2013年8月29日木曜日

海外の Facebook Exchange に関するデータまとめ


Facebook広告と Facebook Exchange


Facebook には通常の広告管理画面を利用して、右サイドバー・ニュースフィード内・モバイルなどに表示する広告と、Facebook 内でリターゲティング広告を表示する Facebook Exchange の2種類の広告があります。

通常のFacebook広告であれば設定方法から事例までたくさんの記事を見つけることができますが、2012年からスタートした Facebook Exchange(FBX) については、2013年に入ってから MarketOne など数社が日本国内での取扱いを始めているものの、まだまだ日本語の情報は相対的に少ないです。

そこで今回は FBX について発表されているさまざまなデータをまとめてみました。データを並べて俯瞰してみることで、少しでも FBX を理解するための一助になれば幸いです。


Facebook Exchange のインフォグラフィック

以下は、広告代理店の MDG Advertising によって作成された FBX についてのインフォグラフィックです。

FBX がどのように動くのか、ニュースフィード(News Feed)と右サイドバー(RHS)の表示方法や効果の違いなどが分かりやすくまとめられています。


参考:A Marketer's Guide to Retargeting on Facebook [INFOGRAPHIC]
http://mashable.com/2013/08/15/facebook-exchange-marketing/



インフォグラフィックの下半分は、特に興味深いデータが並んでいます。以下は、FBX を通じたニュースフィード広告についてのデータですが、右サイドバーの広告と比べると197%も ROI が高いことが証明されています。

また、FBX のニュースフィード広告は、通常のリターゲティング広告と比較して CTR が21倍あり、右サイドバーと比べるとなんと49倍もあるそうです。やるならニュースフィード広告がよい、ということになりそうです。



こちらも FBX でのニュースフィード広告のデータですが、CTR、CPA がそれぞれ通常のリターゲティングと右サイドバー広告より低く、高い CTR が結果的に CPC を低くし、効率を上げることに成功していることが分かります。




濃いオーディエンスの集まるFacebook

ボストンに拠点を持つ代理店である Nanigans の発表したデータによると、FBX でのリターゲティングでは、Facebook外のサイトから収集したリターゲティングリストと比べて、Facebook内で収集したデータを利用したリターゲティングの方が89%も売上が大きかったとのこと。

また、単独で FBX を使うよりも、通常のFacebook広告を併用した方が、39%も購買客が増加することが分かっているそうです。


参考:Why Advertisers Can’t Leverage FBX without Native Facebook Ads API Buys [Study]
http://www.nanigans.com/2013/02/15/why-advertisers-cant-leverage-fbx-alone-study/




同じようなデータが、AdRoll からも出ています。

FBX のニュースフィード広告の CPC や CPA は 右サイドバーや通常のリターゲティング広告と比べてどちらも低く、CVR 自体はやや若干劣る程度のため、総合的に見てニュースフィード広告の優位性が示されています。


参考:Facebook News Feed Ad Retargeting Metrics [CHART]
http://trends.e-strategyblog.com/2013/07/11/facebook-news-feed-ad-retargeting-metrics/12655




Facebook広告自体も昨対比で改善が見られている

一方で、AdRoll は上記のデータを出す半年前(2013年2月)には「FBX は CPC が低いが通常のリタゲに比べるとコストパフォーマンスは悪い」という以下のデータを公開しています。つまり FBX の CTR は、半年前までは「低い」という評価で、2013年の7月には「高い」という評価へ逆転したことになります。


参考:FBX has lower CPCs and CPMs but web retargeting has other benefits, AdRoll finds
http://www.insidefacebook.com/2013/02/21/fbx-has-lower-cpcs-and-cpms-but-web-retargeting-has-other-benefits-adroll-finds/



実は、この CTR の急激な上昇は、ニュースフィード広告の登場が関係しているようです。FBX はもともと RHS のみで始まりましたが、2013年の3月にニュースフィード広告が始まったときから急激に CTR が上がり、一躍 FBX の主役のフォーマットに上り詰めたことが指摘されています。


