しました。

最後に、LUMA Partners は「M&Aのプロセスを生業としている」ということです。「売り手は、売りに出す前に出口戦略を考えます。そして、うまくいっている独立系企業にこそ、大きな企業は興味を示すものです。」

この3つのアプローチが効果的であることの証左として、換言すれば LUMA Partners が大きなアドテク系の買収ディールにおいて中心的な役割を担っている事例として、2012年の Donovan Data Systems と MediaBank の統合や、2011年の Google の Admeld 買収、Adobe の Demdex の買収などが挙げられます。


LUMAscape を眺めてみる

LUMA Partners のアプローチを考える上で、大事なのが概念図が Strategic Buyers です。


これは、これまでのチャートとはあまり似ていません。150のデジタル業界の買収元企業がそれぞれのタイプ別に四象限(テクノロジー、ネットワーク/コマース、マーケティング、メディア)に分けられています。マーケティングとメディアはディフェンシブに分類され、業界の混乱や構造変化への対応として買収を敢行します。テクノロジーとネットワーク/コマースはオフェンシブに分類され、新しい分野に挑戦するために買収します。図の真ん中はこのチャートの中心となる企業で、Google と Microsoft がオフェンシブに、Yahoo! と AOL がディフェンシブに位置しています。

このチャートはこれまでの概念図と同様に複雑怪奇ですが、今まさに迫りつつある各企業の統廃合という特定の目的に絞って作られています。Kawaja氏の言葉を借りれば、これは「LUMAscape版モグラたたき」です。2012年と2010年の Display LUMAscape を比べてみると、53社が買収され、74社が新たにチャートに現れました。まさにモグラたたきのような忙しさです。

LUMAscape の掲載基準は 5,000万ドル(約50億円)以上の売上高が設定されています。そのことについて「LUMAscape を、みなさんが観ているような見方では私は見ることができません。」と Kawaja氏は語ります。

「すべての企業を網羅することは到底できません。この概念図は、シンプルに、エコシステムがどのように働いているかを理解するという目的が根底にあり、そのために作られています。ご理解のうえご覧いただければ幸いです。」


※本記事はAdMonstersの承諾を得て "Know Kawaja, Know LUMAscapes" を抄訳したものです。
 
 



Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...