2013年9月18日水曜日

IABが広告運用者向けの認定プログラムを開始


IAB(Interactive Advertising Bureau) が、2012年6月にスタートしたデジタル分野の営業担当者向けの認定プログラムに続き、広告運用者向けのプログラム「IAB Digital Ad Operations Certification」を2013年10月からスタートすることを発表しました。


Digital Ad Operations Certification
http://www.iab.net/certification/adops/overview



上記のページの冒頭には、以下のようにこのプログラムのねらいが記載されています。

"Digital media is always evolving. The skill set required for Advertising Operations professionals needs to move with these changes. With the proliferation of more and more platforms and channels, ad units and formats, metrics and tools, standardized knowledge is absolutely necessary to perform on the job."

デジタルメディアは常に発展しています。広告運用のプロフェッショナルに求められるスキルは常に変化し、多岐に渡ります。運用業務でパフォーマンスを出すためには、プラットフォームやチャネルの乱立、広告枠やフォーマットの増加、指標やツール、知識の標準化に常にキャッチアップが必要です。

"Now more than ever, Digital Advertising Operations Professionals need to work intelligently in order to make campaigns run efficiently. IAB Digital Ad Operations Certification proves you and your team understand the latest practices, tools and terminology required to succeed in the marketplace."

以前にも増して、広告運用のプロフェッショナルにはキャンペーンで効果を出すために知性が求められています。IABの広告運用試験は、運用者や運用チームが、今日のマーケットプレイスで成功を収めるために必要なツールや専門用語、実践方法などを習得していることを証明するものです。

この試験は広告代理店、パブリッシャー、トレーディングデスク、アドエクスチェンジやDSP/SSP、ブランド広告主などで広告運用に2年以上携わっている人を対象として設計されており、IABの会員は500ドル、非会員は750ドルに加えて諸費用がかかるようです。前回の広告営業向けの試験が350ドル(会員向け)だったことを考えると、試験の制作にかなり手間をかけたことが伺えますね。


試験範囲や概要もPDFで公開されています。

Candidate Handbook(受験者用ハンドブック)
http://www.iab.net/media/file/DAOCCandidateHandbook.pdf

Examination Blueprint(試験の概要)
http://www.iab.net/media/file/DAOC%20Exam%20Blueprint%20FINAL%2008%2022%2013.pdf


試験の概要には、カテゴリ別に必要な知識や試験範囲、用語集的なものも網羅されており、親切なつくりになっています。



2013年は「運用型広告」という便利な言葉も徐々に浸透し、広告の運用についての重要性が再認識された年になるかもしれません。アドテクノロジーの普及によって、デジタル領域、特に広告についてはここ数年で加速度的に複雑になっており、それに伴って広告運用担当者がカバーしなければいけない範囲もますます広がってきています。

このような認定プログラムは、職掌の専門性を証明するという意味でも、非常に意義ぶかいと思います。以前の営業向け試験と同様、1年ごとに更新が必要なようですので、資格の有用性も担保されています。

プラットフォームが増え、SEMやRTBへの投資が増え続けるなかで、その最前線を担う運用者向けのプログラム、ぜひトライされてはいかがでしょうか!金額を考えると、個人では少し高いですが。。。



2013年9月4日水曜日

ローカル(地域)広告の成長は、モバイルが追い風に


2012年2月に 「モバイルの地域検索とローカルビジネス」というポストでモバイルネットワークのxAdが発表したローカル検索(地域検索)とモバイルの親和性についてのレポートを紹介しましたが、あれから1年半が経ち、以前よりさらにローカル検索におけるモバイルデバイスの重要性が鮮明になってきましたので、他のレポートも参考に情報をアップデートしてみたいと思います。


伸び続けるローカル✕モバイル

モバイルコマースの影響力の増大は既に周知のところです。以下のxAdのデータでも、北米では2013年はモバイルコマースがEコマース全体の15%に達し、そのまま堅調に推移して2017年には25%まで増えると予測しています。以前はモバイルコマースについては日本が突出していると言われていましたが、現在のモバイル先進国では傾向の違いはそれほどないのかもしれません。



モバイルと地域情報の親和性が高いのは万国共通です。ヨーロッパでは、2012年にはモバイル広告全体の8%だった位置情報ベースの広告は2017年には19%まで達し、モバイル広告自体も6倍以上に成長すると見込まれています。



Local Search Association と comScore が行なった共同調査によると、Google Map や Craigslist といったいわゆる地域コンテンツは、インターネット全体よりもモバイルの方が伸びが大きいという調査結果を出しており、2012年の1年間で約4倍まで伸びたと報告しています。スマートフォンの普及率の拡大が追い風になっていると考えられますね。