参考:AdRoll report of FBX News Feed ads: 49x greater CTR, 54 percent lower CPC than sidebar retargeting
http://www.insidefacebook.com/2013/07/02/adroll-news-feed-fbx-report/



CTR の逆転現象は、他のデータでも証明されています。

Marin Software が2012年と2013年の第一四半期(1−3月)を比較したレポートによると、Facebook広告のクリック数は前年同期比で40%増、CTR は100%増(2倍)に急騰、CPC は38%の減少となった模様です。記事では、まさにオンラインマーケターの夢が叶ったかのような数値だと評しています。クリック数が増え CTR が増加した理由として、ニュースフィードの登場に代表される広告の関連性の向上が考えられるとのこと。ここ数ヶ月の間に起きた変化によって、CTR においても FBX 、特にニュースフィード広告に優位性があるのは間違いなさそうです。


参考:Are Facebook Ads Performing?
http://www.adotas.com/2013/05/are-facebook-ads-performing/



ちなみに、AdRoll は、通常のリターゲティングと FBX ではデータの重複が 8.3% しか認められないとしており、併用することによってカニバらずに売上が上がるだろうと発表しています。これは、上述した Nanigans のデータとも平仄が合うことになります。




以上、取り急ぎ FBX について報告されたデータを分かる範囲でまとめてみました。こんなデータもあるよ!というのがあれば、ぜひFacebookページなどで教えてくださると嬉しいです! 



2013年8月26日月曜日

インプレッションシェアは改善すべきなのか?


インプレッションシェアをめぐる言説

リスティング広告の運用者で「何でインプレッションシェアが100%にならないの?」「どうやったらインプレッションシェアが上がるの?」と質問されたことがある方は意外と多いのではないでしょうか。


2012年の11月よりディスプレイネットワークや時間帯別のインプレッションシェアが確認できるようになり、先月(2013年7月)にはキーワードレベルでのインプレッションシェアも確認できるようになって、項目が増えたぶん意味的には随分と分かりやすくなりましたが、それまではとかくインプレッションシェアというと誤解を招きやすい項目の一つでした。

インプレッションシェアを100%にすることが目的になったり、なぜ低いのか理由を求められて冷や汗をかいた経験がある人もいると思います。そこで今回はインプレッションシェアという分かりにくいレポートについて少しだけ考えてみたいと思います。


インプレッションシェアとは何か

インプレッションシェアについて、AdWords の日本語のヘルプには以下のように記載されています。

インプレッション シェアのトラッキング - AdWords ヘルプ
https://support.google.com/adwords/answer/2497703?hl=ja
"インプレッション シェア(IS)は、表示される可能性があった回数(推定値)で実際の表示回数を割った割合です。表示可能かどうかは、現在の広告の掲載対象設定、承認ステータス、入札単価、品質スコアによって決まります。このデータは、キャンペーン、広告グループ、キーワードのレベルで確認できます。"

"インプレッション シェアの意味を理解するには、オンライン広告の市場を 1 個のおいしそうなパイに例えるとわかりやすいでしょう。お客様と競争相手は、そのパイの一番大きな一切れを食べようとねらっています。インプレッション シェア データをトラッキングすることで、自分の一切れがパイ全体に比べてどのくらいの大きさかがわかります。"

このパイの比喩を使わせてもらえば、つまりインプレッションシェアとは、掴もうとするパイの大きさと、実際に掴んだパイの大きさの差を表すものだといえます。

実際に掴んだパイの大きさ(インプレッション)はアカウントで確認できますが、掴もうとしたパイの大きさはどのように考えればよいのでしょうか。以下がインプレッションシェアについての考え方をかんたんな図にしたものです。

参考: Measuring & Improving Lost Impression Share


一番大きな薄いピンク色の円は、業界やマーケット全体のインプレッションです。その中にある円が実際に設定したキーワード等によって表示機会の可能性があるインプレッションで、最後の赤い小さな円が実際に真ん中の円から獲得できるインプレッションシェアになります。

ここで勘違いしがちなのが、一番大きな円と、真ん中の円を混同してしまうことです。真ん中の円(設定したターゲットにとって適切なインプレッション)は、アカウントに設定したキーワードやターゲティングの設定、品質スコアや入札単価、マッチタイプやステータスなど様々な要因によって大きくなったり小さくなったりします。

