検索エンジンのシェアは色んな業者さんが定点観測されていますが、先日、Mailpublisher さんにこんな記事がありました。
検索エンジン米シェア、Googleは微減傾向、Bingが3カ月連続上昇 - Mailpublisher.jp
Experian Hitwise のデータの精度が残念という前提は脇に置いておくと、Google の独占状態に陰りが見えてきているという示唆は何となく分かります。
詳細は記事が詳しいですが、Google のシェアが微減傾向にある原因の仮説として、以下のデータが掲載されています。
Hitwise社の調査レポートによると、Bing検索エンジンを搭載しているyahoo.comとbing.comの検索成功率は、いずれも80%を超えているのに対して、Googleは67.56%と10%以上の差をつけられている。ちなみにここで述べる「成功率」とは、検索エンジンからユーザーがウェブページに到達した割合=クリックスルー率(CTR)を示す。この検索成功率とシェア率に直接的な因果関係を示す証拠はないが、この顕著な成功率の差が、シェア率を落とすひとつの要因として挙げられるかもしれない。今後も引き続き定点観測をする必要があるだろう。
つまり、Hitwise的には「Success Rate(検索成功率)」が低いからユーザーが離れていってるんじゃね?ということを暗に言いたいらしいですね。
もちろん、以前から検索成功率って何ぞと、クリックせずとも情報を得られたのはどうやって測るんだコノヤロウとMatt Cutts氏も苦言を呈しておられますので、この辺りはなかなか竹で割ったようなシンプルな結論を出すのは難しく、議論百出となるのは仕方ないのかなと思います。
Cutts氏の苦言はいかにもGoogle らしいと思います。情報到達までのコストを最小化するのがGoogle の使命だとすると、広告側の事情は置いておいて、クリックして目的の場所に飛ばずとも情報が得られるのであればそれに越したことはないという意見はよく分かります。
一方で、Hitwise の憶測に反論するには、SERP からのクリック率とユーザーの情報到達率は必ずしも相関しないという説明が何となくほしいところです。かなりの数のユーザーがマウスオーバーしてサムネイルを見ているとか、いやいやサイドバーから画像検索してるのでGoogleドメイン内でぐるぐる回ってるんですとか、実はSEO屋がメチャクチャ順位調査ばっかりしてるので率にしたら下がるんだよとか。
個人的には、これまでの検索結果の”Improvement” が、果たしてユーザー利益になっているのかどうか、立ち止まって考えるのもありなのではと思います。
それは、1ドメイン2本ルールを改変したのにネストしてないので見た目の”Success Rate” や検索回数は上がるだろうけどそれってEngagement って言うのねえどうなのとか、メガサイトリンクってほとんどのユーザー環境でAbove the hold に1ドメインしか検索結果が出ないし各サイトリンクにあるURL表記って面積的に要らないんじゃないのとか、そんなところから発する感想です。
上記で例示したどちらのブログポストにも、改善を改悪だというユーザーコメントが無視できない程度の量紛れ込んでいることは、同じような感想を持つユーザーが他にも存在するという証拠ではないかなーと思います。
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