2012年5月21日月曜日

マーケティングオートメーションとは何か?


ここのところのビッグデータブームによって、「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」という単語を目にする機会が増えてきました。


このマーケティングオートメーションという言葉を見て、

「もしかして、受話器を取ったら自動音声で営業されるたぐいのやつじゃ…」とか

「マーケティングはコミュニケーションなのに自動化してどうすんだ!プンプン」

という印象を抱いたことはないでしょうか。(ちなみに僕はありました ///)

「オートメーション」という言葉に潜む、機械的で冷たいイメージが、マーケティングに関わるアイデアや努力が否定されてしまうような印象を与えるのかもしれません。



注目が集まるマーケティングオートメーション市場
そもそもマーケティングオートメーションというものに市場はあるのでしょうか。一年近く前(2011年6月)のデータになりますが、Focus.com という調査会社がまとめたマーケティングオートメーションについてのインフォグラフィックがありますのでご紹介します。

これによると、マーケティングオートメーションのB2B企業の導入率は2010年で7%から10%であるものの、2015年までには50%まで導入率が伸びると予測されています。


Marketing Automation By The Numbers
http://www.focus.com/fyi/marketing-automation-numbers/





他にも、

「マーケティングオートメーション業界には既に110社が存在する」

「417%もの収益改善や、451%もの見込み顧客増加事例などがある」

「2010年だけでも、Oracle、IBM、TerraData などのビッグネームによるベンダーの買収が行われた」

など、上り調子であるデータが散見されます。現時点で売上も含めて実際に伸びているかは不明ですが、注目に値する分野なのは間違いなさそうです。



マーケティングオートメーションとは何か
では、このように注目されるマーケティングオートメーションとはそもそもどういったものを指すのでしょうか。先ほど紹介したインフォグラフィックにはマーケティングオートメーションの提供する技術として、以下のように紹介されています。

(クリックすると拡大します)

左から、「コンテンツのスケジュール配信」「顧客リストの精緻なセグメント」「戦略的なアップセル&クロスセル機能」「見込み顧客のスコアリング」「キャンペーンマネジメント」「測定・レポーティング」といった感じでしょうか。

これだけ見ると、正直言って、フーン( ´_ゝ`)という感じです。SFA(セールスフォース・オートメーション)に余計な機能が追加されただけなんじゃないの?ただでさえSFAは入力が面倒だし現実に即してない運用がされがちなのにこれ以上項目が増えるのは勘弁してよ!という営業マンの声が聞こえてきそうです。

このままではよく分からないので、Wikipedia のMarketing Automation の項目を参考にしてみます。

Marketing Automation has a focus on moving leads from the top of the marketing funnel through to becoming sales-ready leads at the bottom of the funnel. Prospects are scored, based on their activities, and then presented drip campaign messaging via email and social channels, thus nurturing them from first interest through to sale.
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マーケティングオートメーションとは、見込み顧客をマーケティングファネルの上部から営業可能な下部にまで引き渡すことに特化すること。マーケティング活動をもとにスコアリングし、それに合わせたメッセージングをEメールやソーシャル系のチャネルを利用して行う。つまり最初の興味関心のレベルから営業可能なレベルにまで育成すること(ためのソフトウェア)。


これを見ると、どうやらSFAの追加機能というよりは、営業プロセスに至る前の見込み顧客のリストを整備して、興味関心を醸成し、営業可能なレベルにしてから営業プロセスへ引き渡す役割を担うのがマーケティングオートメーションなのだ、という理解になりそうです。

確かに、営業が数人しかいない小企業ならまだしも、大手企業になると営業の人数も多く、立地的に近いところに拠点が複数存在し、展示会やセミナーなどで獲得した名刺の数は膨大になり、ウェブやダイレクトメールなどの複数チャネルからの問い合わせもあったりして、SFAに登録するデータがどうしても膨大になってしまうため結果としてSFAの運用自体が難しくなることがあります。特に営業ごとの顧客リストに重複があって、同じ内容の案内が別々の営業から複数届いてクレームに発展、なんてこともよく聞く話ではないでしょうか。

マーケティングオートメーションのベンダーはSFAベンダーや分析系ベンダーと連携することが多いのですが、マーケティングオートメーションが営業プロセスをより効率化して確度を上げていく役割を担うのだとすれば、さもありなんという感じですね。

そうすると、マーケティングオートメーションで不特定多数の見込み案件を分析して、絞り込んだ確度の高い案件(Qualified Leads)をSFAにインポートして、チャネルや分野によって各部門の営業担当に割り振る、なんていう使い方ができそうです。SFAからCRM(カスタマーリレーションシップ・マネジメント)への繋ぎ込みがあれば、見込み顧客の創出から既存顧客のサポートやアップセルまで、一気通貫に行うことができるかもしれません。






マーケティングオートメーションに死角はないのか
聞けば聞くほど便利そうなマーケティングオートメーションですが、もちろん合う企業、合わない企業があると思います。

まず、マーケティングオートメーションは一般的に法人向けB2Bビジネスや、一部の商談サイクルの長いB2Cビジネス(不動産など)、決済までとにかく時間のかかる政府や役所向けのビジネスにおいて使われますので、検討期間が短いB2Cには不向きだと言われています。また、導入には当然費用もかかりますし、現在の組織構成にどうやってビルトインしていくかといったそれぞれの企業特有の問題や、データ項目の作り込みや運用など新たなコストも発生するので、IT部門とマーケティング・セールス部門との連携がなかったり、IT部門に力を入れていないような企業の場合は難しいでしょう。

事実、上述のインフォグラフィックにも、

「マーケティングオートメーションで購買サイクルを更新している企業は10%以下」

「マーケティングオートメーションを十分に活用できている企業は25%以下」

など、導入しても運用できない企業が多いことが示唆されています。



マーケティングオートメーションのプレイヤー
最後に、マーケティングオートメーション業界のプレイヤーを紹介します。
上記のインフォグラフィックにもプレイヤーは載っているのですが、最近 Ifbyphone というマーケティングオートメーションベンダーが発表したインフォグラフィックが、マーケティングオートメーションのカテゴリ別にまとまっているので、こちらを紹介します。


What the Evolution of Marketing Automation Looks Like [Infographic]
http://www.mpdailyfix.com/what-the-evolution-of-marketing-automation-looks-like-infographic/


ただ、このインフォグラフィックは長い割に内容としては正直微妙なので、プレイヤー一覧のところだけご紹介しますね。



「リードマネジメント」「ウェブ解析」「メールマーケティング」「インバウンド」「ソーシャル」など、得意分野によって企業が分かれるようです。

なお、余談ですが、リードマネジメントの項目にあるMarketo はリードマネジメントでは有名な企業で、「Difinitive Guide to Lead Scoring」(※リンクはPDFです)といったような分厚い資料を積極的に発表しています。ちなみにリンクの資料は超絶に細かい内容で読むとお腹いっぱいになるため、これを自前でやるくらいだったらMarketo に依頼したほうがマシと思わせる作戦で作られたのだと思います。

2011年時点で110社以上あったマーケティングオートメーション業界、今後どのように発展していくのでしょうか。 ほとんどのマーケティングオートメーション企業の日本への進出はまだまだこれからといった様子ですが、引き続きウォッチしていきたいと思います!



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