アカウントに意味の広い大きなキーワードをたくさん入れれば一番大きな円と真ん中の円の大きさは近くなっていきますが、それはアカウントの最適化とは必ずしも一致する行為ではありません(むしろ逆効果なことが大半です)。おそらくインプレッションシェアも少なくなっていきます。

そのため、「インプレッションシェアを100%にしろ」ということは、「真ん中の円を狭めよ(キーワードを限定的にせよ)」もしくは「自社と直接関係ないインプレッションでもどんどん出るように高いCPCと予算を投下せよ」という意味になり、多くの場合最適化とは逆行した行為になってしまいます。

検索連動型広告にせよディスプレイネットワークにせよ、ユーザーが欲しくなるタイミングに適切に広告を出すことが大事ですから、その基本が考慮されずに闇雲にインプレッションシェアを上げようとする行為は予算のムダ使いになってしまう可能性が高いでしょう。インプレッションシェアという数字が意味を持つのには、アカウントの中身がその企業にとって適切なレベルに収まっていることが最低条件だと言っても過言ではありません。


インプレッションシェアを確認する2つのポイント

ではインプレッションシェアを確認する意味はないのでしょうか。

しっかりした構成のアカウントで適切な運用がされていれば、インプレッションシェアを参考にする場面はあまり多くないかもしれません。ですが、以下の2点についてはインプレッションシェアレポートがたいへん重宝されます。

1. 完全一致のインプレッションシェアを調べる場合
完全一致のインプレッションシェアは、設定したキーワードに対して完全に一致する検索クエリで発生した実際の表示回数を、同じく完全一致で表示される可能性があった回数で割った割合です。インプレッションシェアはキーワードのマッチタイプによって当然異なりますが、「完全一致のインプレッションシェア」を参考にすれば、調べたい特定の検索クエリだけで獲得可能な表示回数の実際のシェアを把握することができます。

これにオークション分析レポートを合わせると、実際の競合がどのドメインで、上位掲載率がどれくらいかを把握できるので、ビッグワードやブランドワードに寄りがちなアカウントでは非常に大切な機能となると思います。


2. インプレッション シェア損失率(予算)を調べる場合
もう一つは、予算が原因で広告が表示されなかった割合を調べる場合です。AdWords ではキャンペーンに設定してあるキーワード等のポテンシャルに対して予算が足りない状況が恒常的に続くと、「予算による制限(Limited by budget)」という表示がキャンペーン一覧の画面に表示されますが、ほんの少し足りなかったり、一時的に足りないだけの状況だと、この表示は出てきません。

そのため、予算内の運用がシビアなアカウントであったり、少ない予算でキャンペーンをたくさん切り分けているようなアカウントの場合は、効果のよいキャンペーンのインプレッションシェア損失率(予算)を調べることで、機会損失を最小限に抑えることができます。


インプレッションシェアは改善すべきか

インプレッションシェアを改善するべきかどうかはケースバイケースです。予算が限られているアカウントや、重要なキャンペーンやキーワードが明確なアカウントほど、インプレッションシェアレポートが活躍する場面があると思いますが、ただ単に予算とCPCの引き上げでインプレッションシェアを上げようとする行為は、最適化というよりは絨毯爆撃のようなやり方になってしまうことが多く、関連性を無視してオークションで孤立することになります。

同様に、アカウントの中身の見直しをせず、手許に1,000円しかないのに3,000円のパイを欲しがったり、お店にある全種類のパイを欲しがるような真似をしても仕方がありません。

インプレッションシェアを改善の目標とするのではなく、数字の意味を正しく理解し、踊らされないようにちょうどよい距離感を保って利用することが、このレポートを扱う上で大事なことなのかもしれません。



2013年8月22日木曜日

PLA(商品リスト広告)と検索連動型広告はカニバるのか?



