2015年7月29日水曜日

IABの最新版プログラマティック広告レポートを読み込んでみる



プログラマティックに関する初めての専門レポート


2015年7月21日、米IAB(Interactive Advertising Bureau)はPwCと共同で、「IAB Programmatic Revenue Report」を発表しました。このレポートは、IABが定期的に出しているインターネット広告関連の調査のうち、「プログラマティック」と呼ばれる、バナーや動画などのここ数年で大きく取引量を伸ばしているディスプレイ広告の自動取引だけを切り出した初めてのまとまった資料になります。


リリース:
U.S. Programmatic Display Ad Revenues Totaled $10.1 Billion in 2014, According to First-Ever IAB Programmatic Revenue Report

ダウンロード(PDF):
http://www.iab.net/media/file/PwC_IAB_Programmatic_Study.pdf

※ちなみに検索連動型広告は十数年前からプログラマティック取引ですが、このレポートでは「Non-search internet / mobile ads」として、ディスプレイ広告のみにフォーカスしています


ここ数年でディスプレイ広告のプログラマティック取引は大きく成長しており、広告を出稿する広告主や代理店(Buy-side)と、広告枠を持つメディア(Sell-side)のプログラマティック取引への取り組みは年々急拡大しているものの、プレミアム在庫の少なさ(特に動画)や、Viewablity や Fraud などで語られる透明性の欠如が、ある意味その成長痛として指摘されていることも事実です。

このレポートは、2015年7月時点で、2014年末までのプログラマティックディスプレイ広告の状況を紐解いた資料として貴重です。以下で、資料の中で重要な部分を切り出して読み込んでみたいと思います。


3つのハイライト


2014年通年の米国プログラマティックディスプレイ広告費は101億ドル(約1兆2100億円)にのぼり、純広告なども含むディスプレイ広告全体の52%となり、米国ネット広告費全体でも20%を占めることになるようです。(ネット広告費全体は495億ドル:約5兆9400億円)※為替レートは1ドル120円として計算

"Programmatic revenues totaled $10.1 billion in 2014 comprising approximately 20% of total internet advertising revenues ($49.5 billion)1, inclusive of mobile and comprised a majority of display related revenues.
Programmatic revenues made up approximately 52% of display related advertising ($19.6 billion) in 20141, while non-programmatic display related revenues comprised the remaining 48%."

既に日本円で1兆円市場となっているプログラマティックディスプレイ市場ですが、そのほかにも以下の3つのハイライトが提示されています。

(1)取引形態:70%はオープンオークション制だったものの、今後は他の取引形態にシフトしていく可能性が高い

(2)フォーマット別:バナーが全体の8割を占めたものの、モバイルの伸長に伴って動画などの利用率が上がっている

(3)広告費のレベニューシェア(売上配分):広告枠を持つメディアが45%、プラットフォーマー等のアドテク企業が55%



(1)取引形態:

近年「オープンオークションからプライベートオークションへ」と呼ばれるプライベート化の機運が高まってきていますが、それを裏付けるように、現時点では狭義の RTB であるオープンオークションが70%を占めるものの、今後はプライベートオークション(招待制)やプリファードディール(余剰在庫の固定取引)、プログラマティックプレミアム(限りなく純広に近いRTB)の比率が増えていく傾向であると予測されています。


オープンオークションは洋の東西を問わず以前より広告在庫の品質が問題視されており、それが Ad Fraud(広告詐欺)やViewability(広告の視認性)の問題と結びつき、大手のブランドの出稿を妨げていた要因だと言われていました。その解決策として、ブランド広告主とプレミアムメディアの利害が一致した広告取引のプライベート化が、業界全体のチャレンジだとみなされているようです。


(2)フォーマット別:

従来型のバナー広告が全フォーマットの8割を占めたものの、モバイルの伸長に伴って、動画などの比較的新しいフォーマットへ徐々にシフトしていくだろうと予想されています。Googleは決算発表で YouTube の伸長に必ず言及していますし、Facebookなどのソーシャルメディアも動画への投資を強烈に進めていますので、この流れには納得感がありますね。

"Display banner ads made up approximately 80% of programmatic revenues in 2014, but we expect more advertisers and publishers will shift their budgets and inventory toward mobile and video formats over time."