参考: Local Search via Non-PC Devices Quadrupled in 2012 [Study]
http://searchenginewatch.com/article/2266201/Local-Search-via-Non-PC-Devices-Quadrupled-in-2012-Study




ローカル広告に参入を進めるGoogle

こういったデータからも読み取れるように、モバイル✕ローカルは次のフロンティアとして注目されており、各社がこぞって参入/拡大を進めています。

検索の巨人である Google は 今年(2013年)の6月にカーナビアプリを提供するイスラエルの Waze を買収し、Waze の機能をGoogle Map に統合を進めています。日本のようにカーナビが普及していない欧米では、移動する端末であるモバイルとGoogle Map のアプリの併用は非常に高い需要があり、Waze の持つ現在位置に合わせて情報を表示する技術はモバイルのマネタイズに大きな貢献をすると考えられます。

参考: Waze Joins Google! | Waze Blog
http://www.waze.com/blog/waze-joins-google/

実際、以下の xAd の調査では、最もモバイル利用の多いジャンルとして、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアを挙げており、車での移動とモバイルの親和性が高いことが指摘されています。


Waze の買収に代表されるように、2013年の Google の地図関連のアップデートは非常にハイペースで、6月に Waze の買収、7月にはその Waze の機能の一部であった事故情報等の表示機能をMapアプリへ追加し、8月にはそのMapアプリの広告表示を刷新して収益化を強化しています。(2013年9月現在)

参考:Inside AdWords-Japan: 最新の Google マップ アプリにおける広告掲載について
http://adwords-ja.blogspot.jp/2013/08/google.html

これまでのデスクトップPCを中心にしたビジネスの考え方では AdWords の住所表示オプションはあまり重要性が高いとは捉えられていない向きがありましたが、ユーザーのモバイル利用/地図アプリ利用が加速していく中で、地図への広告表示に住所表示オプションが必須となると、店舗型ビジネスでの販売促進における AdWords 利用の優先順位は一段上がると考えられますし、それが Google の狙いの一つでもあると思われます。

ちなみに、「シカゴ レストラン」で検索したユーザーのうち、14.5% が右上部の地図をクリックしたという実験結果もあり、デスクトップ検索においても地図へのトラフィックは重要視されています。Googleプレイスも Google+Local への変更されており、ソーシャルとローカルの融合も図りつつあるようです。


参考:Study: Google Local Carousel Results Win 48% Of Clicks, While Only 14.5% Of Clicks Were On The Map
http://searchengineland.com/study-google-local-carousel-results-win-48-of-clicks-while-map-only-earned-14-5-of-clicks-164925


ローカルプラットフォームの競争は激化

Google のみならず、Foursquare も広告プラットフォームを開設し、ローカルやスモールビジネスの開拓を進めています。これまでイエローページが担っていたローカル広告は、モバイルと位置情報という組み合わせで、競争が激化しているようです。

参考: Foursquare Opens Self-Service Advertising to Small Businesses
http://searchenginewatch.com/article/2284910/Foursquare-Opens-Self-Service-Advertising-to-Small-Businesses



北米版食べログである Yelp も位置情報ベースの広告で非常に伸ばしている企業ですが、2013年7月には、お店の検索だけではなく、オーダーができるプラットフォームを発表しました。飲食店検索に一層の利便性をユーザーへ付与すると同時に、プラットフォーム自体のマネタイズを強化させる動きになっています。

参考: Introducing Yelp Platform! Transactions Made Easy, Directly Through Yelp
http://officialblog.yelp.com/2013/07/yelp-connects-people-with-great-local-businesses-giving-users-plenty-of-information-to-make-spending-decisions-and-allow.html




モバイルの利用時間と広告費の関係

ローカル広告が注目される背景には、モバイルとの親和性の高さがあることは間違いありません。以下の図でも分かるとおり、以前よりユーザーがメディアに接する時間と広告費の関係において、モバイルは極端に広告費が少ないとされていました。

参考: Why The Local Digital Ad Opportunity Remains Unsolved
http://www.adexchanger.com/data-driven-thinking/why-the-local-digital-ad-opportunity-remains-unsolved/


この大きなギャップが存在する以上、モバイルへの注目度は途切れることがないと考えられますし、そのモバイルのユーザー行動の中で大きなパイの一つである地域コンテンツの閲覧や検索は、これまで以上に今後も伸びていくと考えられます。

ローカル広告は店舗型ビジネスが主戦場ですが、デジタルに遅れをとっているのもまた店舗型ビジネスです。この分野へのサポートやサービスはこれからも続々と登場し、群雄割拠の様相を呈すると考えられます。引き続き注目していきたいと思います。



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