伸び続ける商品リスト広告(PLA)

以前から何度かご紹介していますが、Google の商品リスト広告(PLA)はすごい勢いで伸びています。

ショッピングデータフィードサービスを行う CPC Strategy の調査によると、2013年1−3月期では、Shopping.com や Amazon Product Ads などのショッピング検索エンジンは PLA の約半分ほどのトラフィックを誇っていたものの、2013年4−6月期では、いずれも PLA の3分の1以下にまで落ち込んでいるとのことです。

これは、他が凋落してきたのではなく、PLA の伸びが他を圧倒しているからだと言えます。他の検索エンジンがまったく追いつけないスピードで成長しているようです。

リンク:
Report: Google PLAs Dominate CSE Channel Like Never Before [CPC Strategy]



検索連動型広告と PLA はカニバるのか?

これだけ PLA が伸びてくると、検索連動型広告(PPC)とカニバってしまうのでは?という懸念がムクムクと浮かび上がってきます。

PPC でも以前から、常に特定のキーワードでオーガニックが1位のサイトが「PPC で同キーワードに入札する意味はあるのか?(広告を止めたらオーガニック経由のトラフィックが増えるのでは?)」といった、効果のカニバリゼーション(共食い)についてよく議論になったものでした。

PPC とオーガニックの関係は、品質スコアの説明でも有名な Hal Varian のチームが400以上の事例を元に「Search Ads Pause Studies」として研究結果を2011年7月に発表しており、PPCとオーガニックはほとんど共食いしないことが証明されています。つまり検索連動型広告をやめればオーガニック経由のトラフィックが増えるということでは残念ながらなく、それぞれ純増/純減の関係にあるということです。

参考:
Studies Show Search Ads Drive 89% Incremental Traffic


では、PLA に関してはどうでしょうか。

PLA は、商品の画像、名称、価格、企業名などの商品情報が Google の検索結果に掲載される広告です。Google の検索結果画面上という意味では検索連動型広告と表示面積を取り合う仲で、オーガニックとは違って必ず掲載結果の above the fold (ファーストビュー)にあります。広告表示のためのオークションは通常のAdWords とは区別されているものの、検索結果の一等地同士なので、カニバリゼーションが起きていてもおかしくなさそうです。

そこで、少し前の記事ですが、実際にカニバっているのかどうか調べてみた記事が Search Engine Land に載っていたのでご紹介したいと思います。

参考:
PLAs: Cannibals? Allies? Or Both?


オンラインエージェンシーの RKG の共同創業者である George Michie は、500社の自社のEコマースの顧客のデータを調査し、通常の検索連動型広告(Text ads)と商品リスト広告(PLA)のCTRを比較して、「ちょっとカニバってると思う」と結論づけています。

検証の流れとしては、まず、Text ads と PLA の CTR の推移に大幅な違いがあることからはじまります。下の図では、PLA が本格化した2012年以降 PLA の CTR は大幅に上昇している一方で、Text Ads の CTR はそれに反比例するかのように微減傾向にあることが示されています。


その Text Ads の CTR を、1位〜3.9位と4位以下でプロットしなおしてみたのが以下の図です。上位掲載では CTR の減少幅が大きく、下位ではあまり変動がないことが分かります。PLA の掲載は常に Above the fold だと考えると、Text Ads の上位ほどカニバリが発生している可能性が考えられます。


続いて、昨年同月比での図に直してみると、PLA の伸びがはじまった2012年1月以降から、Text Ads の CTR の減少が続いていることが分かります。


同じ表を Text Ads だけでプロットし直してみても、上位の広告ほど減少幅が大きいことが分かります。

これらの結果を元に、George は「カニバリゼーションは起きている」としています。 PLA が伸びるほど、Text Ads の効率は悪くなるということです。

一方で、この記事では、一般的に考えられるほどカニバリゼーションは悪ではなく、あるチャネルが他のチャネルを100%飲み込んでしまうような事象というよりは、以下の図のようにそれぞれの一部がオーバーラップしているに過ぎないので、カニバリゼーションの回避に重きを置き過ぎると正しい判断ができなくなると警告しています。