(3)広告費のレベニューシェア(売上配分):

広告費全体を100とした場合に、広告枠を持つメディア(Publisher)が45、プラットフォーマー等のアドテク企業(Ad Tech)が55という比率になっているようです。


ここで言うアドテク企業とは、広告配信のプラットフォームである DSP(Demand Side Platform)、広告配信や運用を行う機能であるトレーディングデスク(Agency / Trading Desks)、広告枠を束ねたアドネットワーク(Ad Network)、ターゲティングデータを提供する狭義の DMP(Data Management Platform)、広告配信をメディア側で制御してマネタイズするSSP(Supply Side Platform) などを指します。

メディアの売上配分の比率はプログラマティック広告の収益を語るときに欠かせない論点です。45:55という比率は、例えば広告主が CPM として200円払っていたとしてもメディアの RPM は100円を切るということになりますので、広告枠をつくり出すメディアの取り分が半分にも満たないことが、結果的にメディアがプログラマティック対応に消極的になりがちな要因だと言われています。

なお、プログラマティック枠の代表格である GDN(Google Display Network)は、メディア側から見ると Google AdSense という名称になりますが、この Google AdSense は以前より収益分配率を公開しており、広告費の 68% がメディア側に還元されています。中間プレイヤーを選択/圧縮しながらターゲティングの精度やメニューの拡充を図っていくかが、メディアの広告収益を考える上で重要な考え方だと言えるでしょう。


ディスプレイ広告のエコシステムと用語の解説


このレポートは、プログラマティック広告の現状調査という意味でも充分に価値がありますが、「プログラマティック」という文脈で語られるディスプレイ広告のエコシステムや、分かりにくい専門用語をしっかり定義付けしているという意味で、網羅性の高い資料だと言えます。

以下の図は、RTBの解説をするときには必ず出てくる関係図(一般的にはヨコで示されることが多い)ですが、非常に簡潔に図式化されています。


そして、上記の中でそれぞれ示されている「DSPs」や「Ad Exchanges」といった各プレイヤーの定義を、2ページにわたって解説しています。

例えば、この図の中で日本でなじみの薄い用語は「ATDs」ですが、これは Trading Desks / Agency Trading Desks(エージェンシートレーディングデスク)の略で、以下のように説明されています。


Trading Desks / Agency Trading Desks (ATDs)
"Trading desks, known for their programmatic trading expertise, play the day-to-day campaign management role. These trading entities can be independent or operate within an agency holding company.
ATDs are the trading arm (or trading entity) of agencies or holding companies. During 2014 this was the most common form of trading desks. ATDs, while leveraging their buying technology, can purchase programmatic digital inventory on ad networks, ad exchanges and SSPs. ATDs often charge a percentage of media spend averaging 5- 15%."
--
トレーディングデスク / エージェンシートレーディングデスク(ATDs)
トレーディングデスクは、プログラマティックな取引に専門性を持ち、日々のキャンペーンマネジメントを担う役割として知られる。これらのトレーディング部門は、独立系もしくは広告代理店グループの一部として運営されている。
エージェンシートレーディングデスクは、広告代理店やそのグループのトレーディング部門のことで、2014年においてトレーディングデスクのもっとも一般的な形式である。エージェンシートレーディングデスクは、自らの購買技術を駆使して、アドネットワークやアドエクスチェンジ、SSPにあるデジタル広告在庫を買い付ける役割を担う。メディア費の5%〜15%程度を請求することが平均的。

この定義を読むと、ATD は別に特別な機関というわけではなく、日本で言えば単純に広告代理店内の運用部門を指すことが分かります。

「広告代理店」と一口に言っても、総合広告代理店やネット専業広告代理店など、得意分野や成り立ちに合わせて呼び名も得意分野も様々あります。また、ネット専業の中でも運用型に特化した部門ばかりがあるわけではないので、代理店内のトレーディング/運用部門を正確に表現するためにこの用語を使っていることが分かりますね。
 

