春になって期が変わる頃になると、人がたくさん動きます。今いる場所を卒業する方も、新しく仕事を始められる方もいらっしゃいます。
4月になると、新人の方向けに「ちょっと話してくれ」と、運用型広告に携わる会社さんからご依頼を受けることがあります。もちろん喜んでお話しさせて頂くのですが、そういう機会が年々増えてきたので、せっかくなのでそのときによく使っているスライドの一部を抜粋して公開します。
運用型広告を支える人々
インターネット広告は2014年に1兆円規模になり、その中で大きい割合を占める運用型広告は今後もますます伸びていくと思われます。市場が伸びるということは、従事する人口も増えるということですが、増えてはいますが、市場の成長に対して人口の伸びが追いついていないと言われています。運用型広告では、よく使われるファンドマネージャーのメタファーに頼るまでもなく、設計と運用によってキャンペーンの成否は大幅に変わります。(そうじゃなければ、「運用型」という名前にはならないですし)
キャンペーンの成否を分けるのは機械ではなく人です。プラットフォームの進化によって自動化の精度が高くなればなるほど、「運用や設計ができる人材」と「そういった人材を育てる教育」という、「人」への投資に各プレイヤーの軸がシフトしてくるという逆説性があります。
広告運用のプラットフォームでは「誰でも平均点がとれる」という市場の底上げと、「仕組みを理解した上でデータやシステムを繋げる」専門性の深化が同時に行われていますが、胴元である Google や Facebook のようなプラットフォーマー以外のプレイヤーは、平均点では市場に参加する価値が低いため、どうしても専門性を身につける必要があります。
広告のエコシステムを形成するそれぞれのプレイヤーの中で、キャンペーンを設計し、データを分析し、改善を繰り返していく現場の人々の努力と智慧によって、運用型広告は支えられています。
エクセルと入札だけじゃないぜ
このスライドでは、毎日エクセルとにらめっこしてたり、ポチポチと入札単価を変えるのが仕事だと思われないように、エコシステムの根っこの部分を多少強引に説明しています。実際、それが仕事だと思っている人が多いのです。ネット広告の会社は、従事する人口が少ないからといって、採れるだけ採用して、エクセルと入札の奴隷にして(いや、もちろんエクセルも入札も必須なんですが、目的じゃないので)、辛そうな人を増やしがちな傾向があります。
もちろん決して楽な仕事とは言えないですが、こんなにフェアで面白い仕事もそうそうないのではと思っています。その面白さが分かる前に辞めてしまうのはもったいない。このスライドを使って話すときは、少しでもそれが伝わればいいなと思っています。
リンク:入札やレポート作成に忙殺される前に押さえておきたい運用型広告の話
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