確かに、PLA が実際に表示されるクエリはコマーシャルクエリに限りますし、PLA が表示されないEC以外の業界ではカニバリゼーションは起きません。カニバリが起きるからといって PLA を辞めてしまっては、機械損失が拡大するため本末転倒になってしまうでしょう。

EC以外の業界でも、ナレッジグラフやユニバーサルサーチの影響によって検索結果は常に変化しています。自社にとって有利不利を考えるのではなく、ユーザーにとってどうすれば利便性が高まるかを考える方が、PPC にせよ PLA にせよ、建設的な改善に向かうのではないかと思います。

変化が常套化するプロダクトフィード広告

一方で、2013年8月現在、北米では以下のキャプチャのような、矢印を押すとオーガニックがまったく見えなくなるほど PLA がエクスパンドするテストが行われているため、これが本格的に実装されると、さらにEコマースの PLA 依存が高まってくるのではないかと懸念されています。これはたしかにすごい。

参考:
Google Tests 16 Product Listing Ads On SERP: What Online Merchants Should Do - CPC Strategy


エクスパンド後のイメージ

予算規模の小さなEコマースでは既に PLA がアカウント全体の半分以上の予算を占めているケースも出てくるなど、商品データの広告利用は重要さを増していく反面、それだけに依存しないプランBを考えておくことが中小のEコマース担当者には求められてくるでしょう。

前回のポストでも思いましたが、PLA はまだ利用が本格化して2年足らずにも関わらず、急速に発展を遂げ、仕様変更等のスピードが非常に早いことからも、今後も大きな仕様変更を繰り返しながら成長が続いていくと考えられます。

ダイナミックリマーケティングや Criteo の登場も追い風となって、商品データが広告に結びついていく環境はもはや普通になりました。とはいえまだまだ費用対効果が比較的計算しやすい広告のため、ショップのサイズに関わらずトライして損はないでしょう。

引き続きプロダクトフィード関連の話題は随時ウォッチしながら、しつこく紹介していきたいと思います!



2013年8月19日月曜日

インターネット広告市場の成長をまとめたインフォグラフィック


インターネット広告の成長は周知の事実ですが、その事実をまとめて表したデータを見つけることは案外難しいものです。

先日、SEOを中心としたデジタルエージェンシーである advice interactive group が、インターネットの成長という観点で、Neilsen や eMarketer などの調査機関のデータをまとめたインフォグラフィックを発表しました。広告費の市場規模からチャネルごとの潜在人口、ソーシャルやモバイルの成長性に言及した、非常に簡潔でわかりやすい資料だったのでご紹介します。

Please include attribution to http://www.adviceinteractivegroup.com/ with this graphic.

Why You Can



インフォグラフィック内の内容はどれも見たことがあるような数値ですが、まとまっているのは非常に有用です。インフォグラフィックの最初にある媒体ごとのシェアでは、北米のインターネット広告は2012年に全体の18%のシェアとなり、2015年には23.4%にまで成長すると試算されています。

日本の2012年が14.7%(電通調べ)だと考えると、単純計算で2017年頃には同様のシェアに達すると予想できます。



また、最後にある「今後の広告費が増加するか/減少するか」という問いには、モバイル、ソーシャル、動画の3つが今後の成長領域とされています。2年前に紹介したインフォグラフィックでもモバイルの勢いは強調されていましたが、YouTubeでもモバイルの動画視聴が伸びており、ソーシャルと並んで、今後楽しみな成長領域です。



ちなみにこの資料は、インフォグラフィックの専門家に頼んだのではなく、advice のインターンである Michelle Do さんが作成したそうです。素晴らしいアウトプットですね!