クリックして拡大

上記の図のような、「ユーザーがメディアのURLをクリック/タップしてから実際に広告が配信されるまでの1秒未満で何が起こっているか」を示したチャートもあり、プログラマティック広告の辞書的な意味で非常に有用な説明がふんだんに盛り込まれています。


多様化する取引形態にも言及


オークションのプライベート化が進みつつある現状に合わせ、IABが2013年から定義しているオークションの取引形態の分類も改めて紹介されています。

クリックして拡大


上記の分類はこの資料でも詳述されていますが、IABと協働しているDAC/プラットフォーム・ワン社のサイトで日本語で詳細に解説されていますので、ぜひご覧ください。

リンク:プログラマティックと自動取引 -媒体社の視点から- | プラットフォーム・ワン


プログラマティック広告の今後


レポートの後半では、デバイスの多様化が進むにつれて、「モバイル」と「動画」のプログラマティック取引の重要性と課題に触れられています。

モバイルの成長は疑いの余地がなく、既にメインデバイスになっている現実がありますが、その現実にプロダクトが追いつくために、モバイルアプリへの広告配信や、デバイスを跨いでいるユーザーに対して広告配信を最適化するためのクロスデバイスターゲティングが今後の課題であると結論付けています。

動画も非常に注目を集めているフォーマットですが、アメリカでは特に動画のプレミアム在庫が不足していることが指摘されています。日本より動画のプレイヤーの選択肢が多いはずの海外でも動画在庫の枯渇は問題視されていますので、Facebook等のソーシャルの台頭もあり、動画の広告在庫をどのように確保すべきかは日本を含む他の国でも重要な問題になるのは間違いありません。

今後のプログラマティック広告が引き続き広告のスタンダードとして受け入れてもらうために必要な変化をまとめたものがリスト化されています。

1. プログラマティックをめぐる環境の標準化
 →複雑すぎる環境を整え、定義を明確にすることで、混乱を最小限に抑制。

2.信用度の向上
 →ビューアビリティや広告詐欺などにしっかり対応し、広告出稿側の信頼向上。

3.プレミアム広告在庫の増加
 →動画を中心に枯渇するプレミアム広告在庫への対策。取引のプライベート化。

4.クロスデバイスターゲティングの進化
 →モバイルに合わせたクロスデバイスの強化とプライバシーの両立。

5.品質向上とプログラマティック取引の価値向上
 →プログラマティックを通じた広告在庫の販売の向上と認知。

6.メディア側の運用の向上
 →広告枠をプログラマティック取引化することによる運用の概念の変化。

7.エコシステムの安定化
 →様々な課題に対応し、ネット広告のレベニュードライバーとしての地位を確保。


レポートはこちらからダウンロード(PDF)できます。22ページと短いレポートですが、プログラマティック広告の入門資料としてまたとない良質なドキュメントですので、ぜひご確認下さい!
 



2015年7月2日木曜日

運用型広告は、「導入」と「分析」で決まる。–オーリーズ 川田昌光氏:State of AdOps vol.18


「State of AdOps」は、現在急速に伸びている運用型広告の成長を支え、実際の現場で価値をつくりだしている広告運用(AdOps)のスペシャリストたちに焦点を当てるインタビューシリーズです。広告運用の最前線にいる方々が感じていることを語って頂くことで、運用型広告の輪郭を少しでも捉えることができればと考えています。

※過去の記事はこちらから。

第18回目は、運用型広告のコンサルティングで新進気鋭の企業、株式会社オーリーズでコンサルタントとして活躍されている、川田昌光(かわだまさみつ)さんにご登場頂きます。

