
AdMarkeTech. Monthly 2019年8月/August 2019
毎月のニュースをまとめて取り上げる【AdMarketech. Monthly】。
ブログで取り上げなかったものの、注目に値する記事をかんたんなコメント付きでご紹介します。
2019年8月は、夏休み的な動きで比較的落ち着いた印象でしたが、興味深いレポートやコラムが充実していました。 気になった方はリンク先もぜひご一読ください!
▶Regulating Privacy Online: The Early Impact of the GDPR on European Web Traffic & E-Commerce Outcomes
7月の記事ですが、GDPRの施行から1年が過ぎ、影響調査が徐々に公開されてきています。(リンク先はPDFなので環境によってはご注意ください)
Adobe Analytics を利用している約1500の中〜大規模サイトを対象に調査した結果、GDPRの施行以後、ページビューや訪問数に10%近いネガティブインパクトがあったとのことです。ECサイトでも売上が8.3%のマイナス。大きいですね。
主な要因として、「広告のオーディエンス測定の精度低下」と「サイト上に実装されている確認ポップアップ」の2つが挙げられていますが、広告の精度がいきなり極端に結果に出るというのが感覚として分かりませんので、下落のポイントが連動していることからも、例のポップアップが影響する要素としては大きいのかなと思います。
▶New innovations to grow your app business with ads
Googleのアプリキャンペーン等の拡大について発表がありました。(発表時は米国のみでしたが、日本も現在は順次展開されています)
内容は大きく分けて、以下の3つです。
・アプリ広告のディスカバー面在庫追加
・アプリ広告のYouTube検索面在庫追加
・インストリーム広告のGDN上の動画在庫追加
ボリュームとしてインパクトがあるのは、最初の2つ、アプリ広告のディスカバー面とYouTube検索面追加でしょうか。特にYouTube検索面では、Google Playのレビュー等も表示されるので、ゲーム動画等の相性はよさそうです。
最後の「インストリーム広告のGDN上の動画在庫追加」がわかりにくいですが、ざっくり言いますと、アプリやウェブサイト上の動画を閲覧しているときに、インストリームとして動画広告が入る、というものです。これまでYouTube内だけだったインストリームを、embedされた外部プロパティでも展開する、つまりネットワークにパートナーが追加されるという感じの理解になるかと思います。
▶Digital Agency Salaries & Compensation [Research] - State of Digital
最後はキャリア関連です。定期的に行われているデジタルエージェンシーの給与報酬サーベイの最新版が発表されています。
この詳細データは会員登録が必要なのでサマリーだけ書きますと、以下のようになります。
「デジタルエージェンシーの平均成長率は約17%で、マーケット自体は健全に伸びているものの、人材不足が深刻化しているのは先進国共通。アメリカでの給与の期待増加率は1年あたり約4.5%」
その他にも、国土が広いこともあってリモートワークは盛んに利用されており、リモートワーカーは平均してオフィスワーカーの2倍の経験値を持っているとのことでした。(このへんは因果と相関がごっちゃになってそうですが…)
なお、上記と関連して、How Marketers Learn というサーベイでは、
「企業の従業員へのデジタルスキルへの投資が、組織の長期的な成長にとって非常に価値があることが改めて証明された」
との記載がありました。
技術革新の速度が早いので、今後もタレントギャップは継続的に起こり続けると考えると、この調査結果は「市場に適切な人材がいないことを嘆くよりも、育てなさい」という示唆だと捉えられますし、育てる体力のある企業が結果的に高収益ということの証左でもあるのかなと思います。
以上、今月の【AdMarkeTech. Monthly】でした!
なお、毎週のニュースは【AdMarkeTech. Weekly】としてFacebookページにアップしています。よろしければご覧ください。
それでは、来月もお楽しみに^^
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