2013年8月7日水曜日

Google卒業生が解説するアドワーズの品質スコアのすべて



ブラックボックスな品質スコア

2005年に、それまでのキーワードステータスから品質スコアのシステムへ変更されて以降、品質スコアはAdWordsを語る上で(良くも悪くも)常に主役にいたように思います。


2009年に Google のチーフエコノミストであるHal Varian 氏が 品質スコアについて解説をしたことで、様々な俗説は一旦落ち着いたように思われましたが、先日(2013年7月末)に発表された品質スコアの表示変更でも、「品質スコアが変わった!」という問い合わせが多かったのか、ブログで再度説明がされるなど、リスティング広告に関わる人にとって、品質スコアは今でも最も敏感になるトピックの一つのようです。


Hal Varian氏の 品質スコアについての解説動画


Google卒業生が解説する品質スコア

品質スコアについて気になるのは日本だけではなく、アメリカでも同様です。

先月(2013年7月)、元Googler の Frederick Vallaeys氏が Search Engine Land に投稿した品質スコアを詳細に解説した記事は大きな注目を集めました。品質スコアが導入された背景から実際の最適化のヒントまで丁寧に語られており日本のリスティング従事者にも有益な記事でしたので、著者である Frederick と Search Engine Land の了承を得て、翻訳版を掲載します。


元記事:
Quality Score Explained By A Former Googler
http://searchengineland.com/quality-score-explained-by-a-former-googler-166007


※ 以下はSearch Engine Land の承諾を得て上記の記事を日本語に翻訳したものです。
※ Following is reprinted with permission of Search Engine Land.


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品質スコアの進化

品質スコアの歴史について興味がない人でも、品質スコアがそもそもなぜ存在するのかや、Google が何に注目しているかには関心を持っていると思います。

私が Google で働き始めた2002年頃は、品質スコアはまだ存在していませんでした。しかし、当時の Google が他のリスティング広告システムと比べて際立っていた理由は、広告を見るに値するかを判断する手法にありました。審査チームがすべての広告をマニュアルで確認していた上、システムがキーワードのクリック率 (CTR) をすべてのキーワードにおいて監視していました。CTR が0.5%を下回った場合は、そのキーワードは関連性が低いと見なされ無効にされていました。Google は"集団の叡智"を利用してユーザーにどの広告を見せるか判断させていたのです。

一方で、広告主が自身の設定したキーワードが無効にされてしまうことに不満を抱いていたので、一定の CTR を基準にキーワードを無効にするという仕組みは問題を抱えていました (もちろん、同じキーワードを大文字にした上で再登録することにより回避するという裏ワザを知っていたら話は別でしたが) 。ですので、我々はシステムを進化させることにしました。キーワードを無効にする代わりに “slowed”、 “in trial” 、そして “on hold” といったような新しいステータスを考案したのです。

これは、質が悪いとされる広告の掲載期間を少しだけ設けることで、広告主に関連性の低いキーワードを修正をする機会を与えることが目的でした。さらに、0.5%の CTR という基準を撤廃し、システムの柔軟性を高めました。しかし、それでも広告主が本当に使いたいキーワードは無効になってしまうことがあり、彼らを満足させることはなかなか難しい状況が続きました。

Google はこの問題を解決すべく、最小入札単価を導入しました。単純にキーワードを無効にする代わりに、関連性の低いキーワードに対して高い単価を支払うよう広告主に要求したのです。これにより、広告主はキーワードのクリック単価 (CPC) に対して高い単価を支払う意味がなくなり、関連性を高めるために最適化するかキーワードを削除するかを選ぶようになったのです。

現在のシステムでは、最小入札単価は First Page Bid と一体化されています。広告主が支払う価格と品質スコアの直接の関係を把握するのが少し難しくなっていますが、その関係は確かに存在します。

下記は品質スコアトラッキングツールを使い、平均CPCと品質スコアがどう関係しているかを示した例です。この関係性は、品質スコアが CPC に与える影響について書いた最近の記事でも取り上げています。

品質スコアが上がるにつれて、キャンペーンの平均CPCは下がるという図


品質スコアが広告ランクに与える影響

Google が AdWords Select を開始して、CPM基準の料金体系からCPC基準の料金体系に移り始めた頃はCPMプログラム (当時はこれが AdWords と呼ばれていました) の売上げなしにやっていくほどの余裕はありませんでした。当時 Google は小さな会社であり、Yahoo!/Overture は非常に手強い競合でした。そこで、売上の最大化を実現するため、次の簡単な式をもとにCPCプログラムの広告をランク付けしました。