テクノロジーを真ん中に置いて運用型広告のキャンペーンを展開しているオーリーズで活躍する川田さんに、運用型広告の最前線についてお伺いしました。

# インタビューは 2015年5月に行われました。


ROI やROASは、ユーザーの満足度にも繋がる指標


●まずは、川田さんが現在のお仕事に就かれるまでの経緯と具体的な業務内容を教えて下さい。


株式会社オーリーズの川田と申します。オーリーズは、いわゆる「運用代行業」と呼ばれるような特定チャネルに限定した代理業や画一的なレポーティングではなく、お客様の根本的な課題を整理して解決策を提供する、運用型広告のコンサルティング会社です。

オーリーズには大学3年生の時にインターンとして参加し、2014年に正式に入社しました。最初は広告というものを全く知らず、単純につり革広告のように不特定多数の人に見せるものだと思っていましたが、運用型広告に携わることになってから、配信の仕組みや背景を知り、自分も配信する側に回ってみたい、この分野でもっと面白いことができるんじゃないかと、可能性を感じて社員として登用してもらいました。


●まだお若いんですね。数あるインターン候補から、オーリーズへはどうやって辿り着いたのでしょうか。

自分で何か事を成したかったというか、これまで自分で何かをやってきたという確かな自信がなかったので、だったらこれから作り上げていくしかないなと思い、就職時には本気になって取り組んでみようと決意しました。

なるべく新しい分野の方がチャンスが多く、身につく力が大きいのではないかと思ってインターン先はベンチャーに絞りました。一般的なインターンは仰々しいというか、あくまで学生インターン用に作られている仕組みでしかないところが多かったので、大学が紹介するようなインターン募集は避けて、本当の就業体験ができそうなところを探しました。オーリーズは、探していたらたまたま行き当たった感じです。

社長の鈴木と話をして、自分の何となくやりたいことを感じ取ってくれたというか、ここで勉強すればいいと言ってくれたんですね。迷っている時間ももったいないと思ったので、インターンとして働くことを決め、そのまま就職しました。現在は新規営業とお客様への広告運用を担当しています。


●川田さんにとってこの仕事の面白さや課題は何ですか?

自分がこの仕事の面白さを感じる瞬間は、どういう人がその商品を買うかを想定して、「こういうタイミングで、このデバイスから広告に触れるんじゃないか」といった一連の流れを考え、そこでクリックされる広告は何なのかと追求しているときです。

広告の仕組みは技術的にもどんどん発達していて、ユーザーに最適な広告が提供できるようになってきていますが、世の中的には広告はまだまだ嫌われているなと感じることが多々あります。その理由を考えてみると、自分も含めてですが、配信する側が広告の機能を活かしきれていないからではないかと考えています。

広告を出すということはユーザーとの出会う機会を作ることだと思っています。広告がクリックされるということは、「ユーザーがその広告を好ましいと思った」と言い換えてもいいかもしれません。

そう考えると、ROI や ROAS という数値は、単なるデータではなく、ユーザーの満足度に繋がる指標だと捉え直すこともできると思います。

それをもっと高めるために、どうすれば効果が最大化するのかを突き詰めて考えると、結局は「ユーザーがどう考えてどういう経路を辿ってこの商品にたどり着くのか」を考えることなのかなと。

もちろん、現在の広告の機能で出来ることと出来ないことがありますが、アイデアを実現できる新しい機能は、いち早くキャッチアップしてお客さまに届けていきたいと思っています。

その面白さを知るために、新しい情報をどれだけキャッチアップして自分の血肉とできるかが、今の課題です。



延々とキーワードを追加するような運用は減っていく


●ありがとうございます。では、今のお仕事で、先ほど仰られたような新しい機能を使った事例がありましたら教えて下さい。

オンラインの家具専門店のお客さまの事例をご紹介できればと思います。元々インハウスで広告運用をされていたのですが、「検索連動型広告でもっとできることがあるのではないか」「インハウスだけでは出ない新しいアイデアや伸びしろを知りたい」というご要望でお手伝いすることになりました。

ご担当者は、在庫管理など他の業務も兼任で行っていらっしゃったため、最適化のために分析やヒアリングをさせて頂いたところ、リスティング広告の費用対効果や損益分岐点が正確に把握できる状況にはなっていませんでした。