広告ランク = 上限CPC × CTR

これに少し注目してみると、広告ランクはCPM、つまりインプレッション単価であることがすぐにわかります。この式は単純ですが、AdWords というプログラムに力を与える素晴らしい考え方だったのです。広告主は広告がクリックされた時だけに支払いをし、CTRの高い広告が検索結果の上位に来るようになったため、ユーザーにはより関連性の高い広告が表示されるようになりました。結果として、Google はこれらの広告により最大限の収益を上げたのです。

現在では広告ランクの式は非常に複雑になっていて、ページのトップに表示されるための閾値やランディングページの要素なども考慮されています。しかし、本質的には上述の原理が適用されます。Google がより関連性の高い広告を表示すれば、広告主は多くのクリックを得ることができ、ユーザーを満足させ、収益を上げることができます。これを達成するために重要となる要素が CTR なのです。

品質スコアにとって CTR が重要であることは、SEO にとってTF-IDFが重要であることに少し似ています。有料、無料に限らず検索のランキングは無数の要素によって定められていますが、これらの長年存在してきた原理はいまだに重要度が高いのです。80対20の法則で言うとこれが80%の要素であり、最初に注目するべきものです。


品質スコアの要素

CTR が品質スコアの主な判断材料となっていることを説明しましたが、Google が CTR についてどう考えているかを知っておくのも大事です。自分のアカウントで確認できる CTR に影響するものは、デバイス、ネットワーク、またはページ上での広告の位置など、様々です。ということは、自分のアカウントで確認できる平均CTRは、Google が品質スコアを設定するために使う CTR とは別物なのです。

広告主にとって公平な場を提供するため、Google は CTR をさらに細かく分類して評価しています。

例えば、CTR をデバイスの種類によって分けて確認し、モバイルの実績が PC の実績の妨げにならないようにしています。また、ディスプレイネットワークと検索の CTR を分けています。通常はディスプレイの CTR の方が極めて低いので、それによって検索における品質スコアが影響されないようにするためです。

また、Google はアカウント内にあるキーワードが検索クエリと一致した場合、CTR を優先して見るようにしています (これをキーワードマッチタイプの「完全一致」と間違えないよう気をつけて下さい) 。また、ページ上の広告数や広告の位置をもとに CTR を正規化しています。

Google は新しいアカウント、新しいキーワード、そして新しい広告に至っては、CTR のデータ量が統計的に有意になるまで推測しながら動き、下記の図が示すようにCTRを段階分けしています。

GoogleがCTRを評価し品質スコアを判断するためには様々な段階が存在する

見ての通り、CTR の評価はアカウント、キーワード、そして広告の3段階に分かれています。これらの要素がすべて秘密の式に組み込まれ、キーワードレベルの品質スコアとそれをアカウント内で表す1から10までの数字が求められるのです。


新しいキーワードの品質スコアがどう設定されているか

キーワードがアカウントで新しく追加された際、そのキーワードと広告テキスト (上の図の3) は過去の実績がないので、品質スコアは主にそのキーワードを設定している全てのアカウント、つまりシステム全体のデータが基準となります。それが、特定のアカウントにおける過去の広告実績データと融合されます。これらの要素の品質スコアが良ければ、新しいキーワードの品質スコアも初めから良い数字である可能性が高いのです。

仮に、ユーザーが2つアカウントを持っていたとすると、アカウントレベルの品質スコアが高い方は最低入札価格が低く表示されるはずです。ドメインを2つ所有していれば、品質スコアが高い方のドメインを使うと同じ結果になるはずです。

キーワードごとの広告の実績などといった詳細なデータをシステムが取得した後は、この情報をもとに品質スコアが定められるようになります。これが、優れたアカウント構成と、広告グループを関連性の高いキーワード同士で分けて効果のある広告テキストを作れるようにすることが重要な理由です。


他に関係する要素

Google のチーフエコノミストを務める Hal Varian氏によれば、品質スコアはCTR の他に「関連性」を考慮すると言います。しかし、それはどういうことでしょうか?これを一番わかりやすく理解する方法は再び CTR を基準に考えることですが、つまりは CTR を使って1から10までの品質スコアを出力する代わりに、ユーザーが検索をした時点でその検索内容と広告の関連性を判断して CTR を予測するということです (Google の品質スコアは CTR を個々の広告とクエリにより予測するシステムです) 。詳しくは以下の例をご覧ください。

1. ユーザーの検索に他の単語も混ざっていたか。そして、それは自分の広告がクリックされる確率を高めるものであるか。例)job (仕事) に関するウェブサイトを持っていて [jobs] というキーワードをもとに広告を出したいのであれば、誰かが “Steve Jobs” と検索してもその広告は恐らく関連性が低い。

2. ユーザーがいる場所は予測CTRと関連性があるか。例)アメリカで事業をしていて、検索者がベルギーにいたとすれば、その人がわざわざ遠くにある事業が出している広告をクリックする確率は低い。

3. 時間や日にちが予測CTRを影響することはあるのか。例)Google は特定の広告が火曜日にクリックされにくいという情報を持っている可能性がある。

このような要素は Google がリアルタイムで品質スコアを割り当てることを可能にし、特定のクエリに対して適切な広告ランクを設定することができます。この他にも「関連している要素」はたくさんあるかもしれませんが、そのすべては Google が特定のクエリに対して持っている情報を使って、広告がクリックされる可能性を予測するという原理に基づいていることは知っておいて下さい。

これらの要素の透明性が低いのはもどかしいかもしれませんが、関連性という部分は広告主に自動的に良いクリックを与え、悪いクリックを排除する手助けをしてきました。


ランディングページの品質スコア

ランディングページは品質スコアを判断する要素としては最も新しいものの1つです。ランディングページの質 (LPQ) はユーザーを騙して広告をクリックさせる悪質なサイトに対応するために導入されました。このようなサイトの CTR は高いですが、ユーザーエクスペリエンスは低いです。今では LPQ で品質スコアを上げることが可能になったため、広告主はこれに一層注目するようになりました (恐らく必要以上に) 。

広告の CTR は品質スコアの要素としては LPQ より重要で、広告主が最適化に努めるべきところです。1つのキーワードにつき1つのランディングページを作り、ページにキーワードを表示させることにより LPQ のスコアを上げようとする広告主がいるという話を時々聞きます。これはおそらくやり過ぎです。Google は言葉の関連性を理解することに長けているので、すべてのパターンをページに含む必要はありません。

私が個人的にお勧めするのは、直帰率と滞在時間に注目することです。これは、Analytics を利用すれば AdWords で直接確認できるようになります。高い直帰率や短い滞在時間は、ユーザーにとって関連性の低いキーワードを探し出す手がかりになります。


アカウントを正しく最適化する

品質スコアの最適化とはつまり CTR の最適化であるということは、もうお気づきかもしれません。問題は、適切な CTR で最適化ができているかどうかです。例えば、Google は特定の CTR がどのように品質スコアを影響するかを判断するのに順位の正規化を行うため、Google のプレミアムポジションに表示されている15%の CTR の広告は、検索結果の右側の最後に位置する3%の CTR の広告より劣っているかもしれません。

さらに、どのキーワードや、どの広告グループが最も最適化を必要としているかを判断するために、インプレッションで重み付けされた品質スコアも確認しておくべきです。AdWords Scripts で計算を自動化するスクリプトをシェアしておきましたので参考にしてみて下さい。

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以上です。いかがだったでしょうか。

私自身も仕事で品質スコアについて触れるときには説明に苦労することが多いですが、個人的に、地味に一番伝えるのが難しいなと思っているキーワードの「マッチタイプ」と、検索クエリとの「キーワードマッチ」の違いが明確に説明されていたので、非常に納得感を持って読めました。

品質スコアがなぜ登場するに至ったかに思いを巡らせると、アカウント設計や最適化を行うための基本的な考え方を改めて確認できると思います。少しでもご参考になれば幸いです!


2015年8月2日更新:
2015年7月29日の更新によって、品質スコアの表示に関する記述が現在と違っていますのでご注意下さい。
Starting today, we will be updating how we report 1-10 Quality Scores for keywords (Google+)



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