そのため、やみくもに改善案をご提案するのではなく、まず、行っている施策の費用対効果を1つ1つ洗い直し、その上で運用型広告を行う上で定量的に把握できる目標の設定を行いました。


●具体的にはどのように進めていったのでしょうか。

目標設定のために利用したのは、もともとお客さまが使っていらっしゃった効果測定ツール(アドエビス)とアクセス解析ツール(Google Analytics)です。広告の効果測定ツールとアクセス解析ツールで検索連動型広告の重要なキーワードのコンバージョン貢献度を洗い出すことで、その時点のアカウント構成において適切な予算配分を算出しました。

たとえば、社名やサイト名のようなブランドキーワードと「家具 通販」のようなゼネラルキーワード(ビッグワード)があるとします。一般的にはビッグワードの CPA は低くないですよね。

そのお客さまは「ビッグワードはラストクリックでの CPA は悪いけれど、それはラストクリックベースで判断しているからで、おそらくブランド検索に貢献しているはずだ」と想定してずっと掲載を続けていたのですが、効果測定とアクセス解析を併用して分析してみたところ、実際にはビッグワードはブランド検索へあまり影響を与えていなかったことが判明しました。

そのため、初期の施策では、この予算の無駄を削ぎ落としていくことで、最小限の設計だった場合の CPA や利益率を算出しました。結果、最初の1ヶ月でかなりの予算が削減できたので、その浮いた分のご予算を別のところに使おうということで、単純なゼネラルキーワード以外の施策をトライして頂きました。


●面白いですね。可能な範囲で、施策の詳細や順序を教えて下さい。

まず行ったことは、データフィードの整理です。Criteo でも商品リスト広告(PLA)でも、データフィードをしっかり構築することが重要ですので、まずはこれに取り組みました。商品点数がマニュアル対応では厳しい量でしたので、フィードマネジメントサービス(コマースリンク)を利用しました。

最初は AdWords と同じアカウントですぐに始められる商品リスト広告(PLA)からスタートしましたが、すぐに効果が上がりました。

その後、日々増減する商品に対応するため動的検索広告(DSA)を活用したり、動的レコメンドバナーである Criteo を利用するなど改善を進めることで、お取引が始まってから5ヶ月間で約800万円の売上が約1300万円になり、問い合わせ経由の売上も含めると、同じ広告費で売上が約2倍となりました。




●素晴らしいですね。同じ予算でも内訳がずいぶん変化したのではないでしょうか。

仰るとおりです。この図を見て頂きたいのですが、各月のご利用金額を100とした場合のご予算の内訳です。最初は Google、Yahoo! それぞれの検索連動型広告と、リマーケティングを少し、というご予算配分ですが、5ヶ月後には単純な検索連動型広告以外の割合がかなり増えています。




内訳も、商品リスト広告や動的リマーケティング、Criteo などデータフィード関連広告の割合が大きく、動的検索広告のような自動化も一定の割合になっています。

予算配分の変化に伴って、これまでのように延々とキーワードを追加していくような広告運用は減りました。

初期の1−2ヶ月で運用するキーワード数は減らしているため、キーワードマネジメントよりもデータフィードの設計や調整、サイト内を分析して動的検索広告のキャンペーン設定をしたりと、施策も分析の範囲も変化しています。




●様々な施策を組み合わせることで、運用が変化し、結果的にコスト効率がよくなってさらに売上が上がったという理想的な事例のように見えますが、初めからこういうストーリーが描けていたのでしょうか。

もちろんです!と言いたいところですが、思考錯誤の結果です(笑)。

日々勉強していく過程で「検索連動型広告だけが最適な解決策ではない」というのは何となく感じていましたので、お客さまと一緒に模索しながら辿り着いた結果だと思っています。


●参考にできる他社の事例なども決して多くはないですよね。

とにかく新しいニュースを読んで咀嚼することを心がけました。英語は得意ではないのですが、それこそ Unyoo.jp で紹介されている元の英語記事を読んでいるうちに「自分達でもできるはず」と思えるようになりましたし、既に第一線で活躍されているアナグラムさんのブログ、分析であれば小川卓さんのブログなども読み込みました。

このオンライン家具店さまのご支援をする中で、今までコラムや記事を読んでいて「すごいなあ」と思っていたことが現実に「自分たちでもできる」と確信に変わり、オーリーズは高い品質で運用型広告をご提供できる会社だと、言い切れるような自信がついてきたと思います。



成果は、「導入」と「分析」で決まる


●ありがとうございます。この事例を通じての学びや、会社として心掛けている姿勢などはありますか。

自分たちのやっていることが間違っていないと確信できたのは、この事例でも「導入」と「分析」が重要だと再認識できたことだと思います。

実は、弊社では運用型広告の一連の作業を「導入」「運用」「計測」「分析」の4段階に分けています。

「導入」は、1つ1つのテクノロジーを理解して最適なものを選んで稼働させること。「運用」は、テクノロジーの中で人が動かせるレバーが何かを理解し、それを動かすことで広告の効果を最大化させること。「計測」は、計測の基盤を整えて、実施した施策にまつわるデータを正確に収集すること。「分析」は、収集したデータをもとに価値のある意味を見出して、次の具体的なアクションに落とし込むこと、と定義しています。

どれも重要ですが、中でも「導入」と「分析」が非常に大事だと思っています。

なぜその2つが大事かというと、現代では多様化、自動化、断片化が進んでいるからだと考えています。まず、様々な機能や製品が出てくることで選ぶもの自体が多様化している。そしてテクノロジーによって、人が行ってきた作業の自動化が進んでいる。そうして便利になるにつれ、主に PC を使う人もいれば、スマホしか使わない人もいますし、Facebook や Twitter を始めとして、人々が見るデバイスもメディアもバラバラで断片化しています。

正確なデータを収集して計測する基盤を整え、それを分析して、何に充てるべきか、何を導入したらいいのかを選んで稼働させ、その先は機械に任せる。そうするには「分析」する力と適切に「導入」する力が大事だという考えです。


●共感します。一方で、こういった考え方は決して現在の運用型広告、というかデジタルマーケティング全般で支配的な考え方とは言えないような気がしますが、何がボトルネックになっていると思いますか?

業界全体のことは分からないですが、必要な情報を収集しようとしていないケースは散見されるかなと思います。広告主も広告代理店もとにかく大事な業務を兼任していせいか、忙しすぎて、なかなか新しいものを取り入れることができないのではないかと思います。


●それは情報収集する習慣の問題ということでしょうか?

いえ、多くは社内の体制の問題だと思います。運用型広告に本気で取り組む体制を社内的な文化として、経営層も含めてしっかりと理解することが大切だと思います。

売上や効果を上げるための要素が、営業力よりも分析力や導入力に比重がかかってきていますので、世の中の変化に柔軟に対応する姿勢と情報への感度が重要だと思います。


●そういった中でオーリーズのような企業や、川田さんのような運用者の価値はどのように発揮されると思われますか?

大手であれば積極的に新しい技術を取り入れて検証していける体制が整っていると思うのですが、中小企業はなかなかそういう体制が整っておりませんので、同じ予算の中で何を最適化させるのか、大きな会社では手が届かないところまで予算配分を細かく設計することで貢献できるのかなと思います。

個人的には、自分のやっていることに満足しないように、落ち着いてしまわないように気をつけています。「これを知っていたらよかった」という機会損失は、自分にもお客さまにも、なくしていきたいですね。


●素晴らしいですね。では最後に、今後の展望などがありましたら教えて下さい。

企業としては、先ほど申し上げた「導入」と「分析」の力をもっと身につけて、お客さまに提供していきたいと考えています。個人としては、運用型広告でもっと色んな方に知って頂く機会を増やしていきたいです。

そのために、ちょうど弊社でブログを立ち上げました。今後は自分たちの意見をしっかり発信していきたいと思っています。ぜひたくさんの方に見ていただきたいです!

リンク: http://blog.allis-co.com/


●本日はありがとうございました!


All's & Company



Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...